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山田 伸治 院長の独自取材記事

山田歯科医院

(大阪市生野区/鶴橋駅)

最終更新日:2026/07/06

山田伸治院長 山田歯科医院 main

鶴橋駅から徒歩5分、商店街の中にある「山田歯科医院」。1988年の開業以来、地元住民に貢献するべく地域に根差したクリニックをめざしている。木曜日を除き平日は午後8時まで。土曜日も午後1時まで診療しており、土曜日には平日に来られない患者が多く来院するという。山田伸治院長は地域の歯科医師会の活動を通じても、地域と深く関わっており、通院の難しい患者のため往診を行うシステムを構築。勉強会や歯科検診なども積極的に行い、地域の口腔衛生の向上に力を尽くす。息子も歯科医師となった山田院長に今後の展望など、話を聞いた。

(取材日2022年8月25日/最終更新日2026年6月29日)

生まれ育った地で地域住民に寄り添う歯科医療の提供を

歯科医師になったきっかけや開業への経緯を教えてください。

山田伸治院長 山田歯科医院1

私はもともとこの場所で生まれ育ったんですが、この商店街自体に医療機関が多く、将来は自分も医療関係に進み、ここでクリニックを運営したいなと子どもの頃から漠然と考えていました。加えて高校の先生からこの仕事を強く勧められたこともあり、歯科大学に進みました。大学卒業後も大学の口腔外科に籍を残してそこで勉強しながら、奈良のクリニックで4年間、小児歯科や矯正などの勉強をさせていただきました。その後、子どもの頃から考えていたとおり、自宅を建て直してここに開業したんです。ひと昔前までは、このエリアは地元の人が多かったのです。でもそういった地元の人たちが年を重ねるにつれて郊外へと引っ越していき、代わりにというわけではないのですが、コリアンタウンや焼肉の街として新しい店がどんどん増え、今はどちらかと言うと観光スポットになっています。

設備などのこだわりを教えてください。

内装は木目と白の色合いをベースに和風をイメージしたデザインにしています。高齢の患者さんが多いため、院内の至るところに手すりをつけ、車いすでも入れるようリフォームしました。年配の人でも安心して受診できるよう椅子型のユニットを3台導入し、ゆったりとした造りにしています。新型コロナウイルス感染症の流行前から院内感染には細心の注意を払っており、滅菌器の導入、手袋の交換はもちろん、使い捨てできるものは全部使い捨てにしています。空気清浄機、口腔外バキューム、換気扇の設置、土足厳禁にもこだわっています。放射能による体の負担を軽減するため、エックス線はコンピューター撮影にしています。

こちらに来られる患者さんの層は?

山田伸治院長 山田歯科医院2

開業して38年もたつので近隣にお住まいの方が中心です。お勤めや買い物に来ている人は別にして、住んでいる人はかなり高齢の方で独居老人も多いですね。この地域では女性の独居老人の方が多いので、必然的に平日の患者さんは女性が中心になります。うちは土曜日も診療しているのですが、土曜日に関しては平日お勤めの方などが多く来られるため男女半々といったところです。今歯科医療も専門化してきていますので、うちで診れるものは診ますし、インプラントや難しい抜歯などは無理をせず近隣の大学病院や総合病院に紹介するようにしています。

歯科医師会の活動の中でも地域医療に尽力

診療にあたって心がけていることは?

山田伸治院長 山田歯科医院3

できる限り患者さんのご希望に沿うことです。そのためにも丁寧に患者さんのお話を聞き取るようにし、しっかり説明して安心してもらうことを大切にしています。今どういう状態であるかをご納得いただけるまで説明してから、治療に入ります。同じ症状でも治療法はいろいろあるので、例えば抜きたくないと言っている人に対して無理に抜くといったことはしないようにしています。希望を聞くと言っても患者さんのためにならないことまで何でも聞くわけではありません。例えば歯の自然な白さって年齢によって異なってくるんですね。歯を白くしたいといっても必要以上に真っ白にしたいと希望される方がいた場合、かえって不自然になりお勧めできないといったことは、お伝えするようにしています。

口腔衛生指導にも注力されているそうですね。

以前は寝る前にしっかり歯を磨いてくださいと言っていたんですが、今は食後できるだけすぐ歯を磨いてくださいと言っています。昨今、体と口腔衛生の関係がクローズアップされるようになってきています。特にがん患者さんとか糖尿病患者さんとか基礎疾患をお持ちの方は、食後歯をすぐ磨いて常にきれいな口腔を保つことが大切だと考えられています。誤嚥性肺炎などの予防にも、食べ物がお口の中に残っていないよう常にきれいにしておかなければなりません。日々のブラッシングではどうしても磨き残しが出るので、歯科医院でのプラーク(歯垢)や歯石の除去も必要だということはお伝えしています。

生野区歯科医師会で活動されているとのことですが、どのような活動を?

