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山口 義哉 院長の独自取材記事

山口小児科内科

(世田谷区/上野毛駅)

最終更新日:2020/04/01

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東急大井町線上野毛駅から、閑静な住宅街を歩くこと約8分。鮮やかなブルーの外観が目印の「山口小児科内科」は、25年にわたり地域の子どもの健康を守ってきた医院だ。イルカ先生の愛称で親しまれる山口義哉院長は「ポイントを押さえたわかりやすい説明を意識している」と話す気さくなドクター。子どもたちが怖がらないようにと白衣を着ず、笑顔での診療を心がけている。院内には自身が共働きで子育てに苦労をした経験から、病気の子どもを預かる病児保育施設も備えている。今年から体調不良の子を両親に代わって園に迎えに行く「お迎えサービス」も開始した。「遠慮せず何でも相談してほしい」とほほ笑む山口院長に、診療方針や病児保育などについて話を聞いた。
(取材日2019年9月19日)

怖い先生と思われないよう、白衣を着ず笑顔で診療

まず、先生が医師を志したきっかけをお聞かせください。

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父も開業医だったので、やはり父の影響が大きいですね。当時、開業医といえば自宅が医院になっていることが多く、わが家も壁一枚を隔てた向こうが医院でした。そのため、子どもの頃から医院の雰囲気や忙しさを肌で感じていた気がします。日々の生活の中で、患者さんが「ありがとう」と笑顔で帰る姿を何度も見ていたので、自然と「医師になりたい」という思いが芽生えたのでしょう。小学校5、6年生の時にはもう「医師になろう」と決めていました。ただ、自営で親が四六時中家にいることを疎ましく感じた時期もあり、中学校から高校1年生まではラジコン屋になりたいと思っていました。当時、燃料で動くエンジンつきのラジコンがあり、暇さえあればラジコンを自作していたんです。ただ一過性のもので、高校2年生の頃には、また医療の道をめざしていました。

どのような症状のお子さんが多いですか?

一番多い症状は発熱です。あとは「ミルクや離乳食を吐いてしまう」というケースも目立ちますね。基本的にはほとんどが軽症の方ですが、重篤な病気を見逃さないよう、緊張感を持って診療にあたっています。診察の際に工夫していることはお子さんが「怖い」と感じないよう、院内を明るい色合いで統一している点。あとは、やはり「顔」ですね。なるべく怖いと思われないよう表情には注意しています。それでも、何回か注射をしていると「注射をする人だ」と思われるようで、顔を見ただけで泣かれますけれど(笑)。ほかには「こんにちは」「今日はどうしたの?」とたくさん話しかけ、白衣を着ないようにしている点でしょうか。白衣を見ると緊張するお子さんは多いですから、なるべく怖さを感じるものは取り除くようにしています。

診療の際、心がけていることや患者さんにお伝えしていることを教えてください。

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何でも相談していただけるよう、来院しやすい雰囲気づくりや、ポイントを押さえた丁寧な説明を心がけています。最近はお母さんが医療情報をインターネットで調べていることも多いので、専門的な知識をわかりやすくかみ砕いて説明し、誤って伝わらないよう気をつけています。また、お母さんの中には「何日も続けて来て申し訳ない」とおっしゃる方もいますが、初めてのお子さんだと不安になって当たり前です。来院することで知識を得て、お母さんも成長できればいいので、気にせず何度でも来ていただきたいですね。また、私は薬を出すことだけが医師の仕事とは考えていません。そのため「あまり薬を使いたくない」という方には、私の子育て経験や、幼稚園や保育園の園医経験の中で学んだ知識をもとに、食事のアドバイスも行っています。

重篤な病気を見逃さないようにとのことですが、どのようなことに気をつけていらっしゃいますか?

