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薄 壮一郎 院長の独自取材記事

ススキ歯科医院

(大阪市西淀川区/御幣島駅)

最終更新日:2023/09/15

薄壮一郎院長 ススキ歯科医院 main

かつて町工場が立ち並んでいた西淀川地区。近年は、マンションへの立て替えが進んでおり、子育てファミリーを中心に新しい住民が増えているという。この地域で70年以上地域住民に愛され続けてきた「ススキ歯科医院」は、現院長の薄壮一郎先生の祖父が開業した。以来、地域内で数度の移転を重ねながらアップデートを繰り返し、現在は御幣島駅から徒歩1分の地で近隣住民の歯の健康を見守っている。薄先生が院長に就任した2019年にはリニューアル工事を行い、患者がより安心して利用できるような環境が整った。「クリニックを怖い場所だと思ってほしくない」と話す薄先生に、同院が注力する丁寧な説明や、患者が納得してから治療を行う診療方針などについて詳しく話を聞いた。

(取材日2023年8月24日)

納得感のある治療を大切に、複数の選択肢を提案

光がたっぷり入る明るい院内ですね。いつリニューアルされたのですか?

薄壮一郎院長 ススキ歯科医院1

2019年のことですね。もともと当院は祖父が開業して以来、西淀川で長らく続けてきました。その後、父が院長を務め、さらに僕が引き継ぐタイミングでリニューアルを行ったのです。その際特にこだわったのは、バリアフリーにすることでした。2階までエレベーターで上がっていただいたら、車いすやベビーカーのまま院内に入れます。以前は入り口でスリッパに履きかえる必要がありましたが、お子さんから高齢者まで幅広い患者さんが来院されますし、中でも60代以降の方が多いので、靴を脱ぎ履きするご負担をなくしたいと思いました。また、3台ある診療台すべてにモニターを設置したのも、リニューアルでこだわった点ですね。患者さんに治療をご説明する際に活用しています。

そもそも歯科医師になろうと思ったきっかけを教えていただけますか?

正直に言うと、高校生になるまでどの仕事をやりたいというのは特になかったんです。そんな僕を見て、歯科医師はどうかと声をかけてくれたのが父でした。それも単に「やってみたら?」と言うだけではなくて、「どんな仕事にも大変さはある」と前置きした上で、「歯科へは痛くて来る人が多いので、最初はしかめっ面だったり泣いていたりするかもしれない。でも治療が終わる時は皆さんが笑ってお帰りになる。そんな職業はあんまりないと思うよ」と言ってくれたのです。確かに笑って帰ってもらえる仕事はいいなと思って……。それで歯学部に進むことに決めました。大学卒業後は大学病院で臨床研修を行い、いくつかのクリニックで経験を積んでから、こちらに戻ってきました。

クリニックの診療方針についてお伺いします。

薄壮一郎院長 ススキ歯科医院2

大切にしているのは、丁寧に説明して、患者さんにご納得いただいてから治療を行う「インフォームドコンセント」です。口の中を見れば歯の状態はわかりますが、患者さんの細かい生活背景や事情まではわかりません。ですから治療の選択肢を出してから、患者さんご自身に選んでいただくことを心がけています。例えばいくら素晴らしい治療でも、何度も通う必要があれば、仕事が忙しい人には難しいでしょう。費用負担に対する考え方にしても一人ひとり違います。ですからご提案した上で、「一度ご自宅で考えてみてください」ということは多いですね。また、治療ではできるだけ抜かないことを意識していますが、やはり状態が悪ければ抜いたほうがいいということもあります。そういう場合でもすぐに処置するのではなく、今の状況をきちんとお伝えして、抜くタイミングは患者さんにお任せするようにしています。治療への納得感は常に意識していることですね。

モニターも活用し、丁寧でわかりやすい説明に注力

治療の説明に力を入れようと思ったのはなぜですか?

