澤野 宗如 院長の独自取材記事
澤野歯科クリニック
(市川市/南行徳駅)
最終更新日:2025/09/26
東京メトロ東西線・南行徳駅から徒歩で約1分、「澤野歯科クリニック」は、澤野宗如(むねゆき)院長が2010年に父から継承したクリニックだ。家族的で親身な治療から、子どもとその両親、祖父母まで3世代にわたって家族でかかりつけにしている患者も多く、地域密着で患者の健康をサポートしている。澤野院長は、一般歯科、小児歯科、歯周病、口腔外科、審美歯科、予防歯科など幅広い診療を行うのに加え、歯科と医科の連携に重きをおき、顎のエックス線画像をAI解析して骨粗しょう症のスクリーニング検査をするシステムを導入。また、歯科医師会に所属し、市民公開講座の開催や企業との連携などさまざまな広報活動に積極的に取り組む。そんな澤野院長に、歯科医院の特色や注力している治療、歯科医師会での活動などについて聞いた。
(取材日2025年5月23日)
家族での来院が多い地域密着型歯科クリニック
この地域に住むたくさんの患者さんが訪れるそうですね。どのような患者さんがいらっしゃいますか?

当院は、2010年に開業以来、一般歯科、小児歯科、歯周病、口腔外科、審美歯科、予防歯科など幅広い診療に対応しています。足を運んでくださる患者さんは、ご家族での来院が非常に多いのが特徴です。たとえば、お母さまが妊娠中に来院し、出産を経て、赤ちゃんが2歳くらいになる頃にまた来院なさるケースも珍しくありません。最初はご家族のどなたかお一人からいらっしゃり、その後、お子さんやおじいさま、おばあさまなど、血縁関係のある方々が一緒に通院されるようになるのが一般的な流れです。もともとこの近くにお住まいだった患者さんで、都内や埼玉に引っ越されても引き続き通ってくださる方もいます。また、当院は駅のすぐ近くにあるため、お仕事帰りや、駅周辺の施設での用事が済んだ後に立ち寄られる方もいらっしゃいます。
矯正歯科やインプラント治療にも対応されているのですね。
矯正歯科は、非常勤で矯正専門のドクターが月に1~2日担当し、対応させていただいています。インプラント治療については、大学病院に勤務していた頃、他院でのインプラント治療がうまくいかなかった患者さんの再治療や、やむを得ずインプラントを除去した後の顎義歯による再建手術などを専門的に行っていました。また、がんの治療で顎を失った患者さんの再建手術や、がん患者さんの口腔ケアなども担当していました。これらの経験から、当院では、本当に必要で、他に選択肢がない場合に限りインプラント治療をお勧めすることがあります。治療の選択肢の一つとしてインプラント治療に対応し、やむを得ずインプラント治療が必要になった場合は、その理由や治療内容について、丁寧にご説明させていただきます。
診療ポリシーについて教えてください。

当院のコンセプトは「家族」です。常に「患者さんが自身の家族であったらどのような治療を行うか」ということを自分に問いながら十分なカウンセリングを行い、治療方針を決めていきます。患者さんのお口の状況やどのような治療があるのかなどの説明を丁寧に行うことも大切にしています。初診時は、私からのお話に加え、歯科衛生士からも日々のブラッシングなどお手入れ方法のアドバイスをさせていただくので、検査を含めて40分から50分と、たっぷり時間を取り対応させていただいています。
エックス線画像から骨密度の状態を診査
先生が注力されている治療について教えてください。

