辻田 義展 院長の独自取材記事
辻田歯科医院
(守口市/守口市駅)
最終更新日:2023/06/20

京阪本線の守口市駅から、高架に沿って南西へ5分ほど歩いたところに「辻田歯科医院」はある。2004年に先代院長から継承し、患者にとってベストな診療を考え、その提供に努めてきた。アメリカのパンキー研究所で学び、毎年2月にはシカゴでの勉強会に参加しているという勉強熱心な辻田義展(よしのぶ)院長は、口腔内を総合的に捉えトータルで診ていくことを心がける。生涯を通じて患者の歯の健康を支え、ひいてはQOLを守るために、真摯に歯科医療に向き合う辻田院長。その思いを存分に語ってもらった。
(取材日2019年10月23日/情報更新日2023年6月15日)
患者にとってベストな診療を考える
現在の診療スタイルに出合うまでの経緯を教えていただけますか?

大阪歯科大学を卒業後、奈良県立医科大学附属病院の口腔外科で全身管理や外科的な治療を学ばせていただいた後、インプラント治療専門クリニックや審美的な治療や矯正を行うクリニックで経験を積んできました。ですが専門的な技術を身につけて治療を進めていく中で、根本的に歯科治療とはどうあるべきなのだろうという疑問を持つようになっていったのです。例えばインプラントに至る前、歯を失う前にできることはなかったのかと。そんな時に参加した川村泰雄先生の講習会で、アメリカの歯科医師パンキー先生の哲学に基づいた歯科治療と出会ったのです。ずっと求めていた本当の歯科医療に出会え、私の疑問の答えをそこに見出すことができました。
その出会いにより、どう変化していかれたのですか?
悪くなった時だけの、いわゆる削って詰める治療に追われるのではなく、その根本原因を追究し包括的な治療として長期を見据えた総合的なプランを立て、口の健康をサポートしていく診療をめざすようになります。パンキー先生の理論は、治療そのものというより治療方針のもとになる考え方であるともいえます。まずその哲学を学び、具体的な治療計画のための噛み合わせの分析についても学んでいきました。「患者さんのためになる治療」としてのファーストステップは、その方の口全体を把握するために総合的な歯科検査を受けていただき、自身の口腔内の状態を知っていただくことにあります。この検査で実際にお悩みがある箇所以外に潜んでいる疾患や問題点が見えてきます。特に重要になってくる咬合検査では、歯型の模型を器械に装着して、どういう当たり方をするのか検証していきます。噛み合わせが悪い方は、やはり適切な状態に戻す必要があります。
歯の健康におけるキーポイントになるのですね。

口の中の全体的なバランスを取るという意味でも重要度が高く、将来を視野に入れた総合的な計画立案の要にもなってきます。歯並びの見た目が悪くなくても、噛み合わせが悪ければ歯を支える骨への負担となったり、歯同士が強く当たる箇所では歯が欠けてしまうことも。そこから虫歯になったり、骨が弱い方は歯周病リスクにつながりますし、どちらも強い方は顎の関節が悪くなるケースも見受けられます。噛み合わせの不具合は、さまざまな口のトラブルを引き起こす大きな要因の1つなのですが、一見してわかるものではないため、未然に防ぐためにも検査が必須なのです。一貫した検査による原因追究がなされてこそ、根本原因の解消が望めて、一旦治療した歯が再度虫歯や歯周病に罹患するリスクの低減につながってくるのです。
歯周病改善は患者の努力の賜物
開院されたきっかけは何だったのでしょう?

