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富田陽一 院長の独自取材記事

とみた矯正歯科クリニック

(横浜市青葉区/江田駅)

最終更新日:2021/10/12

富田陽一院長 とみた矯正歯科クリニック main

江田駅からほど近い閑静な住宅街にたたずむ「とみた矯正歯科クリニック」。矯正歯科・小児歯科を標榜し、子ども一人ひとりの体や心の成長に合わせた治療を提供している。気さくで話しやすい印象の富田陽一院長は、幼少期から患者を診ることで、歯や顎の成長と変化を把握し、適切なタイミングでの最適な治療を提案している。院内には手作りのキャラクターがあふれ、子どももリラックスして通える温かな雰囲気。「ここは静かな場所ですが、お母さんたちが小さな子を車で連れてくるのにとても便利なんですよ」と、保護者の目線で語る富田院長。子どもの歯に悩む保護者にとって心強い味方だ。近年、新たに導入した特殊なマウスピース(トレイナー)を用いた筋機能矯正治療は、歯並びの問題を根本から治療するシステムで、永久歯に生え変わる時期に大きな効果を発揮すると期待されている。このMRCシステムについて、富田院長に詳しく説明していただいた。

(取材日2015年7月31日)

不正咬合の原因を根本から改善するシステムを導入

筋機能矯正装置とは、どのようなものですか?

富田陽一院長 とみた矯正歯科クリニック1

特殊な取り外し式のマウスピースを使ってお口の周りや顔の筋肉を訓練する装置です。歯並びが悪くなる原因は個人によってさまざまですが、何もしていない時に口が開いたままになっていて口呼吸をしてしまっている子は、成長の段階で多くの場合、不正咬合になります。また食べ物を飲み込むときの嚥下運動が正しくできていないと顎の成長を妨げてしまうために歯並びが悪くなることが多いです。これらの原因を改善するために、トレイナーという特殊なマウスピースを装着します。口呼吸や嚥下運動を正し、舌を本来の位置に矯正することで口腔内の悪い癖を治して、歯並びを根本から改善することを目的としています。このマウスピースは装着すると自然と口を閉じることが難しくなります。意識して口を閉じることで、お口の周りの筋肉を鍛えて口呼吸ではなく鼻呼吸に戻す訓練をします。生まれたばかりの赤ちゃんはみんな鼻で呼吸しています。何らかの原因で口呼吸するようになってしまい、使われなくなった筋肉は発育しないので口呼吸のままになってしまうのです。

歯列矯正との違いは何ですか?

歯に直接力をかけて少しずつ動かしていくのが歯列矯正ですが、トレイナーを用いたMRCシステムは歯を動かす原理がまったく違います。顔の筋肉や顎の成長を妨げている筋機能の悪い癖を除去することで、正しい発育を促し、良い歯並びに導く治療なのです。舌の位置によって顎の成長は大きく変わると言われています。間違った位置に舌があると、口が開いたままの状態になり歯並びが悪くなってしまいます。口を閉じる筋肉を使わなくなってしまうと、本来の顔の形から大きく変わってしまうこともあります。悪い癖は当然早く治したほうがいいですし、年齢が上がるほど癖が取りにくくなってしまうため、トレイナーだけでの治療は難しくなります。このMRCシステムは前歯が永久歯に生え変わる6〜8歳頃の時期が最も適しています。トレイナーを使用することで新しい歯を正しい位置に誘導することができますし、さらに筋機能の訓練をすることで正常な発育を阻害している原因を根本から改善します。もちろんお子さんの発育には個人差がありますので、診療していく中で保護者の方とも相談しながら、治療に適した時期を判断しています。

一般的なトレイナーの装着期間を教えてください。

富田陽一院長 とみた矯正歯科クリニック2

1日に1時間以上の装着が必要です。個人差はありますが、最短で6ヵ月、通常では12ヵ月以上の使用で効果が表れてきます。「たった1時間でいいんだ」と思う方もたくさんいると思いますが、これが想像以上に大変です。口呼吸をしているお子さんは、通常口の周りの筋肉を使っていません。しかしトレイナーを装着することで、その筋肉を使わなくてはならなくなります。また舌が強制的に正しい位置に矯正され動かせなくなり、鼻で呼吸しなくてはいけなくなるので慣れるまでは非常に苦しいです。10分もすると顔の筋肉が痙攣してしまう子もいます。普段何も運動していないのに、突然腹筋を何十回もするのと同じだと思っていただけるとわかりやすいと思います。舌や口の周りが筋肉痛になるので、子どもはすぐに辞めたくなってしまうことが多いですね。取り外し式のマウスピースで機能改善ができるという利点もありますが、お子さんの頑張りと保護者の方のサポートが必要不可欠です。

個人に合わせた最適な治療のタイミングを見極める

矯正歯科と小児歯科を標榜されていますね。

富田陽一院長 とみた矯正歯科クリニック3

矯正歯科と聞くと、いまだに敷居の高いものだと考えている人がいるかもしれません。当院では、お子さんが小さいうちから歯科医院に通って、治療に対する恐怖感をなくし、気軽に健康的な歯や歯並びを手に入れてもらえるように、矯正歯科と小児歯科を標榜しています。当院は「歯並び」や「噛み合わせ」の専門クリニックです。患者さんも小さな子からご高齢の方まで、幅広く通っておられます。患者さんのご相談を受けていると、歯の矯正に関する誤解がまだまだ多いように感じます。矯正治療の適切な時期を判断できるのは、やはり矯正専門の歯科医師です。その歯科医師が間違いのない適切なタイミングを示すためにも、やはり小さいうちからお子さんの歯を診ていくことが大事だと考えています。そんな思いもあり、当院は矯正歯科、そして小児歯科という診療科目にしています。

