長く快適に使えるように
適性を考えて提案するインプラント治療
あまの歯科
(大阪市西区/九条駅)
最終更新日:2024/07/05
- 自由診療
何らかの理由で歯を失ってしまった場合、インプラント治療は選択肢の一つとなる。顎の骨に埋入した人工歯根で支えるため、天然歯のような噛み心地が期待できる上、セラミックの歯の自然な美しさに魅力を感じる人も多いだろう。「ただし、誰にでもお勧めできる治療ではありません」と語るのは、「あまの歯科」の天野統示(あまの・もとし)院長。長く快適にインプラントを使うには、口の中を良好な状態に保つことが欠かせないと力説する。そうでなければ、せっかく治療を受けても、無駄になる恐れがあるからだ。将来的な視点も生かしてインプラント治療を提供している天野院長に、治療のメリットとデメリット、適しているケース、さらに実際の治療の進め方まで、わかりやすく解説してもらった。
(取材日2024年5月8日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qインプラント治療のメリットを教えてください。
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A
ご自身の歯に近い噛み心地が期待できること、治療を行う際に両隣の歯を削る必要がないことがインプラント治療の大きなメリットです。また、歯磨きの際も天然歯と同じようにケアができますし、入れ歯のバネのように口の中で目立つパーツがない自然な見た目もメリットですね。一方、インプラントと同様、失った歯を補う治療法の一つであるブリッジは、欠損部とその両隣の歯のかぶせ物が連結している構造なのでデンタルフロスが使えず、どうしても清掃性が低下してしまいます。その点、入れ歯は自分で着け外しができ、お手入れがしやすいですが、しっかりと固定するのが難しく、自分の歯に比べて噛みづらいというデメリットがあります。
- Qインプラント治療にもデメリットはありますか?
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A
自由診療で健康保険が使えないのはデメリットでしょうね。歯周病によく似たインプラント周囲炎のリスクもありますが、天然の歯でもケアを怠ると歯周病になるので、インプラントだからといってトラブルのリスクが高いわけではありません。むしろ、適した位置、角度、深さにインプラントを埋め込み、インプラントを埋め込む骨が不足している場合は骨を増やすために骨造成を行うなど、しっかりとした治療計画を作成することで、こうしたリスクは軽減が図れます。オペに不安を持つ方も多いのですが、当院で行っているインプラント治療では、基本的に歯茎を切開せず、オペ自体も短時間で済むため、痛みなどもそれほど心配する必要はないと思います。
- Qインプラント治療はどのような人に向いていますか?
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A
基本的には、骨格ができ上がった20歳以上の方を対象とし、他の歯が健康な状態の方には適した治療法です。例えば、若い方が事故で前歯を1本損傷してしまった場合、ブリッジでは両隣の健康な歯を削る必要があります。しかもブリッジと土台の歯との隙間から細菌が侵入して、虫歯になる可能性もあるため、インプラント治療をお勧めしたいですね。一方、歯周病の方は骨とインプラントの結合がうまくいかないため、治療後のインプラント周囲炎のリスクが高いので、当院ではお勧めしません。毎日の歯磨きがおろそかになりがちな方にもお勧めできませんね。骨粗しょう症の薬を飲んでいる方、高血圧症、糖尿病がある方も治療できない場合があります。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1口腔内のチェック
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口の中の状態をチェックし、虫歯や歯周病などがある場合はその治療が先行される。虫歯や歯周病があるのは、日頃のケア不足によることが多いため、同院では悪い部分を治療するだけではなく、定期検診や歯磨き指導を通して、インプラントを快適に使うために欠かせないケアの習慣化をめざしているという。治療や口腔ケアを行って口腔内の状態の安定を図った後、選択できる治療法についてメリット、デメリットが説明される。
- 2精密検査
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インプラント治療を行える状態になったら、歯科用CT、口の中の写真が撮影され、口腔内スキャナーを使って歯の型採りが行われる。インプラントを埋め込む顎の骨の周囲には重要な血管や神経が通っており、安全性に配慮したインプラント治療を行うためには、オペ中にダメージを与えるリスクを回避する必要がある。このため顎の骨の状態はもちろん、血管、神経の様子も3D画像で確認できる歯科用CTの検査を行う。
- 3治療計画の説明
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歯科用CTと口腔内スキャナーのデータを活用して、患者ごとの治療計画が作成される。画像を確認しながら治療計画についての詳細な説明を受け、同意すれば治療開始となる。同院では安全性に配慮し、治療計画に基づいて処置を行うためのサージカルガイドと呼ばれるマウスピース型のガイドを作製。オペの際にこのガイドを用いることで、作成した治療計画どおりの位置、角度、深さにインプラントを埋め込むことが可能になるという。
- 4インプラント処置
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麻酔を行った上で、個室の診療室でインプラントの埋入処置が行われる。顎の骨の量が十分あり、1本のみの治療なら手術の時間は10分程度。その日に仮歯をつけることも可能だが、通常はインプラントと顎の骨が結合するまで、1ヵ月〜1ヵ月半程度の待機期間がある。同院では顎の骨との結合性に優れたインプラントを使用することで、待機期間の短縮を図っている。顎の骨の量が不足している場合は、骨を増やすための骨造成を行う。
- 5定期通院・メンテナンス
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インプラントと顎の骨の結合が確認できれば、セラミック製の歯が作製され、インプラントに装着し治療完了となる。治療後は、インプラント周囲炎の予防、早期発見のために定期通院を継続したい。頻度は人によって異なるが、毎日のケアが適切に行えている場合は、頻度は長めの4ヵ月ごとに設定。インプラント治療を通して、患者の歯の健康意識向上につなげたいと考えている。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/1本30万円~、骨造成/10万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

