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星 一 院長の独自取材記事

星医院

(世田谷区/東松原駅)

最終更新日:2021/12/01

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世田谷区東松原で60年以上続く「星医院」。その3代目にあたる星一院長は、東邦大学医療センター大橋病院などで、胆のうや膵臓の内視鏡的治療に携わった消化器内科の専門家だ。同院は、星院長の専門分野である消化器内科に加え、小児科と循環器内科の医師を迎えて専門の外来を設置。初期診療を担う医院として地域に貢献し、地域の高齢化に対応するため訪問診療も行っている。「この地域の患者さんになるべく良い医療を提供したいということに尽きます」という言葉から、人々の健康を守る熱意が伝わってくる星院長に、開業までの経緯や専門の膵臓がんのこと、プライベートの話などたっぷり聞いた。

(取材日2021年10月7日)

60年以上の歴史ある医院を継ぎ、地域医療に取り組む

開業までの経緯を教えてください。

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この医院は、もともと1959年に祖父と父が開設した小児科医院です。私もここで生まれ育ち、何となくというか(笑)、自然な流れで医師になりました。私の専門は消化器内科で、その中でも内視鏡を使った膵臓や胆管の診断や治療という特殊な領域でしたので、当初はずっと病院勤務で専門を極めていきたいと考えていました。それが、医院の隣の土地がたまたま空いたことから、増改築して医院を正式に継ぐ決心をしたのです。以前の医院はとても狭かったので、ゆったり広い空間にすることにはこだわりました。待合室も広く、感染症や具合の悪い方は、別室に案内できるようになっています。

どんな患者さんが多く来院しますか?

患者さんは0歳から100歳まで、毎日さまざまな方が来院しますので、それぞれに応じた診療が必要です。4世代のご家族も来てくださるんですよ。開業して19年ほどたち、高齢化が進んでいることを痛感します。高齢で通院できなくなった方も増え、訪問診療での対応も増えています。内科の患者さんは慢性疾患が多く、高血圧や高脂血症、心臓や消化器の疾患がメインですね。小児は急性疾患がメインです。この4、5年では、子どもも大人もストレス性の疾患が増えている印象です。不眠症やうつ、めまいや立ちくらみなどの不定愁訴、過敏性胃腸障害などが増えています。新型コロナウイルス感染症流行の影響もあるかもしれませんが、それ以前から社会的な傾向として、ストレス疾患が少しずつ増えていると思います。

感染症や発熱した患者さんへの対応はどのようにされていますか?

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以前から、急患で具合が悪そうな方の診察を優先したり、感染症の疑いのある場合は隔離するなど、スタッフにはスムーズにトリアージしてほしいと伝え、受付スタッフや看護師が連動してうまく対応してくれているので助かっています。また、新型コロナウイルス感染症に対応するため、当院でも発熱患者さんに対応できる隔離部屋を作り、2020年10月頃からそのための外来を始めました。診療時間を分けて発熱患者さんを診る時間帯は一般の患者さんを診ない体制にし、基本的に発熱患者さんは私一人で診ています。新型コロナウイルス感染症と診断された患者さんは、各自で新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理システム(HER‐SYS)に登録すれば、現在の状態を医療機関で診ることができますので、こちらで患者さんの状態を確認し、中等症I以上が疑われる場合は、保健所に相談するなどの対応を行います。

地域の患者のニーズに合ったより良い医療を提供したい

診療面の特徴を教えていただけますか?

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質の高い医療をめざし、専門の外来を設けるなどさまざまな取り組みや工夫をしています。午前中はほぼ二診制で、東邦大学医療センター大橋病院から小児科と循環器内科の医師に来てもらい、私の専門の消化器内科を加えて、初期医療を網羅できるような外来体制を整えています。また、4年ほど前にリニューアルして内装をきれいにし、胃の内視鏡機器をアップデートしてより精微な検査ができる機器を導入しました。検査は経鼻と経口に対応し、どちらも患者さんの負担をかなり軽減することができるタイプです。世田谷区では胃がん検診に内視鏡検査が導入されていますので、ぜひ役立てていきたいと思います。また大腸内視鏡検査の機器も2021年の8月にリニューアルして画質がさらに良くなり、小さい病変もより識別しやすくなりました。

診療ではどのようなことを大切にされていますか?

