豊田 達昭 院長の独自取材記事
豊田歯科医院
(大阪市天王寺区/桃谷駅)
最終更新日:2025/10/10

桃谷駅から徒歩1分の「豊田歯科医院」は、1987年に開業した歴史あるクリニックだ。豊田達昭院長が特に力を入れているのが、噛み合わせ治療。歯列を正しく噛み合わせることが歯科治療の基礎であると考え、同院では咬合検査のための設備が充実。患者の「治したい」という熱意に応える治療を提供するため、同院では咀嚼機能をはじめとする歯の健康に向き合い、本気で治療を望む患者を特に歓迎している。自身も歯科技工物を製作し、どんな治療にも手を抜きたくないと語る豊田院長。職人気質でパワフルで、そして患者のためには手間を惜しまないという熱い想いが、インタビューを通して伝わってきた。
(取材日2025年8月25日)
噛み合わせに注力し、熱意を持って治療を提供
まずは、こちらで受けられる治療内容について教えてください。

当院では、虫歯や歯周病治療、根管治療といった一般歯科から、審美歯科やインプラント治療、矯正などを提供しています。その中でも、私は入れ歯と噛み合わせ治療に力を入れています。特に噛み合わせについては、歯の治療をする上での基礎になるものだと考えています。歯がうまく噛み合っていない状態でいくら治療しても、将来的に歯が欠けたり割れたり、ひどいと全身に影響が出たりということもあるんです。歯科治療の基礎であるからこそ、当院では噛み合わせについてしっかり取り組んでいます。
噛み合わせが悪いと、具体的にどのような影響が出るのでしょうか?
歯は、私たちの脳や体全体に深く関わっています。そして特に「噛む」という行為は、脳への重要な刺激となります。例えば、下の歯を1本抜くと、対応する上の歯が当たらないので、噛んでも刺激が伝わらず、脳に信号が伝わりません。脳の働きが弱まると、やがて萎縮する可能性があります。しかし、インプラントなどで抜けた歯の機能を補い、噛む力が回復すると、その部分の刺激が伝わるようになり、脳の働きも再び活性化していきます。即ち噛む力を取り戻すことは、脳の健康を維持する上で非常に重要なのです。
特にどんな方に症状が出やすいのでしょうか?

ストレスを感じている方に症状が出やすいですね。例えば仕事でパソコンをつかうデスクワークが多かったり、職場での人間関係に悩んだりと現代社会では日中常にストレスや緊張にさらされる場面はたくさんあります。時には家庭環境がストレスという方もいらっしゃるでしょう。かくいう歯科医師も、細かい作業が求められる仕事の特性上、常に脳が緊張してしまいがちです。そういった方の脳は、眠っている間に、食いしばりや歯ぎしりを起こしやすいんです。睡眠中の食いしばりは顎の筋肉を緊張させ、睡眠の質の低下、起床後の頭痛や吐き気などの症状を引き起こします。そうして噛み合わせのバランスが崩れると、体にさまざまな影響が出ます。片側だけで噛む癖があると、顎の筋肉に偏りが生じ、その緊張が首や肩に広がって、頭痛の原因になることもあります。歯の健康が、脳にも体にも及ぼす影響の大きさを、改めて実感しますね。
画一的な入れ歯ではなく、一人ひとりに合った入れ歯を
歯科技工士さんだけでなく、先生も歯科技工をされていると伺いました。

