岡田 高明 院長、岡田 卓美 副院長の独自取材記事
おかだ歯科・矯正歯科
(寝屋川市/寝屋川市駅)
最終更新日:2025/03/26

北西に淀川を望む寝屋川市仁和寺本町にある「おかだ歯科・矯正歯科」。院内は子どもの患者を意識したカラフルな色彩にあふれ、壁面には手作りの掲示ポスターやスタッフ紹介が貼られている。1995年の開業以来、地域密着型クリニックとして近隣住民の健康をサポートしてきた同院。院長を務める岡田高明先生は長年、来院が困難な高齢者のための訪問歯科診療にも力を入れてきた。公私ともにパートナーである岡田卓美副院長とともに、歯科診療にかける思いを語ってもらった。
(取材日2018年5月17日/情報更新日2024年3月19日)
華やかさはなくても「地域のNO.1」でありたい
クリニックの特徴やこの地を選ばれた理由を教えてください。

【岡田院長】当院はひとことで言うと、“町の歯医者さん”ですね。気になることがあれば気軽に立ち寄れる地域密着型の歯科医院で、中には「歯医者さんに相談することではないかもしれないけど」と言って、健康の悩みを診療中にお話しされる方もおられます。都会のオフィス街にあるクリニックのような華やかさはありませんが、アットホームで温かみのあるクリニックです。
【卓美副院長】私が寝屋川市の出身なんです。土地勘があるので動きやすいですし、地域の方の雰囲気もよく知っています。また夫婦で一緒に診療してきたからこそ、お互い意見を言い合ったり、助け合ったりしながら一緒に技術を高め合えたと思いますし、家事・育児との両立ができたと思います。
どのような患者さんが来られますか?
【岡田院長】当院は長くかかりつけにされている方が多く、ご高齢の方を中心に、近隣にお住まいの若いご夫婦やお子さんなどが来院されています。開業から約30年、当初40代、50代の現役世代の時から来られている方は、今では70代、80代に。小学生だったお子さんは成人して、立派な社会人になっています。仕事で関西を離れても帰省の度に受診してくれる人や、小学生の時からうちに来ていた子が結婚してお母さんになり、自分の子どもを連れて来ることもあります。当院は開業当初から、予防や早期治療の重要性を患者さんに伝えてきました。そのかいもあってか定年退職後も、また大人になってからも定期的にメンテナンスを続けて、いい状態をキープされている方が多いように感じます。
保険診療を基本として、より良い治療を選んでいく方針なんですね。

【岡田院長】治療する歯の場所にもよりますが、最近は保険診療内で白い詰め物やかぶせ物の治療ができるようになりました。銀歯よりは多少費用はかかりますが、それでも目立たない詰め物にできるとあって、特に女性が希望されることが多いですね。矯正治療のようにもともと保険が利かない治療を除き、当院では基本的に保険診療内でより良い治療を提供することをモットーにしています。治療の選択肢として自費診療も一通り説明しますが、その人のニーズに合うようなら選んでいただけばいいので、無理して選ぶ必要はないとお話ししています。迷われている方に対しては、返事を急がせるようなことはせず、「主な違いはかぶせ物の素材なので、治療が最終段階に入ってから決めてもらってもいいですよ」とお伝えすることもあります。
高齢者診療、小児矯正を主軸に地域医療に尽力
卓美先生のご専門である小児矯正や小児歯科についてお聞かせください。

【卓美副院長】大阪大学歯学部歯科矯正科で矯正歯科を専門に学び、矯正治療と小児歯科は主に私が担当しています。矯正治療ではほとんどが小児です。成人の場合、土台となる顎の骨が既にできあがった状態で歯を動かしていきますが、成長期の子どもは顎の発育を利用して、上顎と下顎の骨のバランスを整えてから、正しい歯並びに導いていきます。治療開始のタイミングは、前歯4本が永久歯に生え替わる小学2~3年生くらいがお勧めですが、個人差もありますので気になる方はいつでもご相談ください。歯科治療では、お母さんと一緒に治療するのは3歳までにしていて、少しずつトレーニングをしながら1人で治療できるように手厚くサポートしています。虫歯予防と矯正治療が同時にできるので、お母さん方にも喜ばれているのではないでしょうか。
訪問歯科診療にも力を入れているそうですね。
【岡田院長】知り合いの歯科医師に「これから超高齢社会に向けて、訪問歯科診療がますます必要になるよ」と勧められ、私は勤務医の頃から義歯の治療を専門的に行い、高齢者の歯科治療が得意分野だったこともあり、10年ほど前から訪問歯科診療に力を入れるようになりました。訪問歯科診療では通院が困難な患者さんのご自宅まで歯科医師と歯科衛生士が出向き、緊急の応急処置や入れ歯治療、虫歯治療、口腔ケア、リハビリテーション、定期検診などを行います。往診で使うポータブルの機材は年々進化し、外来での診察と近いレベルの治療が可能になりました。入れ歯の治療をきっかけに訪問歯科診療でケアを受けるようになり、健康な状態をキープされている方は多いのではないでしょうか。「やはりプロがすると違うね」とご家族の方に喜んでいただけたらうれしいです。最初は1人、2人だった患者さんも現在は1日10人を超え、ニーズがあることを実感しています。
高齢者診療ではどのようなことを心がけていますか?