当院では、通常の歯科用エックス線撮影で得られた画像から、AI解析を用いて骨密度のスクリーニングを行っています。このAI解析による骨密度スクリーニングは、全国でもまだ少数の医療機関でしか導入されていない新しい技術です。歯周病の治療などで定期的にエックス線撮影をする機会が多い歯科医院だからこそ、このスクリーニングが非常に有効だと考えています。当院では、メンテナンスで定期的に通院される患者さんが多いため、継続的に骨密度の変化を追跡できます。例えば、年に1回程度のエックス線撮影で、骨密度が低下傾向にあるかをチェックし、骨密度低下の兆候が見られた場合は、整形外科などの医療機関に紹介し、より詳しい検査や治療を受けていただくようお勧めしています。当院でスクリーニングを行うことによって、骨密度低下が疑われた患者さんを適切な医療機関に紹介し、早期治療につなげられたらと考えています。
歯科医院で骨粗しょう症のリスクがわかるのは、驚きです。
骨粗しょう症は、特に40代以上の女性にリスクが高まる病気だといわれています。たとえ普段元気だとしても、骨折によって入院が必要になると、筋肉が減少して身体機能の低下につながります。お若い方なら回復も早いかもしれませんが、年齢を重ねると、フレイルや、最悪の場合は寝たきりになってしまうリスクも高まります。骨粗しょう症は早期発見・早期治療により、骨折などのリスクを減らすことができますが、ご自身が骨密度低下に気づいていない方、検査を受けたことがない方も多いのが現状です。患者さんにできるだけ長く健康で活動的な生活を送っていただくためにも、歯科での骨密度スクリーニングを通じて、その意識を高めていきたいと考えています。
患者さんのお口の健康だけでなく、全身の健康にも配慮した治療を行っているのですね。

そうですね。例えば、歯周病と糖尿病には深い関係があることが知られています。当院でも、定期的に来院される患者さんには、必要に応じて全身の状態を把握するように努めています。また、エックス線画像などから歯周病の状態が通常と異なると判断した場合、糖尿病のコントロールがうまくいっていない可能性も考慮し、患者さんに説明の上、ご希望があれば連携している医療機関へ紹介し、詳しい検査などを受けていただくようお勧めしています。
歯科医師会の活動にも積極的に取り組む
歯科と医科の連携が大切なのですね。

私たち歯科医師は、もちろんお口の専門家ですが、それは体の一部に過ぎません。お口の状態だけを見ていれば良いわけではなく、患者さんの全身の健康状態を理解した上で診療にあたることが大切だと考えています。歯科と医科が連携し、必要に応じて他の科を専門とする医師に紹介できるような関係性を築き、患者さんが困ったり置き去りにされたりしないようなサポート体制が整った医療環境を整えていけるよう力を尽くしていきたいですね。
歯科医師会の活動にも積極的に取り組んでいらっしゃると聞きました。
私は開業して2~3年目から、歯科医師会の活動に関わり、現在、市川市、千葉県の歯科医師会で活動していて、市民の皆さまに向けた地域の新聞記事や番組を制作しています。具体的には、市の広報紙に歯科に関する特集記事を組んでもらうよう行政に提案し、健診事業の取材協力やポスター制作を行ったり、市民公開講座の開催などを通じて皆さまへの情報提供や啓発活動を行ったりしています。これらの活動を通して皆さまにお口の健康について知っていただき、関心を持っていただけたらうれしいですね。
今後の展望について教えてください。

当院では、開業当初から日本大学歯学部、歯科衛生士専門学校から学生を受け入れ、治療の見学や実習を行っています。最近は明海大学の学生も来るようになりました。日本大学歯学部の非常勤講師として補綴学の実習指導も行っています。医科・歯科の連携、歯科医師会の活動に加え、後進の育成にも引き続き取り組んでいきたいと思います。歯科衛生士をはじめとする当院のスタッフは、それぞれがエキスパートとしての意識を持ち、高いスキルと志を持ちながら気持ちよく働くことができていると自負しています。産婦人科との連携による妊婦の歯科ケア、学校での歯科教育活動をはじめ地域密着の医療機関として、周囲の医療機関と連携しながら患者さんの全身の健康に寄与していきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正歯科(マウスピース型装置を用いた矯正)/36万円~、インプラント/45万円~、審美歯科(ホームホワイトニング・オフィスホワイトニング/各3万9710円、デュアルホワイトニング(ホーム+オフィス)/6万7980円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