この地域の患者さんになるべく良い医療を提供したいということに尽きます。迅速に正確にというのをモットーに、ここでできる限りのことを行い、専門的な医療が必要な場合は速やかに大学病院などに紹介することを心がけています。開業当初から考えるととても充実した体制になってきましたが、それは私の考えというより、地域のニーズに対応するように努力したら、自然に成長してきたという印象ですね。また、主にかかりつけの患者さんで90歳を超えて通院が難しくなった方が対象の訪問診療は、外来診療の合間に訪問する形で、私一人ほとんど自転車で行っています。24時間体制ですので、何かあったときは連絡をいただけますし、お看取りにも対応します。

専門領域の膵臓がんの近年の傾向などを教えてください。

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膵臓がんは50歳以上に多く、若い人に少ない疾患で男女比はほぼ同じです。患者数は4万人弱といわれ増加は緩やかですが、死亡者数が年間3万人以上とされていますから、発症して亡くなるケースが多いということです。膵臓がんは見つかったときには進行していることが多く、進行も速いため、長期の生存がなかなか望みにくいのです。胃がん、大腸がん、肺がんは国の指針で検診があるのですが、膵臓がんについてはまだなく、国のプロジェクトを立ち上げる方向に進んでいる段階。膵臓がんの特徴的な症状である背部痛が出るときにはかなり進行していることが多いです。膵臓は内視鏡で見られない場所にあるため超音波検査になるのですが、小さな臓器ですので超音波でも見つかりにくい。膵管が拡張している、少し影があるなどの軽微な異常を早期に見つけて精密検査につなげるシステムが必要です。

地域のかかりつけ医を活用して、健康で充実した毎日を

ご趣味など、プライベートについてお聞かせいただけますか?

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近隣の歯科医師の先生たちと組んでいるロックバンドでボーカルを担当し、診療が終わってから夜に練習して、年3回ほどライブをしていたのですが、今はスタジオに集まって練習できませんし、ライブもできませんので、ここ2年間はほぼ活動休止状態です。インターネットでの音楽配信を1度しましたが、やはりお客さんがいないとなかなかモチベーションが上がりません。また、以前からスポーツジムでトレーニングしていたのですが、そのジムが閉鎖してしまったので、今はパーソナルトレーニング専門のジムに通っています。それでもやはり運動量が落ちましたね。コロナ禍の外出制限で運動量が落ちて体重が増え、中性脂肪や糖尿病の数値や症状が悪化している人も多いので、これからが大切です。

今後の展望をお聞かせください。

まずは膵臓がんの早期発見のための啓発活動に取り組み、できるだけ早くプロジェクトを立ち上げたいですね。東京都はまだですが、膵臓がんの早期診断プロジェクトを行っている自治体が全国にいくつかあって、リスクファクターのある人を集めて腹部エコーを行い、膵臓の異常が見つかった場合は基幹病院で精密検査を行うという流れです。実際にプロジェクトを実施している先生をお呼びして講演会をしていただくなどしています。その他は、診療予約システムの拡充ですね。なるべく患者さんの待ち時間を減らせるようにと10年以上前から導入しています。カスタマイズを重ねて今に至っているのですが、今後も患者さんのために利便性の向上に努めていきたいですね。

読者へのメッセージをお願いします。

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どんな症状でも、軽い症状でも「何かおかしい」と感じたら医療機関を受診していただきたいと思います。地域のかかりつけ医をうまく活用して、がん検診などもきちんと受け、病気を早期発見し、健康で充実した毎日を送っていただきたい。自覚症状がないうちに定期的にチェックを受けることもとても大切です。特に女性は乳がん検診、子宮がん検診をしっかり受けてほしいですね。膵臓については、少しでも気になることがあれば、信頼できる医療機関を受診してください。特に、膵炎・膵嚢胞の病歴、家族歴、タバコやお酒などのリスク要因をお持ちの方は、1年に1回は超音波検査を受けましょう。また日常生活では、いつまでも健康に過ごすために、30代、40代から筋力を維持するための運動を心がけていただきたいですね。

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