適切な矯正治療のタイミングについて教えてください。

子どもの歯にとって一番大切な時期は、赤ちゃんのときからすでに始まっており、成長に差はありますが、だいたいは3歳頃に乳歯がそろいます。そして6歳になると生え変わりの年齢になり、6歳臼歯はもう立派な大人の歯です。この生まれてから6歳頃までの期間が、その後の歯の成長や健康にとても大きく影響します。このような説明をすると、「早いうちから矯正治療を」と考える人もいると思いますが、矯正治療のタイミングは本当に子どもの数だけ違いがあると考えてください。その子の歯の成長のスピードや状態を見て、私の経験値、さらに数々のデータを組み合わせて、その子の将来の歯並びや噛み合わせを予測します。その予測データに基づいて、然るべきタイミングをお伝えしています。学問的なデータ、そして矯正歯科認定医としての経験があってこその判断だと考えています。

大人の患者さんも来院されますか?

富田陽一院長 とみた矯正歯科クリニック4

もちろんいらっしゃいます。その多くは、お子さんの付き添いで来院されたお母さんやお父さんです。お子さんの矯正治療がきっかけになって、「実は私も歯並びについて悩んでいたんです」とおっしゃる方が少なくありません。当院には30〜40代の患者さんも大勢いらっしゃいます。この世代の患者さんは、お子さんと違って会社勤めやお付き合いなども多いので、やはり矯正器具は目立たせたくないのが本音です。当院では、歯と同色で目立たない審美ブラケットや、歯の裏側に付けるリンガルブラケット、また透明のマウスピースを使った矯正方法も用いています。矯正治療は時間がかかると思い込んでいる人も多いですが、状態によっては部分矯正で済む場合もあり、4ヶ月ほどで治療が終了することもあるんですよ。

歯並びを良くすることが将来の健康にもつながる

診療理念についてお聞かせください。

富田陽一院長 とみた矯正歯科クリニック5

多くの人が生涯を自分の歯でしっかり噛んで食べたい、できるだけ入れ歯を使いたくないと思っているでしょう。私はご高齢の方の歯もたくさん診てきましたが、やはり歯並びのいい人は歯が長持ちしています。基本的な噛み合わせがしっかりしている人は、口腔内の健康はもちろん、体も丈夫で元気にしている人が多いように思います。お口の中を一軒の家だと思ってください。家のどこかが破損してしまえば、リフォームでよくすることは可能です。しかし家全体が壊れてしまったらどうすることもできません。そうならないためにも、今のうちから歯並びや噛み合わせを改善し、予防歯科に努めることで、できるだけ長く維持することができます。小さい頃から将来を見据えて歯並びを良くしていくことで、健康面においても良い影響を与えると考えています。矯正治療は、永久歯が揃う中学生くらいまで待って、歯を直接動かして歯並びを治す方法が一般的でした。しかし、矯正後に元に戻ってしまうケースもあり、歯並びが悪くなってしまった原因を根本から取り除き改善することが必要だと感じていました。そのためにMRCシステムを導入したんです。

根本的な改善をすると悪い歯並びにはもどらないということでしょうか?

トレイナーを使用するMRCシステムは歯に直接力をかけて動かす治療ではないため、悪い歯並びに戻ってしまうということは希です。抜歯治療も減らせますし、何より口呼吸などの機能的な問題を改善し、正常な発育を促すことができます。歯並びが悪い子は何かしらの問題を抱えており、原因があるからこそ悪くなってしまっているのです。会話をしていない時に少しでも口が開いているお子さんは口呼吸をしている可能性が高いです。その場合、喉や鼻に健康的な問題を抱えているケースが多く、正しい呼吸ができるようになると負担も減ります。歯並びはすべて遺伝によるものではありません。顎の骨格などはご両親から受け継いだものですが、保護者の方の歯並びがそのままお子さんに引き継がれるわけでは決してないのです。

お子さんの歯並びに悩んでいる保護者や読者にメッセージをお願いします。

富田陽一院長 とみた矯正歯科クリニック6

このMRCシステムができる前から、歯並びを根本から改善するための訓練指導を行ってきました。しかし小さな子どもに口で説明するだけでは、舌を正しい位置に戻すのは非常に困難なことでした。このトレイナーを用いたシステムができたことで、装着するだけで舌が本来あるべき位置に矯正されるため、訓練を受けるために定期的に来院してもらう必要もなくなりました。もちろん自宅で毎日訓練することは必要ですし、さまざまな原因を抱えている子ほど苦しい治療になります。子どもですから、すぐに投げ出したくなってしまう子もいるでしょう。そんなときこそ、お母さんやお父さんのサポートが重要になります。歯を直接動かすのではなく、悪い歯並びの原因となってしまっている口腔内の癖を治すことで、良い歯並びへと導くことができるのです。乳歯の段階でも歯並びやお口の中のことで不安に感じることがあれば、矯正歯科医を受診してください。お子さんの歯を守り、より良い状態にしてあげることが将来の健康にもつながりますよ。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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