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星 一 院長の独自取材記事

星医院

(世田谷区/東松原駅)

最終更新日:2019/08/28

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世田谷区東松原で約60年続く「星医院」の3代目にあたる星一院長。東邦大学医療センター大橋病院などで、胆のうや膵臓の内視鏡治療に携わってきた消化器内科の専門家で、祖父と父が開設した小児科医院を、小児科を含めた内科医院として引き継いだ。「地域のニーズに応えて、正確・迅速な診断をすることがかかりつけ医としての使命」。専門分野である消化器内科に加え、大橋病院から小児科と循環器内科の医師を迎え、専門外来を設置し、初期医療を担うクリニックとして地域に貢献してきた。地域の高齢化を視野に、在宅医療にもさらに力を入れていきたいと語る。プライベートでは、「おやじバンド」を組み、ボーカルを担当する一面も。確かな診療と気さくな人柄で、子どもから高齢者まで地域住民に信頼されるドクターだ。
(取材日2017年9月11日)

60年の歴史のある医院引き継ぎ、地域医療に取り組む

まず、開業までの経緯を教えてください。

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このクリニックは、もともと1959年に祖父と父が開設した小児科医院です。私もここで生まれ育ち、何となくというか(笑)、自然な流れで医師になりました。私の専門は消化器内科で、その中でも内視鏡を使った膵臓や胆管の診断や治療という特殊な領域でしたので、当初はずっと病院勤務で専門を極めていきたいと考えていました。それが、医院の裏の土地がたまたま空いたことから、増改築して医院を正式に継ぐ決心をしたのです。以前の医院はとても狭かったので、ゆったり広い空間にすることにはこだわりました。待合室も広く、感染症や具合の悪い方は、別室に案内できるようになっています。

どんな患者さんが多いのですか? また、開業されてからの変化はありますか?

東松原は古くからの住宅街で、長く住んでおられる方が多い所です。私もここで生まれ育ちましたが、渋谷や新宿にも近くて便利で、とても住みやすい所なんです。患者さんは0歳から100歳まで、検査を受ける方から、調子の悪い方、生活習慣病など慢性疾患の方など、毎日さまざまな方が来られるので、それぞれに応じた対応が必要です。4世代のご家族も来てくださるんですよ。近所の方が中心ですが、少し遠方から車で来られる方もいます。開業して約15年たち、痛切に感じるのは、やはり高齢化が進んでいることですね。老齢のご夫婦や独居の方も多く、世田谷でも過疎化している印象です。高齢で通院できなくなられた方も増え、往診も増えています。

では、診療面の特徴を教えてください。

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質の高い医療を提供するために、専門外来を設けるなどさまざまな取り組みや工夫をしています。午前中はほぼ二診制で、東邦大学医療センター大橋病院から、小児科と循環器内科専門の先生に来てもらって専門外来としています。私の専門が消化器内科ですから、初期医療を網羅できるような形で外来体制を整えています。また、最近もリニューアルして内装をきれいにするとともに、胃の内視鏡機器も新型のものに変えて、より精微な検査ができるようになりました。経鼻と経口があり、どちらも患者さんの負担をかなり軽減することができるタイプですので、「つらくない」と好評です。世田谷区では胃がん検診に内視鏡検査が導入されましたので、ぜひ役立てていきたいと思っています。

専門は、膵臓など消化器内科。内視鏡診療にも長ける

診療される上で、どのようなことを大切にされていますか?

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この地域の患者さんになるべくよい医療を提供したいということに尽きます。迅速に正確にというのをモットーに、ここでできる限りのことを行い、専門的な医療が必要な場合は速やかに大学病院などに紹介することを心がけています。私一人では対応できる患者さんの数も限られてしまうので、二診制を有効に使いたいと思っています。スタッフには、急患で具合が悪そうな方は診察を優先したり、感染症の疑いのある場合は隔離したりというように、スムーズにトリアージしてほしいと伝えています。受付スタッフや看護師が連動してうまく対応してくれているので助かっていますね。開業当初から考えるととても充実した体制になってきましたが、それは私の考えというより、地域のニーズに対応するように努力したら、自然に成長してきたという印象ですね。

胆のうや膵臓の専門家である立場から、気になることがありますか?