【岡田院長】口腔内を清潔に保つことは誤嚥性肺炎の予防にもつながりますし、もし噛めるようになれば食欲が出て、体調が良くなり、気持ちも明るくなると考えています。ですので、ご高齢の方の治療や訪問歯科診療ではただ悪い歯を治すだけでなく、その人がより良い生活を送れるようQOL(生活の質)の向上を重視しています。例えば近年、歯茎にフィットしやすいシリコーン素材の義歯も取り入れました。歯茎の負担が少なく、装着時の痛みも軽減できるので、より過ごしやすいはずです。また高齢者の治療は、健常者の治療とはスタンスが異なります。若くて元気な方なら、治療中で食べられないことがあっても、さほど問題ないと考えますが、高齢の方がいつものように食事ができないと体調を崩したり、入院してしまったりすることも。虫歯治療など歯科治療だけに重きを置くのではなく、持病や健康状態を考えながら治療する必要があります。
一人ひとりの毎日を支える生活医療としての歯科医療を
訪問歯科診療を通じて、ご自身の気持ちにも変化があったそうですね。

【岡田院長】訪問歯科診療を受けた人の中には、「来てくれるだけでうれしい」という人も多いそうです。当院でも以前、診療していた患者さんが亡くなられた後、ご家族の方から手紙をいただいたことがありました。その時、ただ口の中を診療するだけでなく、患者さんと会って会話をするのも私たちの大事な役目と感じたのです。また、訪問先で高齢のご夫婦が思いやりをもって介護し合う様子を見ると、いい意味で「人生を見る」ことができたのではと実感します。以前よりも広い気持ちで患者さんに接することができるようになり、「困ったことがあったらすぐに来てね」という言葉が自然と出るようになりました。
お互いの尊敬できる点を教えてください。
【卓美副院長】私から見て、院長の義歯の技術や、歯がない人に噛める喜びを与えようと努力する姿を、心から尊敬しています。入れ歯に関しては、最後の調整は院長に確認してもらうこともあるんですよ。私の説明では納得してくださらない患者さんも、院長だと大丈夫だったりしますから(笑)。
【岡田院長】副院長の好奇心旺盛でエネルギッシュなところですね。例えば、ダイビングや船舶の免許を取ったり、ケアマネジャーの資格取得にも挑戦したりなど、精力的な姿勢を尊敬しています。他院の工夫している点を取り入れ、患者さんのために「歯科メンテナンス」や「歯槽膿漏」の冊子を作成する意欲的なところも、患者さんに慕われるのだと思います。
読者の方に歯科医師としてのアドバイス、そしてメッセージをお願いします。

【卓美副院長】子どもの噛み合わせは、遺伝、食生活、姿勢に影響されます。成長期に体をひねってテレビを見ながら食事をすることで噛み合わせが悪くなることもあるのです。バランスの良い食生活を心がけ、親御さんには環境要因にも気を配っていただきたいと思います。お子さんの歯並びに関して心配しすぎることはありませんが、不安な方は気軽にご相談ください。
【岡田院長】口を診て、体全体を診る。歯科医療は生きる力を支える生活医療だと思います。地域における医科歯科連携の取り組みが進む中で、子どもの矯正治療や高齢者の訪問治療を通じて、皆さまの毎日の生活をサポートする歯科診療をめざしたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/44万円~
成人矯正/77万円~
生体シリコーンを用いた義歯/14万8000円~
かぶせ物/3万8500円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。