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稗田 茂雄 院長の独自取材記事

医療法人 八事レディースクリニック

(名古屋市天白区/八事駅)

最終更新日:2019/08/28

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名古屋市営地下鉄鶴舞線・名城線の八事駅から徒歩10分の「八事レディースクリニック」は、開院して18年になる産婦人科医院。院長の稗田茂雄先生のもとには、不妊症に悩む女性や夫婦が数多く通っている。22年間大学病院や関連病院で専門の生殖医療に尽力し、子どもを望む女性の希望を叶えたいという強い思いを胸に開院。一人ひとりの諦めない気持ちに寄り添いながら日々の診療に臨んでいる。プライベートではジャズが好きで、愛犬と過ごす時間を大切にしているという一面も。インタビューでは稗田先生に、日々の診療への思いや今後の展望などについて、じっくりと語ってもらった。
(取材日2017年7月13日)

患者の気持ちに寄り添いながら専門の不妊治療に尽力

まずは貴院の特徴について教えてください。

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私は大学病院や関連病院で、産婦人科治療の中でも特に一般不妊治療・高度生殖医療に注力してきました。そのため、開院当初から当院でも不妊治療に力を入れています。不妊に悩む方が多く通われていて、患者さんの全体の7割くらいは不妊治療で通院されていますね。その他、一般婦人科の方が2割、妊娠健診の方が1割ほど。ホームページをご覧になって来られたり、紹介やクチコミで当院のことを知ってくださる方が多いようです。不妊治療を受けている方は、やはり30~40代の女性が多く、ご夫婦で受診される方もおられます。

主な生殖医療の種類と内容について教えてください。

実際の治療を始める前に不妊カウンセリングを受けていただき、まずは妊娠のメカニズムと不妊の原因・検査などを説明して、患者さんにご理解していただきます。その後、各種検査を経て、治療を進めていきます。基本的には、まずタイミング療法を行います。これは、排卵日から妊娠率が高くなる時期に合わせて夫婦生活のタイミングをご指示する治療法。それを数ヵ月続けて、女性の年齢や体調などを考慮しながら、いつ次の段階に進むかを見極めていきます。次は人工授精や体外受精が主な治療法です。どちらも開院当初から取り組んでいます。人工授精は、子宮内に人工的に精子を注入して授精を促す方法。体外受精は、子宮内から取り出した卵子に精子を振りかけて受精させ、その受精卵を培養した後に子宮に戻す治療法です。他に、卵子の中に精子を入れて受精させる顕微授精も行っています。

診療で大切にしていることは何ですか?

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当たり前のことですが、患者さんはお一人お一人違います。どのような思いで来院しているのかをカウンセリングや診療を通してしっかり把握した上で、お一人お一人の診療に全力投球しています。また、赤ちゃんを授かるためには女性が健康でないといけません。食事・運動・生活習慣について適切に指導して、まずは健康な体づくりのための意識を高めていただくようにしています。それから、不妊治療はデリケートなものですから、精神的なケアもきめ細かくするように心がけていますね。患者さんは不安を抱えておられます。当院は開院してから18年間の妊娠率などのデータが蓄積されていますから、論理的にその結果をもとに説明して、患者さんに少しでも安心していいただけるように努めています。

妊娠率を上げるためには若い男女への啓発活動も重要

医師を志したきっかけや産婦人科を専門にした理由は?

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父親が佐賀県鹿島市で産婦人科医院を開業していました。小さい頃から昼夜なく働く父に影響を受けて、自分も産婦人科の医師になりたいと決心しました。夜も寝ずに帝王切開を行ったり、重責で大変なことをやっている父親をいつも身近に見て育ちましたね。祖父も医師でしたし、2人の兄も医師になりました。若い頃、私は兄よりも出来が悪くて、いつも比較されていました。学校の先生が私に「医師は無理だ」と言っていたほど。でもそれで逆に、反骨精神で絶対に医師になりたいという気持ちが強くなりましたね。大学病院では、上司のドクターが不妊症の患者さんの卵管手術を研究されていたので、その手伝いをしていました。そこから、妊娠を望んでいるのになかなか叶わない方を自分でも何とか助けたいと思うようになり開業へとつながりました。

生殖医療で求められていることや課題はありますか?