私が独立を考え始めた頃、先代院長がリタイアを考えておられて、治療方針が似ていたことから私の考えを認めてくださり、当院継承のお話をいただきました。そして、これまでの患者さんを引き継ぐと同時に、2004年1月に新たにスタートしました。患者さんはご紹介でおみえになる方がほとんどですが、最近ではインターネットで探して来られる方も増えてきました。当院のように咬合を含めた口腔内全体を見据えた総合的な診療を行っていくには、日本の保険システムの範囲内では難しく、自費診療がメインになってきます。
自費診療について教えていただけますか?
自費診療は、例えばセラミックを用いた治療でも、大事なのは材料ではなく診療体制であり、やり方だと考えています。まず総合的な検査による全体把握があり、その方に適したトータルプラン内に組み込まれた治療方法の一つとしてのセラミックを用いた治療であるため、診療体制そのものがまったく違うスタンスなのです。CAD/CAMシステムを導入しているのも、1日でセラミックのかぶせ物を仕上げ、その日のうちに装着することによって、細菌感染リスクを最小限に抑えるようにするためです。歯科治療は細菌との戦いですので、歯を削ってから日を置くことなく、口腔環境を悪化させない状態で治療することのメリットは計り知れません。
予防についてはどのような指導をされますか?

細菌の塊であるプラークが歯に定着するには24時間かかるといわれますから、1日1回口の中の菌を徹底して取り除くためにプラークコントロールを習慣にしていただきます。歯ブラシとフロスで隅々まで菌を取ることを目的に行っていただいています。よく混同されがちですが、歯磨きは、ほとんどの方がされていると思うのですが、食べかすだけでなく細菌を取り除くためのプラークコントロールこそが重要だと当院では考えています。こうしたプラークコントロールにより、歯周病の改善をめざしていきます。一般に歯周病が治らないといわれるのは、プラークコントロールが完璧にできていないからだと思います。良くなるためには、患者さん自らの意思で日々取り組んでいかないといけない。ですから患者さんが頑張ってくださっている様子を見るとうれしくなりますね。
諦めなくていい、希望の持てる歯科診療を提供したい
診療において工夫されていることはありますか?

問診票に痛みが苦手と記載されている方が大半ですので、なるべく痛みの少ない治療を心がけ、診察時間はお1人1時間ほどと、ゆったりお取りしています。また、食べ物や生活習慣と歯の健康はリンクしていますので、ライフスタイルを見直していただくアドバイスをさせていただくこともあります。例えば、お仕事がドライバーで深夜の眠気解消のためにガムを噛んでいる、また、学生さんでスポーツをしていてスポーツドリンクをよく飲むという場合、どちらにも糖分が多く含まれていることが多いので虫歯の原因になりやすく、摂取には注意が必要です。体に良いとされるお酢も、歯が溶ける原因の一つに挙げられますので、体と歯の双方にとってどんな影響があるのか、理解した上での取り入れ方が大事ですね。
休日はどのように過ごされますか?
私は15年ほど前から水上スキー競技のスラローム種目に出場していますので、オフシーズン以外の休日は練習に励んでいます。家族を連れて、琵琶湖に出かけることもあります。私は何でも真剣に打ち込みますから、伸び悩む時期が続くとつらいですが、今シーズンは最高スコアを出せて歓喜しました。パフォーマンスアップのために始めたヨガのおかげかもしれません(笑)。ウィンタースポーツでは、私だけでなく、妻や息子もフリースタイルではなくアルペンスノーボード派です。あと最近では、ロードバイクも再開し、息子と一緒に琵琶湖1周や、愛媛のイベントに参加したりしています。
今後の展望について聞かせてください。

日本人は歯が悪い人が多いと指摘される、その責任の半分は歯科サイドにあるのではないかなと感じています。ヨーロッパやアメリカにおける歯科の位置づけは、悪くなった歯の治療に行くところではなく、歯の病気やトラブルを予防するために通うところというのが一般的です。その認識の違いがそのまま日本人の歯を失う割合に表れていると感じますので、予防歯科の浸透に努めていきたいですね。歯は削らないことが一番ですから、できるだけ治療をしなくて良い状態で、一生を過ごしてもらえるように。そのためには上手なセルフケアと、異常を感じたときの早めの受診、定期的なメンテナンスという歯科との二人三脚が欠かせません。虫歯も歯周病も予防できるものですから、諦めなくていい、希望の持てる歯科診療を提供することでお力になりたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミッククラウン/9万円~、インプラント治療(1歯)/30万円~、一般歯列矯正/15万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/30万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。