全国のドクター9,287人の想いを取材
クリニック・病院 158,646件の情報を掲載(2024年4月19日現在)

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 横浜市青葉区
  4. たまプラーザ駅
  5. 伊豆美レディスクリニック
  6. 坂本 伊豆美 院長

坂本 伊豆美 院長の独自取材記事

伊豆美レディスクリニック

(横浜市青葉区/たまプラーザ駅)

最終更新日:2021/10/12

坂本伊豆美院長 伊豆美レディスクリニック main

大学病院などで分娩やがん診療に携わってきた経験を生かし、女性の一生に寄り添うことをめざして「伊豆美レディスクリニック」を開業した坂本伊豆美院長。特に婦人科腫瘍学を専門的に学んできたことから「がんを少しでも減らしたい」という思いで定期検診によるがんの早期発見・治療や、予防の啓発に力を入れる。「乳がんも子宮がんも早期に発見できれば、命だけでなく、生活の質を守ることにつながります」。精密な診断に丁寧なアドバイス、一人ひとりの人生に優しく寄り添う診療姿勢が坂本院長の特徴。「来て良かったと思ってもらえるクリニックでありたい」という坂本院長に、診療の特徴や婦人科医師としての思いを聞いた。

(取材日2020年7月21日)

婦人科に乳腺内科も備え、女性特有の病気や悩みに対応

まず、こちらのクリニックの特徴を教えてください。

坂本伊豆美院長 伊豆美レディスクリニック1

当院は、婦人科と乳腺内科を中心に、女性の健康全般をサポートしているクリニックです。4、5歳から90歳代まで幅広い世代の方が来院され、月経のトラブルや、子宮内膜症、子宮筋腫など婦人科の病気、更年期障害などに対応しています。特に乳がんや子宮がんの検診に力を入れており、マンモグラフィや子宮がんの精密検査ができるコルポスコープも整備しています。また、私の他に、子育て中の女性ドクターが非常勤として診療を行っております。

最近、リニューアルされたそうですね。

そうです。マンモグラフィやコンピューターシステムも更新し、内装を一新しました。診察室の壁紙は不思議な印象でしょう(笑)。花柄のように見えますがよく見るとタコやヒトデが隠れていて、お子さんは、タコを数えるなどして楽しんでくれます。また内診室は、患者さんの視線が向く上方に、優しげな壁紙を配しました。マンモグラフィの部屋も皆さんとても緊張されるので、心が和むように優しい雰囲気にしました。婦人科はどうしても受診しにくいという方が多いので、できるだけ来やすく、リラックスしていただけるようにと心がけています。

先生の診療方針について聞かせてください。

坂本伊豆美院長 伊豆美レディスクリニック2

スタッフにも言っているのですが、不安を感じて受診された方が、結果が良くても悪くても「来て良かった」と、少しほっとして帰っていただけるようにしたいと考えています。たとえがんが見つかったとしても、治療に取り組もうと前向きな気持ちになれるようにと思うのです。プライベートな話もお聞きすることが多いので、できるだけ話しやすいような雰囲気づくりも心がけています。ここで開業を決めたのは、たまプラーザという街が気に入っていたから。このエリアは知識のある方、健康意識の高い方が多いので、きちんとご説明して、納得していただいてから治療を進めることも心がけています。

早期発見と予防で、女性の人生と生活の質を守る

子宮がんの早期発見や啓発に注力されていると聞きました。

坂本伊豆美院長 伊豆美レディスクリニック3

特に子宮頸がんについて正しい知識を広めたいと考えています。昔と比べてセクシャルライフが変化したこともあり、若くして子宮頸がんになる人が増え、20代30代女性の死因でも上位になっています。一方、子宮頸がんは前がん病変の段階からがんに進むまでの過程がよく解明されていて、初期の段階で見つかれば子宮の温存も望め、妊娠・出産も可能です。検診ではヒトパピローマウイルスの有無を調べることで子宮頸がんになりやすいかどうかといったことも推測できますから、若い世代にもぜひワクチンでの予防や子宮がん検診を受けてほしいと思っています。

