歯を守り良好な状態に保つために
知っておきたい自由診療の特徴
辻田歯科医院
(守口市/守口市駅)
最終更新日:2025/05/15


- 自由診療
費用がかかるとして、自由診療をためらう人は少なくない。矯正歯科など、自由診療しか選択肢がない場合は仕方がないが、健康保険が使える治療に対して自由診療を選ぶ必要はない、そう考えるのが一般的かもしれない。しかし、使用できる材料や機器、そして何より治療時間に制限のある保険診療では「再発リスクの少ない治療の提供は難しいのが現状です」と、「辻田歯科医院」の辻田義展(よしのぶ)院長は語る。虫歯などが再発すると、再治療として前回より大きく歯を削る必要があり、こうした治療を繰り返していると、やがて歯を失う恐れもある、と注意を促す。自由診療と保険診療の違いや、自由診療の具体的なメリット、さらに同院の自由診療に対するこだわりなどについて、辻田院長に解説してもらった。
(取材日2025年4月25日)
目次
時間をかけた精密な処置を通して、再発リスクの少ない治療の提供をめざす
- Q自由診療と保険診療との違いはどのようなところにありますか?
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A
▲それぞれの治療の特徴や違いについて話す辻田院長
保険診療では使用が認められていない材料や素材を使用できるのは、自由診療の大きなメリットですがそれ以上に治療法が重要です。虫歯治療の詰め物・かぶせ物に使うセラミックやジルコニアには健康保険は適用されません。さらに、治療時間を長く設定できるのもいい点です。歯科医師は限られた材料や時間の中でより良い治療を提供するように努めています。しかし、保険診療の枠内だけで対応しようとすると精密な治療の提供は難しいのが現状です。近年は多くの歯科医院で保険外診療が提供されていますが、余裕のある診療時間の中で丁寧な処置が提供できる環境体制が整い、技術が伴っていないと保険診療とは材料が違うだけの治療になってしまいます。
- Q自由診療の具体的なメリットを解説してください。
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A
▲最初の段階で時間をかけて丁寧に治療することが重要となる
例えば、虫歯を削ってかぶせ物を着けると、多くの方はそれで安心されると思います。しかし治療の精度が不足していると、土台との隙間から細菌が侵入し、そこから虫歯が発生してしまいます。再治療の際には前回より大きく歯を削る必要があり、最終的には抜歯を余儀なくされることになりかねません。だからこそ最初の段階で時間をかけて丁寧に治療を行い、再発予防につなげることが大切です。高齢化が進んだ現在では、歯を長く良好な状態に保つことが求められます。しっかり食べられなくなると、全身の健康や認知機能に悪影響が及び、QOLの低下にもつながります。体の臓器を大切にするように、歯の健康を気遣う意識を持っていただきたいですね。
- Qこちらのセラミック治療の特徴を教えてください。
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A
▲先進の機器も導入し、より精密で迅速な治療の提供をめざす
歯を削った部分に詰め物・かぶせ物をぴったりと接合させるために、重視しているのは治療の精度です。セラミックやジルコニアの詰め物・かぶせ物は、自由診療用のみを作製している歯科技工士が担当しています。自然な仕上がりをめざし、形や色、歯の表面の質感なども含めて周囲の歯と合うよう作ってもらっています。一方小さな虫歯の場合は、スピーディーに詰め物などを作れるCAD/CAMシステムも活用。歯を削ってから詰め物を着けるまでの時間が長くなると唾液に含まれる細菌により再感染する恐れがあります。より迅速に詰め物を作製して装着できるシステムの特性を生かし、即日処置で対応します。そうすることで歯の神経を守れるのです。
- Qマウスピース型装置を用いた矯正にも対応しているそうですね。
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A
▲患者一人ひとりの口腔内の状態に沿った治療の提案を行う
正常な噛み合わせに導くために、矯正が必要となるケースがあるからです。噛み合わせに問題があると、特定の歯に負担がかかって歯の寿命が短くなり、顎関節症の要因になることもあります。問題がある患者さんには、詰め物・かぶせ物などの調整を行いますが、歯の位置そのものを改善するために矯正を提案します。歯並び全体の矯正の場合は、基本的にマウスピース型装置を用いた矯正を行っています。目立ちにくく痛みが少ないというメリットに加えて、装置が取り外し可能で、これまでどおりに食事を楽しめ、普段どおりに歯磨きができるのが利点です。ただし、部分的な矯正や歯の状態によっては、ワイヤー矯正を提案する場合もあります。
- Qこちらのクリニックの自由診療の特徴について教えてください。
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A
▲患者にとって最適な治療を行うため、じっくりと時間をかける
問題の原因を追求し長期的な視点で診療プランを作製します。時間をかけて詳しい検査を行うのは患者さんごとにお口の状態、生活習慣、全身の状態などを把握し、その方に最適なプランを作製するためです。治療の際は、自由診療として精度を担保するため1人の患者さんに最低1時間、場合によっては2〜3時間の枠を設定。さらに治療経過の写真を撮影し、口腔内スキャナーで確認しづらい歯の裏側の様子なども見ていただきます。ご自身の歯の状態を常にを視覚的に理解できれば不安解消に加え、歯を大事にしようという意識につながるかもしれません。歯の神経を失うと歯を失うリスクが非常に高くなるため、歯の神経をできる限り残したいと考えます。
自由診療費用の目安
自由診療とは精密検査/5万円、ブラケット矯正/70万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/55万円〜121万円、セラミックインレー/4万〜8万円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。