神山 洋介 院長、神山 美穂 先生の独自取材記事
なかむら歯科
(我孫子市/我孫子駅)
最終更新日:2024/10/07

1980年の開業以来、地域の人々に慕われ続ける「なかむら歯科」。神山洋介院長と神山美穂先生を中心に、治療分野ごとに専門の歯科医師が在籍する。「患者の身近な場所で大学病院レベルの治療を提供すること」がモットーだ。2024年7月には院内や外装をリニューアル。1階が診療室とカウンセリングルーム、2階がメンテナンスと小児矯正、3階はトレーニングやセミナーを行うフロアになった。併せて、QRコードを使った画像共有システムや3Dプリンターを導入。キッズクラブ、「ミルクティースクラブ」もスタートし、診療の幅もさらに広がっている。後進の育成やセミナールームの活用など、新たな試みにも意欲を見せる2人の先生に話を聞いた。
(取材日2024年7月8日)
開業から44年。進化し続ける歯科医院
今回のリニューアルで変わった点を教えてください。

【洋介院長】2024年7月にリニューアル工事が終わり、1階が診療室とカウンセリングルーム、2階がメンテナンスと小児矯正、3階はトレーニングやセミナーを行うフロアになりました。口腔内スキャナーは計3台となり、その画像はQRコードを通じて患者さんのスマートフォンでご確認いただけます。また3Dプリンターを導入したことで、インプラント治療用のガイド製作など、院内でできることがさらに広がりました。
【美穂先生】院内に土足のまま入れるようになったので、ご高齢の患者さんもより通いやすくなったかと思います。またカウンセリングルームができたことで、治療内容、期間や費用など、患者さんの疑問にもじっくりとお答えできるようになりました。外観も楽しい雰囲気に変わり、より親しみやすいクリニックになったかと思います。
こちらにはどのような方が通われているのでしょうか?
【洋介院長】住宅街なので、赤ちゃんから90代まで幅広い年代の方が来られます。中には、3世代、4世代で通われているご家族もいらっしゃいますよ。高齢になるほど悪化した場合の治療が難しくなるので、先々を見据えた「リスク回避のための治療」を心がけています。
【美穂先生】人生100年時代の今、60代70代の患者さんにも20年30年先まで考えて治療計画を立てる必要があると思います。そのためにも、似た症例の経過写真をお見せして、「将来的にこうなる可能性があるから、今のうちに治療しておきましょう」と、ご理解いただくよう工夫をしています。説明に使うのは、治療やメンテナンスの際に撮りためた写真です。こうした対応ができるのは、同じ患者さんを長年診てきたからこそですね。
長年、来院していただける理由はどこにあるとお考えですか。

【洋介院長】歯科医師を含め、スタッフ個々の技術力とチームワークでしょうか。さまざまな症状に対応するには、まず一人ひとりの診療技術や専門的な知識が必要です。全員が技術の研鑽に励んでいて、歯科衛生士は予防歯科の先進国であるスウェーデンへ勉強に行くこともあるんですよ。
【美穂先生】歯科医師含めスタッフ全員が協力し合うことも大切です。特に患者さんの口腔内の経過を見続ける歯科衛生士とは、常に顔を合わせて情報共有をしています。こうして、個々の知識や技術を共有することで、クリニック全体の診療レベルが向上するんです。当院は個人の歯科医院ですので、歯科医師とスタッフの距離が近く、連携も密。そのため治療が進むスピードが速く、患者さんの通院期間が短くなるのもメリットかと思います。長く勤めている者が多いので、「いつも同じ先生やスタッフさんがいて安心」と、患者さんに喜ばれているのも自慢です。
小児からの通院が、歯と口の健康につながっていく
キッズクラブも始めたと伺いました。