乳腺内科があるのも、こちらの特徴ですね。

勤務医時代、女性の立場からすると乳がん検診も婦人科領域と考える方が多く、マンモグラフィ読影と乳腺疾患に関して専門的に学んだのです。最近、乳がん検診者は増えつつありますが、それでもまだ欧米に比べると圧倒的に検診率が低いのが現状です。乳がんは9人に1人がかかるといわれているので、より早期にがんを発見して命だけでなく生活の質を守るために、自治体の2年に1度のがん検診だけでなく、毎年検診を受けてほしいのです。1センチ以下の大きさのがんなら、乳房の温存も望めます。そして20代30代は超音波検査、40代は超音波検査とマンモグラフィの併用検診、閉経後はマンモグラフィが適しているので、年齢に合った検査法を選んでいただきたいですね。

月経困難症の対応について教えてください。

坂本伊豆美院長 伊豆美レディスクリニック4

月経困難症の保険適応の薬として、LEP製剤があります。また、ピルについても、避妊目的以外に月経痛軽減の作用が期待され、月経困難症や子宮内膜症の治療目的で使用される場合があります。ピルは血栓症のリスクが上がるため、40代以上の方にはお勧めできませんが、同じような目的で子宮内システム(IUS)もありますから、ご相談いただきたいですね。今は月経痛を我慢する時代ではありません。自分の予定に合わせて月経のコントロールを図ることもできますので、うまく薬を活用していただきたいと思っています。

漢方処方も取り入れていると聞きました。

女性の場合、冷え性や更年期障害など、何らかの症状があって体調が良くないのに病気とは診断されないことが少なくありません。そんな女性特有の悩み、不定愁訴には漢方が役立つとされていますので、西洋医学と漢方の良いところを組み合わせて使っています。西洋医学の薬は副作用が強く出るのが心配というような方にもお勧めすることが多いですね。漢方は、症状が同じであっても同じ薬が適しているとは限らないので、一人ひとりの体質や症状に合わせて選ぶのが特徴です。

変化に富む女性の一生を、身近で支える存在として

ところで、そもそもどうして婦人科医師を志したのですか。

坂本伊豆美院長 伊豆美レディスクリニック5

医師を志したのは、中学生の頃、母が病弱で、父の海外出張中に具合が悪くなって入院したり、手術を受けたりということがあり、医療のことを知って助けたいと思ったのがきっかけでした。産婦人科を選んだのは、女性であることが最も生かせて、患者さんにとって女性ドクターが喜ばれる診療科だと考えたからですね。数々の分娩に携わり、産科もやりがいがあると思いましたが、次第に女性と一生付き合える婦人科に魅力を感じるようになり、がん診療にも携わってきました。私自身、子育ても経験していろいろな悩みも理解できますので、何でも相談していただきたいと思っています。

専門的な立場から、気になることがありますか。

高校1年生までは公費負担で子宮頸がんワクチンが接種できるのに、接種率がとても低いことを危惧しています。接種した世代と、そうでない世代で、前がん病変の発現率が異なるという報告もあるのです。最近では、子宮頸がんを起こしやすいウイルスをより多く防ぐことが期待される、9価ワクチンも承認されました。子宮頸がんはワクチンで予防していけることを知ってほしいですね。しかし、根絶には男女に接種する必要があると考えています。

これからの展望について聞かせてください。

坂本伊豆美院長 伊豆美レディスクリニック6

これからも年齢を問わず誰もが気軽に通えるクリニックをめざしていきたいですね。そしてどんな小さな悩みにも対応して、安心していただきたいと思います。思春期には避妊の方法や性感染症の話、成人してからは妊娠・出産、がんや子宮筋腫などの病気、そして更年期障害や骨粗しょう症、高齢になっても骨盤臓器脱、萎縮性膣炎などがあり、女性の一生には、何でも話せる婦人科医師が必要です。ですから私は一生涯を通じて、女性の味方であり続けたいと思っています。そしてがんの予防や早期発見の重要性を啓発していきたいと思います。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

婦人科を敬遠せずに、何か気になることがあれば気軽に受診してください。無理に内診をすることはありませんし、何でも気軽に相談してください。そして、乳がんと子宮がんの検診をぜひ受けていただきたいですね。勤務先で毎年検診があればよいのですが、主婦の方は5年10年検診を受けてない場合も多いのです。特に日本では40代で乳がんになる方が多いのが特徴です。働き盛り世代、一家の中心となっている世代ですから、ぜひ検査を受けてください。また、高齢者の子宮がんや乳がんもありますから、高齢になっても検診は受けていただきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ピル/2640円~、子宮内システム/6万6000円~、乳がん検診/マンモグラフィ 8800円~、超音波検査 5500円~、子宮がん検診/6600円~

Access