はい。私の世代までは、歯科医師の国家試験に実技試験があったんです。学生時代は自室でかぶせ物を作って練習していたこともありました。今でも、私が患者さんの口元を見ながら人工歯を並べて入れ歯を作っています。ちなみに当院の歯科技工士は頼れる職人気質で、患者さんの顎の動きまで見て歯科技工物を作ってくれています。本来なら一度に数本作れる物を「この患者さんの顎は特殊な動きをしているから、歯を1本ずつ作りたい。一気に作って1本ずれたらバランスが崩れてしまう」といった具合に、細部までこだわって取り組んでいるんです。外部に発注するときも同様に、患者さんの口に入るものはすべて私が逐一チェックを入れています。それは妥協した物を患者さんに使ってほしくないからなのです。
入れ歯も、患者さん一人ひとりに合わせた物を作られているんですね。
入れ歯は、食事をするための物でもありますが、人に与える印象を変える物でもあります。ただきれいな物を作れば良いわけではなく、患者さんに合った入れ歯を作る必要があるんです。だって、80代の患者さんに30代の入れ歯を入れたらおかしいでしょう。患者さんの入れ歯の製作にも、自分の家族の入れ歯を作っているのだという思いで取り組んでいます。これは他の治療でも同じで、手を抜くことはしたくないんです。他の歯科医師から「保険診療でそこまでするんですか」と驚かれたこともありますが、私としてはまだまだ知識や技術が足りない部分があると思っています。患者さんの「治したい」という気持ちに応えたいんです。
歯のことを真剣に考えている患者さんだからこそ、先生もそれに応えようとしていらっしゃるんですね。

そうですね。ご自分の歯に真剣に向き合っている方や、噛み合わせを本気で治療したいという患者さんには、こちらも全力でお応えするつもりです。そのため、時には厳しいことも言うかもしれません。でも、私も自身の治療に自負を持っているので、歯のことで困ったことがあれば、いつでも頼っていただきたいです。通院している患者さんの中には、東京や福岡から通ってくださっている患者さんもいらっしゃいます。少し前には北海道からの問い合わせもありました。ご自身の歯への意識が高い患者さんだからこそ、こちらもその熱意に応えて、笑顔になっていただきたいんです。
患者の熱意に応えるために、院内デザインにもこだわり
噛み合わせについて、セルフチェックする方法はありますか?

いくつかありますが、簡単な方法としては、鏡を見ながらゆっくりと口を大きく開けてチェックする方法があります。口を開けたときに、下の前歯が真っすぐ下に動いているかを確認してください。口を開ける途中で左右どちらかにずれるようなら、ずれたほうの関節に異常がある可能性が高いです。また、歯の根元や上顎にこぶができている人は、重度の食いしばりが起きている可能性が高いです。
食いしばりなどの予防のために、自分でできる対策はありますか?
脳の緊張からくる食いしばり対策として、定期的な運動をお勧めします。脳の緊張をほぐすには、40分程度のウォーキングを週に2~3日するだけでも有用です。体の代謝が良くなれば、脳に送る血液が増えます。結果的に、脳の緊張を緩和し、顎の筋肉をほぐすことにつながります。それに加え、顎の緊張を和らげるストレッチをすることも推奨しています。こめかみを抑え、顎を左右、そして前に動かした後、口を大きく開けます。
落ち着いた雰囲気の院内ですね。飾られている写真もすてきです。

ありがとうございます。ただでさえ歯科治療で緊張するであろう患者さんに、少しでもリラックスしていただきたいので、照明や家具にこだわりました。人の感情は、照明の強さや壁紙の色と密接な関係にありといいます。そのため、壁紙や照明の色、ソファーも私が素材の革を選んで染めてもらいました。当時は輸入家具の店が少なかったのでなかなかに苦労しましたが、落ち着いた空間ができたので満足です。人生の中で仕事している時間は長いので、落ち着いて仕事できる空間というのは大切だと思います。飾っている写真については、私が撮影したものです。カメラが趣味で、風景を撮るのが好きなんです。風景写真って、意外と体力が必要なんですよ。剣岳の写真は、現地に2泊して撮影しました。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
最近になって、ようやく噛み合わせの大切さが認知されてきたように思います。ですが、なぜ噛み合わせが悪くなっているのかという原因を追及したり、噛み合わせが悪いことで体にどのような影響が出ているのかまでは理解されていません。歯というのは、それぞれが重要な役割を果たしています。「1本ぐらいなくなっても、噛めれば大丈夫」ではないんです。こだわりを持って治療していますので、本気で治したい方は、ぜひ一度ご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは義歯/30万円~、インプラント治療(上部構造含む)/50万円~、セラミックインレー/8万円~、ジルコニア/12万円~、矯正/20万円~