【美穂先生】2024年の7月から「ミルクティースクラブ」を始めました。ミルクティースとは乳歯のこと。抜けた乳歯を保管できる歯茎型の模型を作っているのですが、これはスキャナーで撮影した患者さんの口腔内データと3Dプリンターを活用しています。当院オリジナルの、一生の思い出になる「乳歯の宝箱」ですね。この時の撮影画像、また定期受診の際の染め出しの画像なども、QRコードから読み取ってデータをお持ち帰りいただけます。思い出になるだけでなく、成長の過程や現在の状態を、患者さんや親御さんの目でもご確認いただけるのが利点です。何より定期的に通うことで歯科治療に慣れることができるでしょうし、将来の予防にもつながるでしょう。今後は3階のセミナールームを利用して、親子向けのイベントやセミナーの開催も考えています。
小児からの通院が、良い口腔内を作っていくのですね。
【美穂先生】そのとおりです。私たちはこれまで、歯がボロボロになってしまってお困りの患者さんを多く見てきました。そうなる前の「予防」が大切なのは、大人も子どもも同じ。ただ、矯正は年齢が高くなるほど難しくなる傾向にあります。また幼少期の習慣によって歯並びが悪くなることもあるのですが、小さいうちから定期的にいらしていただければ、早めに問題点を見つけて親御さんにお伝えできます。矯正の開始時期を見極めたり、口腔機能育成のためのトレーニングを取り入れたりと、一人ひとりの成長に合わせた提案が可能です。「ミルクティースクラブ」で楽しい思い出と将来の健康な歯をめざすためのお手伝いをさせてくださいね。
大人の矯正についても教えてください。

【洋介院長】マウスピース型装置を用いた矯正の普及で、若い方からのニーズが高まっている矯正ですが、当院では年配の方の診療にも矯正を組み込むことが増えてきました。例えば、歯並びの悪化が原因で虫歯を繰り返している方に、将来的に歯を失うリスクを軽減するために、矯正を提案するようなケースです。特に部分矯正は全顎矯正よりも費用や時間のハードルが低い分、挑戦しやすいかと思います。僕の専門はインプラント治療ですが、「歯を失ったから入れる」のではなく、残った歯を温存するために適切と判断した場合に提案しています。また、インプラント治療で培った技術を生かして、歯牙移植治療にも積極的に取り組んでいます。
積み重ねてきた経験を院内外で生かす
お二人が歯科医師をめざしたきっかけをお聞かせください。

【美穂先生】理事長である父が仕事をしている姿や、治療を受けて喜ぶ患者さんを見て育ったので、自然と歯科医師の道をめざしていました。歯科医師になると父に伝えた時、「きちんと技術を身につけなさい」と言われたので、勉強する姿勢はいつまでも持ち続けていたいです。
【神山院長】医療の道を志したのは、「人の役に立つ仕事に就きたい」という思いがあったからです。また、小さい頃から手先が器用だったので、歯科医師をめざすことにしました。妻とは大学生の頃に知り合いました。僕たちは国立の大学で学ばせてもらったので、「習得した知識や技術をきちんと生かして、治療で患者さんに還元するべきだ」と常に考えていました。母校での後進育成や海外での勉強に力を入れているのも、そのためです。
院外活動にも積極的に取り組んでいるのですね。
【洋介院長】先進的な歯科治療を学ぶため、海外の勉強会などに積極的に参加しています。過去にはボランティアとして、東南アジアで歯磨き習慣の啓発活動をしたり、東日本大震災の被災地で歯科診療を行ったこともあります。また、現在は全国各地で、歯科医師を対象とした講演会活動を行っています。若い歯科医師の教育もこれからの課題です。研修医を受け入れる人数には限りがありますから、当院のセミナールームを活用して広く知識や技術を伝えていきたいですね。これは僕たちが経験値を積んできたからこそできることだと思っています。
読者へメッセージをお願いします。

【洋介院長】歯科医師は歯も削ればメスも持つし、薬も処方する。僕はインプラント治療を専門としていますが、口腔の問題をトータルで診るよう心がけています。総合的に診なくては「いつまでも歯科治療が終わらない」という悪循環になってしまいますし、カウンセリングルームを作ったのもそれが理由の一つです。「なぜ、その治療が必要なのか」をわかりやすく説明し、患者さんとともにゴールをめざしていきたいですね。
【美穂先生】歯科医院を訪れたら、すぐに歯を抜かなくてはいけないわけではありません。治療計画を示されても即断する必要はなく、むしろ、すぐに決められないのは当然です。まずはクリーニングに通って、ゆっくり考えていただければ大丈夫なんです。10年後20年後にどうありたいか。それを患者さんと一緒に考えていけたらと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは審美歯科/セラミックを用いた補綴治療7万7000円~、インプラント治療/23万円~、歯周組織再生療法/8万8000円~、義歯作製/11万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/25万円~、部分矯正/5万5000円~、歯牙移植/11万円~