診察室に入ってくるときの様子ですね。大きい子なら歩いている様子、小さい子なら抱っこされている様子、そして顔つきや目つき、顔色を見るようにしています。以前、発熱している生後1ヵ月のお子さんをお母さんが「他院を受診し、解熱剤を処方されたけどあまり良くならない」と連れてきたことがありました。診たところ、熱は高くないものの皮膚の色がとても悪く、敗血症で循環不全を起こしていることがわかりました。お父さんお母さんは熱がないと安心しがちですが、注意深く診ることで重篤な病気がわかるケースもあります。そのようなときは、ご家族のご要望を聞きながら専門の医療機関を紹介しています。

患者のニーズをくみ取り設備を整えた

4月から新たに導入した機器があるとか。

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目の屈折異常を調べる医療機器ですね。当院には時々、お子さんの斜視を気にされるお母さんがいらっしゃいます。その際、これまではペンライトで確認をしていたのですが、やはり数値として結果が出たほうが親御さんも安心できると思い、専用の機器を導入しました。6ヵ月の乳幼児から測定ができるので、6~7ヵ月検診でも使用し、異常がある場合は専門の医師を紹介しています。斜視は放置すると目の発達が妨げられ弱視になってしまうこともあるため、5歳ごろまでに治療を開始することが重要だと考えています。

2004年から病児保育にも取り組んでいらっしゃいます。病児保育を始めたきっかけは何でしょうか?

開業当初、看護師である妻と2人で診療をしていました。当時、まだ子どもが小さく病気になるたびに大変だった経験から、保育士が常駐し病気の子どもを預かる病児保育の取り組みを始めました。これは世田谷区からの委託事業で、「世田谷区在住で認可保育園に通っているお子さん」などが対象となり、インフルエンザの場合も隔離した個室でのお預かりが可能です。ただ、いろいろ制約もあり、入院が必要な重篤な子や、感染力の強い麻疹(はしか)の子は預かることができません。

今年から、病児保育の一環として「お迎えサービス」も始められたそうですね。

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小さなお子さんが保育園や幼稚園に通っていると「熱が出ました。迎えに来てください」と、急に呼び出されることがあります。そんなとき、すぐ迎えに行ければいいのですが、どうしても行けないときもあります。同サービスは、当院のスタッフが園まで迎えに行き、病児保育室でお預かりするというものです。現時点では移動中の事故を防ぐため、徒歩圏内の園に限定したサービスとなっていますが、親御さんからは「安心できる」と喜んでいただいています。

愛称は「イルカ先生」、何でも相談できる医院をめざす

小児の診察で最近気になっていることはありますか?

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お子さんが自分の症状を正確に伝えられるようになるのは、早くても小学校高学年あたりからだと思います。そのため診療では、親御さんに症状をお聞きすることが多いのですが、半数近くのお父さんが「連れて行けと言われたので連れてきました」とおっしゃる。特に土曜日はそうしたケースが多いですね。正確な診断を下すには、「何を食べたか、薬は飲んだか、咳や鼻水は出るか」など情報量が必要です。普段、お子さんと一緒にいない方が連れていらっしゃるときは、いつも様子を見ている方がメモ書きを渡すなど、共有をしておいていただけると助かります。

先生はイルカ先生と呼ばれているそうですね。愛称の由来は何でしょう? 休日のご趣味も教えてください。

15年ほど前に、知人から1メートルくらいのイルカの置き物を頂いたんです。とてもかわいかったので玄関に飾っていたら、いつの間にか子どもたちや近隣の方から「イルカ先生」と呼ばれるようになりました。今はもう置いていないのですが、ホームページのタイトルが「イルカ先生の部屋」となっていることもあり、ずっとイルカ先生と呼ばれています。休日は妻と歌舞伎に行ったり、旅行に行ったりしていますね。趣味はスキューバダイビング。月に1~2回行く伊豆には、西伊豆と東伊豆があり、たくさん潜る場所があるんです。アジやサバ、タイ、ウミガメ、時には小さなサメやマンボウと出会うこともありますよ。前は3人の子どもたちと一緒に行っていたのですが、皆、就職し今は一緒に行けません。子どもの成長は早いものです。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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保護者向けに不定期で勉強会を行うなど、お子さんの病気について情報発信をしたいと考えています。また、病児保育の存在も広く発信し、お子さんが病気の時に安心して病児保育を利用できるよう、医師として取り組んでいきたいですね。これからも健康に気をつけて頑張りますので、「これぐらいで相談に行ってもいいのかな?」と遠慮せず、些細なことでもまず相談に来てくださいね。

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