矢野 隆嗣 院長の独自取材記事
矢野歯科医院
(宇治市/伊勢田駅)
最終更新日:2024/11/08
「矢野歯科医院」は、宇治市で1979年に開業し、長きにわたって近隣住民を中心に愛されてきた地域密着型の歯科医院だ。2015年4月から新たに矢野隆嗣(やの・たかつぐ)先生が院長を引き継ぎ、多くのスタッフとともに患者に寄り添った診療を提供している。院内は大きな吹抜けが印象的で、開放感たっぷり。「いつも笑い声が絶えないんですよ」と矢野院長が話すとおり、待合室はスタッフと患者の気さくなやりとりがあちこちから聞こえ、クリニックとは思えないほどの和やかな雰囲気が漂っている。患者にとって心地良い歯科医院づくりを追求しているという矢野院長に、診療に対する思いについてたっぷり語ってもらった。
(取材日2020年3月19日)
継承を機に、クリニックを大きくアップデート
クリニックを引き継がれたきっかけをお聞かせください。
当初は歯科とは関係のない理工関係の大学に行って、就職もしていたのですが、物作りに携わっていても直接お客さんの顔を見ることはできませんでした。もっと身近にカスタマーの喜ぶ顔が見える仕事がいいなと思った時、実家の歯科医院って魅力的だったということに気づいたのです。そこから歯学部に編入を決意。大学では周囲とは年齢も離れていましたが、迷いなく勉強に打ち込みました。卒業後は勤務医を経験。歯周病をはじめとした口腔外科領域を中心に、自信を持って患者さんに接するようになったことをきっかけに実家を継承しました。
ご継承をきっかけに変わったことを教えてください。
道具や機器だけでなく、治療の流れや技術面に関しても大きく変わりました。マイクロスコープやレーザー治療器、歯科用CTなど先進機器を導入し、カルテなどのシステム管理についても効率化を図りました。また、クリニック全体の技術水準を引き上げるため、両親にも新しい治療法について積極的に取り組んでもらいました。もともと新しいことを勉強するのは好きだったようですが、今までの豊富な知識と経験が邪魔をして、自己流に落とし込んでしまいがちになるといって苦労していましたね。今では当クリニックすべての歯科医師の治療が、同じ水準で提供できるようになっています。また、矯正やインプラント、歯周病手術など、さらに診療の幅が広がり、より患者さんお一人お一人の希望に合った治療が選択できるようもなりました。
クリニックも新しく増築されたそうですね。
はい。昨年から増設したクリニックをメインに診療を行っています。おかげさまで多くの方にお越しいただいているので、キャパシティを広げることにしたのです。現在は診察台の数を増やして、5台稼働させています。また、この春からスタッフを増やす予定で、予約の取りやすさを考慮し、患者さんにとってさらに通いやすいクリニックづくりに取り組んでいくつもりです。新しい診察室は個室タイプを採用し、今まで以上にプライバシーを考慮しています。また、どなたにも過ごしやすい空間を提供したいと落ち着いたBGMの流れるシックな雰囲気に仕上げました。大きな吹抜けは、私がこだわって造った1つ。明るい光の差し込む開放的な待合室で、ゆったりとした時間も楽しんでいただきたいですね。
いつも変わらない明るい笑顔で、安心感も提供したい
スタッフの体制も変えたそうですね。
ええ。スタッフに当クリニックのファミリーであることを意識してもらうには、まず私たち雇う側の意識を変えなければいけないと思ったんです。例えば、ずっと勤めてもらえるよう、給与体系の見直しやキャリアアップのサポート体制を整えました。実際にモチベーションが上がったようで、歯科助手を勤めていたスタッフから歯科衛生士にステップアップしたいという申し出があって、現在専門学校に通っている者もいるんですよ。そんな仲間をみんなで応援したり、お互いの誕生日を祝ったりと、スタッフ間での絆も深まって、クリニック全体の雰囲気もさらに良くなりました。おかげで院内は、患者さんとスタッフの笑い声が絶えないんですよ。顔見知りのスタッフが明るい笑顔で迎えてくれることは、患者さんの安心感につながります。いつもと変わらない安心も提供していきたいと思っているんです。
実際に、スタッフの方の資格を生かした取り組みも行っているそうですね。
はい。例えば、保育士の資格を有するスタッフが常駐していますので、託児サービスを提供しています。小さなお子さん連れのママが安心して治療ができるようになっていると思います。また、管理栄養士の資格を有するスタッフが行う「お子さんとお母さんのための離乳食や食育の教室」なども開催しています。栄養の取り方や、小さい子どもだからこそ気をつけたい点などをお伝えしています。私たちの仕事は、歯を治すだけではなく、QOL(生活の質)を上げ、健康を作っていくことだと思っています。「マイナスをゼロにするのではなく、ゼロからプラスに上げる」ことを常に意識しています。今後もさまざまな角度から健康に関する情報を発信し、地域に還元できるクリニックでありたいと思っています。
現在、どのような患者さんが多く通われていますか?
