取り外し可能で目立ちにくい
マウスピース型装置を用いた矯正
矢野歯科医院
(宇治市/伊勢田駅)
最終更新日:2024/11/08


- 自由診療
人目をあまり気にすることなく施術を受けられる、マウスピース型装置を用いた矯正。見た目の問題でこれまで矯正をためらっていた人にとっては、期待の方法といえるだろう。ただし、「マウスピース型装置を用いた矯正にはメリットもデメリットもある」と、「矢野歯科医院」の矢野隆嗣院長。手軽に受けられるというイメージが先行してしまっているが、矯正が終了するまでには一定の期間がかかるため、「きれいにするぞ! という意志も必要」だという。マウスピース型装置を用いた矯正を考えているなら、まずはその特徴や他の矯正方法との違いをきちんと理解することが欠かせない。さまざまなタイプの矯正を実践する矢野院長に、マウスピース型装置を用いた矯正の特徴や施術の流れ、気をつけたいポイントなどを聞いた。
(取材日2020年7月14日)
目次
矯正のステップをAIがシミュレート。 ゴールの見える矯正だからモチベーションを維持しやすい
- Qマウスピース型装置を用いた矯正とはどのようなものですか。
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A
▲模型を使い説明する
樹脂製のマウスピース型装置を装着することで、歯列を整えていく方法です。樹脂の弾性を生かして徐々に力を加え、少しずつ歯を移動させます。矯正を開始する際は、現在の歯の状態から矯正が完了した状態までをいくつものステップに分け、AIがシミュレーションを行います。それを歯科医師がチェックした上で、必要なマウスピース型装置を作製します。1つのステップは約1週間です。歯にかける力が従来の方法よりも小さいので、従来法よりもやや痛みが少ないのが特徴です。マウスピース型装置は毎週次のステップのものに変え、ステップを重ねるごとにゴールに近づいていきます。
- Qマウスピース型装置を用いた矯正の長所と短所を教えてください。
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A
▲3D画像を用いてわかりやすく説明
ワイヤーを用いた矯正器具は基本的に取り外しできません。これに対して、マウスピース型装置は患者さん自身で取り外し可能です。矯正を予定どおりに進めるためには、1日22時間の装着が必要ですが、残りの2時間は食事と歯磨きにあてることができます。毎日の歯磨きがやりやすいので、虫歯のリスクを抑えられ、食事の際に食べ物が引っかかるという心配もありません。また、笑う時などに口を開けても、目立ちにくいというのも大きなメリットですね。ただし、取り外せることがデメリットになる場合もあります。22時間装着のルールを守っていただけないと、予定どおりに矯正が進まないので、装置の作り直しが必要となる可能性もあります。
- Qスキャナーを用いて型採りを行うそうですね。
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A
▲丁寧な説明を心がける
マウスピース型装置を用いた矯正を希望する患者さんには、光学スキャナーを使って歯の型採りを行います。所要時間はおよそ10分で、口の中に型採りのための素材を入れて行う従来の方法よりも、精度にこだわって型採りが行えます。口の中に異物が入るという違和感や、「型採り素材が喉に流れてきそう」といった不快感を感じにくいのも利点です。スキャンした情報はデジタルデータ化されるので、装置を作る会社との間でスムーズにデータの受け渡しができ、矯正開始まで患者さんに待っていただく時間が短縮できます。また、矯正で歯並びがどう変化していくかという予想を、型採りを行ったその日に見ていただけるのも、デジタルスキャンの強みです。
- Q矯正にはどの程度の時間がかかりますか。
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A
▲待合は十分なスペースがありゆったりとしている
矯正に用いるマウスピース型装置の数は、最も少なくて40個、多い方なら60〜70個必要です。平均すると50〜60個で、装置は1週間ごとに変えていくので、矯正期間は1年から1年半になりますね。ただし、大まかな矯正が終了した後の細かい調整や部分ごとの矯正までを含めると、期間はどうしても長くなります。歯を抜かない矯正の場合でおよそ2年〜2年半、抜歯を伴う矯正の場合は3年〜4年程度の期間が目安です。患者さんには、月に1度の受診をお願いして、毎回4つずつマウスピース型装置をお渡しします。受診の際には、シミュレーションどおりに矯正が進んでいるかを確認するとともに、汚れや虫歯などのチェックも行います。
- Q矯正希望の患者さんに対して、心がけていることはありますか。
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A
▲院長は穏やかで優しい人柄
最近、マウスピース型装置を用いた矯正が普及してきて、簡単にきれいな歯並びが手に入るというイメージを持たれている部分もあります。しかし、矯正には時間がかかり、不便なこと苦労することもあるので、気楽なものではありません。当院では、患者さんにそうした情報をきちんと伝えた上で、患者さんに寄り添い、一緒に頑張っていくという姿勢を大事にしています。また、矯正に対するモチベーションを維持していただけるよう、以前の写真と現在の写真を見比べてもらい、矯正が進んでいることを患者さんに実感してもらうようにしています。矯正中につきやすい着色汚れなどをきれいに掃除すると、より実感しやすくなると思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/85万円〜