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専門家による無理のない糖尿病治療で
合併症の発症や進行を防ぐ

松前内科医院

(一宮市/名鉄一宮駅)

最終更新日:2025/08/05

松前内科医院 専門家による無理のない糖尿病治療で 合併症の発症や進行を防ぐ 松前内科医院 専門家による無理のない糖尿病治療で 合併症の発症や進行を防ぐ
  • 保険診療

初期にはほとんど自覚症状がない糖尿病。血糖値が慢性的に高くなる病気で、気づかないうちに進行し、動脈硬化や腎障害、視力低下、足の壊疽など全身にさまざまな合併症を引き起こす可能性がある。早期発見と予防が重要で、血糖値を適切にコントロールし、合併症の発症や進行を防ぐ長期的な取り組みが必要だ。血糖コントロールの基本は無理のない食事と運動であり、近年は生活習慣の見直しに加え、体質や合併症リスクに応じた薬物療法も進化している。糖尿病治療に注力する「松前内科医院」の松前彰紘副院長は、「症状がなくても、不安や違和感があればためらわず受診を」と呼びかける。糖尿病治療の実際や、治療が継続できるよう伴走者として患者をサポートしている同院の取り組みについて、糖尿病と内分泌の専門家である彰紘副院長に詳しく話を聞いた。

(取材日2025年6月5日)

食事と運動の土台をつくり、薬物治療を併用。不安にも寄り添い、前向きに治療が継続できる環境を整える

Q専門とされている糖尿病とは、どのような病気でしょうか?
A
松前内科医院 2025年5月に副院長に就任した松前彰紘先生

▲2025年5月に副院長に就任した松前彰紘先生

血糖値が慢性的に高くなる病気で、主に1型と2型に分かれます。1型糖尿病は自己免疫異常で膵臓のベータ細胞が破壊され、インスリンが出なくなる病気です。急激に進行しますが、成人発症ではゆっくり進むケースも。2型糖尿病は生活習慣と関係が深く、食べすぎや運動不足によりインスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性が生じ、膵臓が過剰にインスリンを分泌します。しかし次第に膵臓が疲弊してインスリン分泌が減少し、血糖値が上昇します。高血糖が続くと全身の血管に障害を及ぼします。日本人は膵臓のインスリン分泌能力が低いため肥満でなくても発症しやすく、特に2型糖尿病では遺伝の影響も大きいため、家族歴の確認が欠かせません。

Q高血糖を放置した場合、どういった影響がありますか?
A
松前内科医院 合併症が出ていないかをしっかりチェックしている

▲合併症が出ていないかをしっかりチェックしている

糖尿病による高血糖を放置すると、全身の血管にダメージが及び、特に動脈硬化が進行します。血管は体中に張り巡らされているため、臓器への影響も多岐にわたります。細い血管に起こる細小血管障害の合併症としては、糖尿病網膜症、腎症、神経障害があり、これらの合併症は失明や透析生活、四肢の痛みなどで生活の質を大きく損ないます。大動脈や脳血管に起こる大血管障害では、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まります。糖尿病患者はこれらの病気のリスクが一般の約3倍になるとされています。また、糖尿病では傷の治癒が遅くなり、神経障害で足の感覚も鈍くなるため、足の小さな傷に気づかず細菌感染が起こり、足趾切断に至ることもあります。

Q具体的にどのような治療法があるのでしょうか?
A
松前内科医院 新しい技術を取り入れ、安全に配慮した管理体制を整えている

▲新しい技術を取り入れ、安全に配慮した管理体制を整えている

食事と運動はすべての患者さんに欠かせません。薬物治療に関しては、1型糖尿病は膵臓のインスリン分泌がほぼないためインスリン注射治療が基本です。2型糖尿病ではインスリンが効きにくくなっていますが、インスリン分泌は残っていることが多いため、必要時は内服治療も行います。最近は糖尿病薬でありながら、心不全や腎臓病の進行を抑える作用を有する薬もあり、患者さんの病状に合わせオーダーメイドに糖尿病薬を選択します。応用的な食事療法としては、炭水化物の量を計算するカーボカウントなどもあります。血液検査や診察で病状を把握し、合併症予防にも力を入れています。無理なく続けられる生活改善と薬物治療の両立が必要です。

Qこちらで受けられる特徴的な治療について、教えてください。
A
松前内科医院 糖尿病への幅広い専門知識を持つ医師やスタッフによる指導

▲糖尿病への幅広い専門知識を持つ医師やスタッフによる指導

1型糖尿病の方に対するインスリンポンプ療法に力を入れています。腹部に装着したポンプから皮下へ持続的にインスリンを注入する治療法です。インスリン注入量を自動調整することも可能で、血糖コントロールを安定化し、生活の質を高めることが望めます。当院では専門の医師により、安心して治療を受けていただけるよう体制を整えています。2型糖尿病の方にも、食事と運動を基本として必要に応じて薬物療法を組み合わせ、無理のない継続可能な治療を提案しています。管理栄養士による食事指導や、年に数回ウォークラリー活動も行い、楽しく運動を続けられるよう支援しています。患者さまが前向きに運動が継続できる環境づくりを心がけています。

Q普段の生活では、どういったことに気をつけるべきでしょうか?
A
松前内科医院 カフェとリハビリ室があり、食事と運動を支える場を提供している

▲カフェとリハビリ室があり、食事と運動を支える場を提供している

まず食事では、ご飯やパンなどの炭水化物の取り方に注意するとよいでしょう。炭水化物の摂取量は血糖値に大きな影響があり、適度に控えることが望まれます。一方で炭水化物は重要なエネルギー源であるため、過度な制限は体調を崩す原因にもなります。茶碗8分目くらいがいいでしょう。運動も血糖値や肥満の改善にとても有用で、継続することが重要です。一駅分だけ歩く、通勤に自転車を使うなど、日常に取り入れやすい工夫をしましょう。軽度の糖尿病は自覚症状が乏しいため、年に1度の健康診断で血糖値やHbA1cを確認することが大切です。異常があれば早めに医療機関に相談し、栄養や運動の指導を受けることが合併症の予防につながります。

ドクターからのメッセージ

松前 彰紘副院長

糖尿病は初期には自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行し、発見時には合併症が大きく進行していることもあります。合併症は一度進行してしまうと、もとの状態には戻らないため早期発見・早期介入が重要です。治療から一度離れてしまうと、病院に戻りにくいと感じる方もいるかもしれません。当院では通院できなくなった原因の相談や、ライフスタイルに合わせた治療も一緒に相談しますので、気にせずにいつでも戻ってきていただけたらと思います。患者さまの最善を一緒に考える姿勢を大切にし、無理なく継続できるようクリニック全体でサポートしています。「こんなことを聞いてもいいのかな」と思うことでも、気軽に相談してください。

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