開業当初から通ってくれているご高齢の方も多いのですが、この近辺は昔からベッドタウンなんです。新しく引っ越してくるファミリー世代も多く、ご家族皆さんで通院されている方もたくさんいらっしゃいます。健康意識の高い患者さんは増えていて、下は1歳くらいからフッ素を塗りに来てくれています。特に定期的なケアでお越しの際には、さまざまなところを注視するようにしています。例えば、大人の方であれば歯周病。小さなお子さんであれば、常にお口がぽかんと開いている状態になっていないかなど、口腔筋機能の低下をチェックするようにしています。定期的なケアであっても、一つ一つの診療に対してベストを尽くすことをモットーにしているんです。
一つ一つの治療を丁寧に行い、長期的な健康をめざす
患者さんの診療において、気をつけていることを教えてください。
まずは、できる限りご自身の歯を残せるようなプランを提案するように心がけています。それがどうしても難しい場合には、少しでも長く自分の歯を保てるようなプランを提案します。また、極力痛みが少ない治療を行うよう気を配ることも忘れてはいません。それ以外に、患者さんお一人お一人のご要望に合わせることも大事だと思っています。例えば、忙しい方で「今日はこの治療だけでいい」という患者さんの場合には短時間で取り急ぎ痛みだけ取ったり、「しっかり治したい」という人にはコストや時間を明確にしたプランを提示するよう努めています。そのため、当院では初診だけでなく、治療が進む段階ごとに何度もヒアリングを重ねます。そうすることで、当初の訴え以外にも気になっているお悩みをお話ししやすい環境をつくるようにしているのです。ぜひお気軽にご相談していただければと思います。
お休みの日も勉強会などでお忙しいそうですね。その原動力は何でしょうか?
そうですね。歯科の勉強会で講師をされている先生の講義に参加をすると、自分ってまだまだだなあ、と落ち込むこともあるんですよ。でも、そこで立ち止まってしまうと、そのレベルまでしか患者さんに還元できません。もっと良い医療を提供しようという思いから、ついつい休日も返上して勉強会に行ってしまうんです。「こんな凄いことをしてやろう」と技術を磨いているというよりは、「患者さんの悩みを全部治せたらいいな」というシンプルな思いなんです。もともと人が好きで、患者さんの喜ぶ顔が見たくて始めた仕事です。「ありがとう」の一言ですべてが報われてしまいますね。
最後に、読者の方へメッセージをお願いします。
お口にトラブルがないと思っていても、実はトラブルのない方はほとんどいません。例えば、歯周病は痛みがほとんどないため、進行に気づきにくい病気です。しっかりケアしていても、歯周病が進行していることもあるんです。そういった本人が気づかないトラブルを見つけられるのは歯科医院だけ。気づいてから行くのでは遅いのが歯科であり、その点が病気や症状が出てから通う内科などのクリニックとの違いです。例えば、会社などの健康診断でも歯科検診はほとんどありません。だからこそ、歯科医院を頼っていただきたいのです。まずは信頼できるクリニックを見つけ、定期的なメンテナンスに欠かさずに行ってください。将来的なリスク管理を行い、一緒に努力していきましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/42万円~、小児矯正/35万円~、成人矯正/65万円~