東京都立松沢病院

齋藤 正彦院長

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京王線八幡山駅から徒歩約1分。広大な緑の敷地を持つ「東京都立松沢病院」は、その原型「東京府癲狂院」から数えて130年以上の歴史がある精神科医療を専門とする病院だ。1912年に上野に設立されてからの数十年間は、障害のある患者の治療の場ではなく、患者を社会から隔離し閉じ込める施設として運用されていたが、ドイツの精神医学を学んだ第5代院長・呉秀三氏の尽力で、患者1人当たり100坪と広大な土地を確保して1919年に現在の場所に移転。広い敷地に2階建ての建物が点在するドイツのサナトリウム(長期療養所)を念頭に、それまで当たり前だった拘束具を外し、患者を人として扱う「治療施設」としてのスタートを切った。2012年に病棟を統合した本館診療棟が完成し、かつての様子からは変わったが、「精神に障害がある人もない人と同じように医療が受けられ、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を守る」使命に変わりはない。夜間・休日の救急対応をはじめ、首都圏一円から強制入院・任意入院の患者の受け入れるのはもちろん、地域と連携しながら、患者が暮らしやすい社会の構築にも力を注いでいる。
(取材日2017年7月5日)

地域と共に歩む精神医療の専門病院

―どんな患者さんが多いのですか?

松沢病院が一般の精神科病院と違うところは、非自発的な入院が多いことです。通常、精神科の病院に入院している患者さんの過半数は「任意入院」といって、患者さん自身が入院に合意して入っているものですが、当院の場合入院患者の75%以上は行政の命令などによる強制的な入院。年間の新規入院は3400~3500人ほどですが、そのうち1000人ぐらいは救急で、既に世の中で何かのトラブルを起こしてしまっている人を警察官が連れて来ることが多いです。その分症状の激しい人や治療がうまくいっていない患者さんが多いのも特徴ですね。外来に通院中の患者さんの場合は、悪くなったらすぐに入院してもらえばいいのですが、治療が必要な状態であるにも関わらず医療にかかっていない患者さんはたくさんいらっしゃいます。そういう人は、トラブルが顕在化してから病院に来ることになるので、強制入院になることも多いのです。

―5つの理念がありますが、最も核の部分は何でしょうか。

精神に障害がある人も精神的に問題のない人が受けるのと同じ質の医療が受けられるべきだと思いますし、憲法が保障する健康で文化的な最低限度の生活を営む権利があります。それを支えるのがわれわれの仕事で、そのために必要なことを何でも行うというのが基本ですね。僕らは精神科医療の最先端を走っているわけではなく、一番最後をゆっくり歩いて、われわれの後ろに取りこぼしを残さないようにカバーするのが役割。患者さんが家に帰って社会の中で嫌な思いをせずに暮らせるように、暮らしてうまくいかなかったらいつでもここに逃げて来られるように、道筋をつくることが、われわれが考える「質の高い医療」です。患者さんのための医療・看護を行うことはどんな病気でも同じこと。実践するのは難しいことでもありますが、一つひとつの治療に心を込めていなければいけないと思っています。

記事更新日:2017/07/26


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