薄壮一郎院長 ススキ歯科医院3

以前勤務していたクリニックの先生が、「患者さんから『歯を抜かれて』と言われてしまったら、歯科医師としてアウトではないか」と話していて、その言葉にとても共感したからです。「抜かれて」というのは、つまり「治療された」という気持ちになっているということですから、良くないのではというお話でした。確かにそのとおりですし、逆に「抜かれて」ではなくて「抜いてもらって」「治療してもらって」と表現してもらえたら、それは患者さんと向き合って治療できているということだと思うのです。僕は基本的な治療を大事にしており、専門性の高い治療を提供しているわけではないですが、しっかり患者さんと向き合い、丁寧に説明することで、「治療してもらった」と言っていただけるように頑張っています。

丁寧に説明するために、何か工夫されていることはありますか?

全部の診療台にモニターがあるので、治療の前に説明のための動画を見ていただくようにしています。虫歯治療一つとっても、患者さんのイメージは、なんとなく「キーンと音がして削られる」というようなものではないでしょうか。でも、具体的に治療内容を動画で見れば、自分が今からどんな治療を受けるのかきっと理解しやすいですよね。それが「削られた」でなく「こうやって削ったんだ」にもつながると思うのです。時には絵を描いて説明することもありますね。実は、「言葉で言えば伝わるだろう」と思っていたことも以前はありました。でも経験の中で、ビジュアルを重視した資料で視覚に訴えたほうが、やっぱり患者さんに理解していただきやすいということを実感しました。なので、今でも伝え方を工夫するようにしています。

小児歯科にも注力されているそうですね。

薄壮一郎院長 ススキ歯科医院4

はい。近隣に子育て世帯が増えていることもあって、子どもの患者さんを診る機会が増えてきました。最初はお母さんが通院されていて、そこから旦那さんやお子さんが通われるようになって、ご家族全員で来てくださるというケースがとても多いですね。お子さんを治療する場合も、大人と同じくコミュニケーションを取ることを大切にしています。僕自身、2人の子どもがいるので、共通の話題にできそうなこと、例えば新しいゲームの話をすることもあります。小さいお子さんだったら、モニターにアニメの動画を流して気持ちをそちらに集中してもらったり、おもちゃで気を引いてみたり。小さいうちからクリニックに慣れることは、将来のお口の健康に大きく関わってきますので、少しずつ慣れていってもらえたらと思っています。

スタッフとも連携して気兼ねなくかかれる歯科をめざす

歯科衛生士さんが増えたと伺いました。

薄壮一郎院長 ススキ歯科医院5

おかげさまで患者さんが増えてきたことで、僕一人で全部回すのが難しくなってしまったんです。ずっと患者さんと直接ふれあってきましたから、欲を言えば一人で全部診たい気持ちもあります。でもそうすると、痛みがある患者さんが予約をすぐに入れられないということにもなってしまうので、それでは駄目だなと思い、体制を整えました。現在、歯科衛生士が2人、歯科助手が3人、それに僕の合計6人で患者さんに対応しています。歯科衛生士が増えたことで診療がスムーズに進み、患者さんにも予約を取っていただきやすくなったのではないでしょうか。患者さんを思いやった発言ができるスタッフばかりなので、そういう面でも助かっています。僕より歯科衛生士と話すほうが盛り上がっている患者さんもいらっしゃいますね(笑)。

クリニックの今後の展望をお聞かせいただけますか?

これは展望というより理想に近いのですが、僕もメンテナンスをもっとできたらと思います。今は僕が治療で、メンテナンスは歯科衛生士の担当です。でももし地域の方々の歯が健康であれば、僕も治療よりメンテナンスをメインにできるでしょう。現実的には難しいのですが、「メンテナンスばかりで今日は治療用の機器に触らなかったな」となったらいいですね。ただ、今でも歯科衛生士がメンテナンスを行った後は、最後に必ず僕も確認するようにしているんです。お帰りになる前に、一度顔を合わせて状態をしっかり診たいですからね。地域のかかりつけ歯科としてこまやかな対応を行い、この辺りの方々が気兼ねなく来られるようなクリニックでありたいといつも思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いいたします。

薄壮一郎院長 ススキ歯科医院6

歯科クリニックというと、どうしても「怖い」「話を聞いてもらえない」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんなマイナスのイメージを払拭できるように、よくお話を聞き、わかりやすい説明をして、納得して治療を受けていただくことを何より大事にしています。患者さんと二人三脚で治療していくことをめざしていますので、気軽な気持ちで来ていただけたらうれしいです。お口のことで気になることは、何でもご相談ください。

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