当院では、不妊カウンセリングをご夫婦で受けていただくようにしています。なぜかと言うと、まずは夫婦お2人でいることが楽しく幸せであり、その延長線上に赤ちゃんをと望む気持ちが大事ではないかと考えているからです。妊娠は共同作業ですから、旦那さんの理解も立ち合いも必要だと思います。そのため、お仕事をされている男性も来院しやすいように午後7時までの外来を終えてから、さらに1時間はあけて1組か2組のご夫婦を診ています。女性が40代以上の場合、妊娠率は高くないというのが現実です。また、患者さんが女性の体についてあまりご存知ないケースも少なくないので、若い方々への啓発活動が重要で課題であると思います。基礎体温のことや生理はどのように起きるのか、妊娠に適した年齢がいくつくらいかなど、女性にも男性にも早くから知っておいていただきたいですね。

やりがいを感じる瞬間について教えてください。

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開院の動機として、妊娠を望む方達をお助けしたいという強い思いがありました。中でも体外受精は、大きな病院でもできない所があります。それを個人病院でしようとしたので、開院当初は設備面でも資金面でも苦労しましたね。それでも開院から18年が経ち、当院の不妊治療で妊娠・出産した患者さんが増え、その方たちが家族写真を送ってくださることが一番うれしいですね。ああ、喜んでいただけたんだなと感じますし、写真を見ると「家族ができた」ということが直に伝わり感動します。

家族をつくりたいという希望は決して捨てないで

医師として影響を受けた出来事やエピソードはありますか?

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私事ですが、私たち夫婦もなかなか子どもが授かりませんでした。妻が流産してつらい思いを経験したこともあります。ですので、赤ちゃんを望む患者さんのお気持ちはわかるつもりでおります。また6年前に、私自身が大きな病気を患ったことで、医師として成長したと感じています。長く治療が続き、医師になって38年目で本当の意味で患者さんの気持ちがよくわかるようになりました。患者さんの立場を実体験するために、医師は病気にならないといけないと思ったほどの経験でしたね。医師の何気ない一言が患者さんを傷つけるかもしれない、説明は果たして十分なのかと、改めて医師としての言動を振り返るきっかけにもなりました。病気を経験したことで、より一層、患者さんの気持ちに思いをはせることができるようになったと思います。

今後の展望について教えてください。

患者さんの妊娠に役立つ新しい機器があれば、積極的に導入して妊娠率を上げていきたいと思います。妊娠率については、公表されているデータなどもございますが、お一人お一人の妊娠率は異なりますし、患者さんの年齢や生活背景はさまざまです。これからも、それぞれの患者さんに合った治療法をご提案していきたいですね。そして今日までやってこれたのはスタッフのおかげです。不妊治療はスタッフ全員が協力しないとできません。その点では当院には長く勤めてくれているスタッフもいますし、本当に感謝しています。今後もスタッフが一丸となってやっていけば、さらに良い病院になると信じています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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生殖医療は女性の年齢のことも含めていろいろな限界があるのは事実です。しかし、患者さんの諦めないお気持ちに寄り添いながら、お一人お一人に全身全霊で向き合って診療しますので、希望は決して捨てないでください。また不妊治療ではご夫婦の間で温度差があるとうまくいきませんので、当院では男性にも不妊治療について詳しくご説明し理解していただいています。奥さまがいかに頑張っておられて苦労されているかを知って、涙を流す男性もおられますよ。そして不妊治療は赤ちゃんができることがゴールではありません。お子さんが成人するまでずっと元気でいられるように、そして支えるご家族もずっと健康でいられるようにサポートしていければと考えています。当院は20年近くの実績がありますので、何でもお気軽にご相談ください。

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