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北村 幹夫 院長の独自取材記事

きたむら歯科医院

(高槻市/高槻駅)

最終更新日:2023/04/05

北村幹夫院長 きたむら歯科医院 main

JR京都線・高槻駅からバスで約10分、閑静な住宅街にある「きたむら歯科医院」。矯正歯科を専門とする北村幹夫院長が1978年に開業し、現在はかみ合わせ治療をメインとしている。北村院長は、大阪大学名誉教授である丸山剛郎先生の直立二足歩行によって多くの人の下顎がずれ、首や腰などの筋肉や骨に負担がかかっているという考えに基づいて、適切なかみ合わせに促すことで全身の健康をめざす。偶然出合ったかみ合わせ治療で「歯科医師として初めて喜びを感じることができた」という北村院長に、かみ合わせ治療へかける思いや今後の展望について聞いた。

(取材日2018年11月27日)

偶然の出合いから「かみ合わせ治療」を自らの使命に

「かみ合わせ」を診ることがなぜ重要だとお考えなのでしょうか。

北村幹夫院長 きたむら歯科医院1

動物は咀嚼運動によって物を食べていますが、その際に動いているのが下顎です。下顎は筋肉でぶら下がっているだけで、言わばブランコ状態。もしブランコの台座を斜めにして引っ張って手を離したら、スムーズに揺れずに台座が跳ねてしまうでしょう。それと同じで台座となる下顎の骨を動かすには正しい位置にないといけません。ところが人間は直立二足歩行の動物なので、日々下顎を頭蓋骨にぶら下げて生活をしています。だから外力の影響を受けやすく、成長過程でほとんどの人は下顎が歪んでしまいます。正しい咀嚼運動で食べていないと、さらなる顔面の歪みや姿勢の悪さを生むことにもなります。この悪循環は、筋肉の無駄な働きによる疲れや硬直へとつながり、全身の血流にも影響がでます。脳への血流の影響も報告されています。ですから体の健康を考える時、この下顎を適切な位置にして正しくかむことが重要だと考えているのです。

かみ合わせ治療と出合ったきっかけはなんだったのでしょうか。

私は矯正歯科をしたくて歯科医師になったのですが、当時の矯正歯科は私が期待していたほどのいい医療が提供できる段階ではないと感じました。それならばと大学での勤務医を辞め開業したものの、今度は保険制度に思うところがあり、歯科医療そのものに限界を感じてしまったんですね。その時に、私は歯科医師であるのにかみ合わせ、食べる時の顎の運動である咀嚼運動については知識がないなと気がつき、「せっかく歯科医師になったのにこれではいけない。かみ合わせの勉強をしよう」と思ったんですよ。そして55歳の時に参加した講演会で、現在重視する考えとかみ合わせ治療に出合いました。

どうしてかみ合わせ治療を取り入れようと思ったのですか。

北村幹夫院長 きたむら歯科医院2

私が大学を卒業した頃、動物の咀嚼運動は解明されていましたが、人間の正常な咀嚼運動ではどのように下顎が動くのかわかっていませんでした。しかし20世紀の末に、大阪大学名誉教授である丸山剛郎先生によって人間の咀嚼運動について解明されたのです。ほとんどの人は下顎のゆがみにより正しい咀嚼運動ができていません。ですが21世紀となった今でも、歯科医療においては咀嚼運動を軽視する傾向にあると感じています。かみ合わせが歯科医療の基本であると感じ「これを私の最後の仕事にしなくては」と決意しました。初めて歯科医師になった喜びを感じることができましたね。

「かみ合わせ」から始まる歯科医療を提供

現在の患者層を教えてください。

北村幹夫院長 きたむら歯科医院3

圧倒的に女性の患者さんが多いですね。ホームページなどの情報をご覧いただいてご来院いただいています。現在では割合でいうと遠方からお越しいただいている患者さんがはるかに多く、近畿全般はもとより四国や中国地方からの患者さんもおられます。新規に来られる患者さんはかみ合わせ治療がほとんどです。

かみ合わせ治療の流れを教えてください。

良いかみ合わせには、体のバランスの取れた下顎の位置、咀嚼運動を含む上下の歯の良いかみ込み方、良い歯並びといった要素が不可欠です。まずは下顎の位置を正すようにかみ合わせの治療を進めていきます。私のしたい歯科医療だけを提供している状態でわがままだとは思いますが、もうぜいたくしてやりたいことをやらせていただきたいなと(笑)。

口の健康は、体の健康につながっているんですね。

北村幹夫院長 きたむら歯科医院4

私はその考え方に疑問を持っています。「お口の健康」と言いますが口はそのものだけで独立しているわけではなく、体の一部ですよね。ですから「お口の健康」すなわち「体の健康」なんです。そう考えれば歯科医師は口の中だけを診ればいいわけではないのがおわかりいただけると思います。たった200ミクロンほど歯が動いただけで、全身への影響につながるのが口の中なのです。それだけ歯と、かみ合わせは繊細。歯科医療のスタートは「かみ合わせ」であるべきだというのが私の考えです。

最新知識の習得のため、月1回は勉強会に参加

先生が歯科医師になった理由を教えてください。

北村幹夫院長 きたむら歯科医院5

私は歯並びが悪くて歯列矯正を望んでいました。昔は矯正を専門とする歯科医師がおらず、普通の歯科医院に行って「どこか紹介してください」とお願いしたのですが、その時の歯科医師から「男はそんなものいらない」と言われました。当時、小学校低学年ながら「男が歯並びで悩んでは駄目なの?」と疑問に思ったのが始まりです。今になって考えたらその歯科医師が矯正に対応できないための言い訳だったんだと思いますが、私は「それなら自分でやる」となって、それ以降、一貫してブレずに歯科医師をめざしました。矯正治療への失望など紆余(うよ)曲折を経て、かみ合わせ治療に取り組むようになって「ようやく自分が思う医療を提供できている」と今は生き生きしています(笑)。

現在もかみ合わせ治療に関する最新知識を勉強し続けていると伺いました。

かみ合わせ治療を取り入れた十数年前は、月4回も5回も東京に行って勉強会に参加していました。今でも月1回は上京していますが、毎回と言っていいほど、新しい研究成果や知見、新技術などに驚かされます。だから常に勉強し続けなくてはいけませんね。

読者へのメッセージと今後の展望をお願いいたします。

北村幹夫院長 きたむら歯科医院6

例えば頭痛がひどくて脳を調べたけど何もない、腰痛がつらいのでレントゲンを撮ったけど腰椎ヘルニアではなかった、など病院に行って検査してもその症状の原因がわからなくて悩んでおられる方って結構多いと思います。もちろんそれらがすべてかみ合わせが原因ではありませんが、原因がわからず「痛い」「つらい」ということがあるならば、一度かみ合わせの状態を調べてみることを選択肢の一つとして考えてみてほしいですね。数ヵ月に1回、かみ合わせに関するセミナーを開いています。実際に体験してもらう機会を設けていますので、これを今後もしっかりと続けて地道に啓発活動をしていきたいと考えています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

かみ合わせのための顎位矯正治療 50万円

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