山田伸治院長 山田歯科医院4

生野区歯科医師会のメンバー全員で、さまざまな形で地域の皆さんの歯の健康を見守っていくとともに、勉強会、気軽に受けられる歯科検診などをどんどん増やしていきたいと思っています。現在は生野区役所と連携して、歯科相談や幼稚園での保健指導、1歳6ヵ月検診、3歳児検診、妊産婦検診といったことにも力を入れています。将来的に健康フェアの開催や歯科相談にも取り組んでいきたいですね。また11年前から「ケアステーション」という往診を行うグループをつくっています。寝たきりの方や体調が悪くてクリニックに通えない方が、急に入れ歯が割れたり、歯が痛くなったりしたときに、生野区歯科医師会に連絡していただければ近くの歯科医師が往診するというシステムです。

通院困難な人が安心して利用できる往診システムを構築

ケアステーションについて少し詳しく教えてください。

山田伸治院長 山田歯科医院5

今では府内どの地区でもケアステーションはあるんですが、この辺は独居老人が多い地域ですので、比較的早く始めました。内科のかかりつけ医はあっても、歯科って「痛いなど何かトラブルがあって初めて行く所」といった認識の高齢の方が多いんです。そんな方が急に口腔内のトラブルに見舞われ、かつ通院が難しい状態だった場合どこに頼ればいいかわからないですよね。そんなとき歯科医師会に言ってもらったら、誰か近くの先生が派遣されます。ヘルパーさん、ケアマネジャーさんからのご要請でも構いません。個人宅でも施設でも伺います。現在歯科医師会に所属する100人近くの先生が交代で伺っています。独居老人の多い生野区だからこそ、困ったときにすぐに駆けつけてもらえるこのシステムをぜひ活用していただきたいです。

先ほど大学病院に紹介と言っておられましたが、病診連携にも注力されているのですか?

昔のように1人の先生が全部するという時代ではなく歯科も専門化されてきています。患者さんのニーズに合わせてより専門的な医療機関へ振り分けるのもクリニックの務めかなと思います。逆にインプラント治療で外に出ていた患者さんが、その後消毒や抜糸にうちに戻ってくることも多いです。うちでできることはうちで、より専門的なことは大規模病院に。入れ歯なんかでも口の状態によってはすごく難しい場合があり、そういうときも無理せず大学病院などに紹介しています。

今後の展望は?

何かあったら気楽に来れる、敷居の低いコンビニみたいなクリニックでありたいと思います。そのためあえて予約制にはせずに、困ったらいつでも来てもらえるようにしています。待つのが嫌な方は事前に電話を入れていただくといいと思います。年齢的に、これから新しい展開をというのではなく、地域の患者さんのメンテナンスをしたり、せっかくの往診のシステムを普及させたり、今の患者さんを大切にしていきたいと考えているんです。ちょうど今私の息子が29歳で、大阪大学歯学部を卒業して歯科医師になり、大学病院で診療しているんです。将来的には、息子に引き継いでいくことも考えています。

最後に読者へのメッセージをお願いいたします。

山田伸治院長 山田歯科医院6

自分で不安に思っていることや疑問に思っていることは、まず歯科医師に聞くということが大切です。その上で説明を受け、安心して納得できたら歯科医師と一緒に治療していくことが基本だと思っています。信頼と安心が一番ですし、歯科医師との相性もあるでしょう。ただし自分の健康は基本的に自分で守る意識が大切だと思います。自分で健康維持を意識しなければ、一時的に良くなっても、2〜3年後に同じ治療をしないといけなくなることもあります。正しいブラッシングと歯科医院での歯石とプラーク(歯垢)の掃除を習慣にし、ぜひ健康に気をつけていただければと思います。