やはり膵臓がんが気になりますね。膵臓がんの患者数は増え、死亡者数も年間3万人以上といわれています。当初は自覚症状がなく、わかったときには進行しているケースが多く予後が悪いのが特徴です。胃や大腸カメラのようにスクリーニング検査ができませんし、患者さんの意識もまだ低いので、ちょっとした腹痛などで受診されて、検査などをしているうちに1ヵ月ぐらいたってしまい、速やかに診断するのは専門医でも難しいのが現状です。タバコやアルコール、膵炎、膵嚢胞ができている人などリスクファクターがある方には、病院と連携しながら定期的に超音波検査を行っていますが、もっと確実に発見できるシステムが開発できないかと思っているところです。そもそも膵炎の診断も難しいんですよ。胃腸の病気と同じような腹痛で、背部痛が特徴といわれてはいますが痛みのない人もいます。リスクの高い方は、注意していただきたいですね。

患者さんとの印象的なエピソードがあればお聞かせください。

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反省を込めて印象的なのは、おなかの調子が悪いという患者さんで、夏バテかなと2週間ほど様子を見ていたら、最終的には膵臓がんだったというケースがありました。また最も忘れられないのは、開業して初めて在宅医療で看取った患者さんですね。前立腺がんのお年寄りで、治療をすべて拒否されて、とにかく私に来てほしいと言われて、最初はやむを得ないなと思いながら伺っていました。しかし、ご家族や訪問看護師さんのサポートなどを見ているうちに、住み慣れた自宅で最後を迎えたいという方のニーズは確かにあるのだから、それに応えていくことも地域のホームドクターの使命なのだということを痛感しました。在宅医療、特に終末期医療は、診断して治療する通常の医療と異なり、これが正解ということがありませんから、難しいですね。

地域のニーズに合わせて、訪問診療にも注力

先生のプライベートについても少し教えてください。

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近隣の歯科医師の先生たちと、ロック系のおやじバンドでボーカルを担当しています。診療が終わってから、夜に練習して、年に3回ぐらいはライブもやっているんですよ(笑)。父の影響ですか? 父から医師になって医院を継いでほしいと強く言われたことはなかったのですが、開業してみて、地域のクリニックはそこを頼りにしている患者さんがいる限り続けていかなければいけないということを思うようになりました。そのためには誰かに引き継いでもらう必要がある。私もできれば自分の息子に継いでもらいたいと密かに思っていますが(笑)、自分の子どもの時のことを考えると、そうならなくても仕方がないかなと思っています。

今後の展望についてお聞きします。

地域の高齢化に伴い、在宅医療を必要とする方が増えていくと考えていますので、常勤医を増やしマンパワーを充実させたいですね。膵臓がんに関連する病診連携も含め、病院連携をよりスムーズにするために、近隣病院とのネットワークを構築したいと思っています。当院も含め、電子カルテを導入している施設は多いのですが、完全なペーパーレスには程遠いのが現状です。完全にペーパーレス化し、例えば心電図やレントゲン画像のデータなどをインターネット経由で直接送ったり、あるいは心電図や画像に対する所見を聞いて、診断の参考にしたりといったことができるシステムを構築することが理想です。なかなか構想が進まないのですが、近い将来、実現できればと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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地域のかかりつけ医をうまく活用して、がん検診などをきちんと受け、病気を早期発見し健康で充実した毎日を送っていただきたいと思います。特に女性の方は乳がん検診、子宮がん検診をしっかり受けてください。膵臓については、少しでも気になることがあれば、信頼できる医療機関を受診し、超音波やCTなどの検査を受けていただきたいですね。特に、膵炎・膵嚢胞(のうほう)の病歴、家族歴、タバコやアルコールなどのリスク要因をお持ちの方は、1年に1回は超音波検査を受けてください。また日常生活では、年をとっても健康に過ごすために、30代、40代から筋力を維持するための運動を心がけていただきたいですね。

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