寺嶋 宏曜 院長の独自取材記事
寺嶋歯科医院
(箕面市/牧落駅)
最終更新日:2025/04/30

阪急箕面線牧落駅の目の前という恵まれた場所に立地する「寺嶋歯科医院」。2011年に父から継承した寺嶋宏曜(てらしま・ひろあき)院長は、「小さな大学病院」をコンセプトに、専門性の高いプロ集団になることをめざして、同院を成功へと導いてきた。一般歯科から、インプラント治療や歯周病、小児歯科診療など、幅広い診療を展開している。また、地域医療でなかなか手が届きにくい小児の訪問歯科診療や医療的ケア児の歯科診療も行っている。単なる開業医という枠を超え、高度な医療技術、地域社会への貢献、スタッフの成長、そして何よりも患者の幸せを追求する寺嶋院長。同院の診療理念や特徴、マネジメントへのこだわり、患者やスタッフへの想いなどを聞いた。
(取材日2025年3月6日)
「小さな大学病院」がコンセプトのプロ集団をめざして
理想の歯科診療への想いを順調に実現されてきたそうですね。

地域に対し高度な技術の提供をめざす「小さな大学病院」というコンセプトを10年以上前から掲げ、歯科医院づくりをしてまいりました。ありがたいことに、私の考え方に賛同してくれた職員が増え、現在は60人を超える組織となりました。以前の建物が手狭になってしまったので、2021年に移転し拡大し、現在はすべて個室12台の診療台と手術室や院内技工室を設置しています。院内セミナーだけでなく、外部への指導も頻繁に行っているため40人収容できるセミナールームも備えています。
診療内容の特徴について教えてください。
虫歯などの一般診療も行いつつ、専門性の高い歯科診療をメインとしています。具体的には、高度なインプラント治療や歯周組織再生療法、審美的なニーズに応える治療、顕微鏡を用いた精密治療、デジタルを駆使した治療などです。「小さな大学病院」ですので、当院においてほぼすべての歯科治療がシームレスに完結できるようにしております。保険診療は当然ですが、保険診療ではカバーされていない保険外診療に対しても、患者さんからたくさんのご要望を頂いています。もう一つの大きな特徴は訪問歯科診療です。高齢者だけでなく小児にも対応しており、障害がある子どもたちや医療的ケア児など、フォローの手が届きにくい方々への訪問歯科診療も行っています。マンパワーを生かした大型歯科医院だからこそ可能な診療を展開しています。
それは素晴らしい取り組みですね。

小児在宅歯科医療は、日本ではまだ担い手が少なく、世のニーズに応えることができていない状態なんです。患児一人ひとりに提供すべき内容が多様であり、人も時間もお金もかかるため、担う医療機関が圧倒的に少ない現実があります。さらには、外来と異なり、患者さんのご自宅という制限のある診療環境で、患者さんに疾患があり全身管理が必要なため、知識と技術そして情熱を兼ね備える医療従事者が求められます。われわれは組織を挙げて、勉強会、研究会などで発信することで、この分野の後進育成に注力しています。
大学病院と診療所の良さを併せ持った技術を提供したい
「小さな大学病院」について、具体的に教えていただけますか?

大学病院のような先進的な医療設備を整え、質の高い歯科診療を地域の皆さんに提供するのが、当院のコンセプトです。例えば、よく町で見かける一般的なクリニックは「一次医療機関」で、次の段階の専門的な診療を行う大学病院などを「二次医療機関」といいます。当院がめざしているのは、二次医療の特徴を兼ね備えた地域の歯科医院で、幅広い診療を行う医療機関、いわゆる「1.5次医療機関」です。また、当院は大学病院のように、歯科口腔外科や矯正歯科、小児歯科など各領域の専門性の高い歯科医師を集めたプロ集団で、1人の患者さんをバックアップする方式が特徴です。大学病院のように診療科のくくりによる縦割りだと、場合よっては横の連携が大変なのですが、当院のように小さな歯科医院であれば専門性で縦割りしても小回りが利き、横の連携も取りやすいんです。双方の“いいとこ取り”ができていると思っています。
大学病院の方式が、良い診療につながるのはなぜでしょうか?
「良い診療」で一番大切なのは、やっぱり「良い技術」ではないでしょうか。いくら組織を挙げて笑顔で接遇を頑張っていても、そこに歯科技術が伴わなかったら、歯の痛みはなくならないですよね。接遇も大事だし、笑顔も大事なのはもちろんなのですが、一番大事なのは技術だと思います。当院では、高度な技術力を実現するために、オールラウンダーな総合的に診療をする歯科医師の指揮のもと、診療科ごとの技術に特化した専門的な歯科医師がそれぞれの得意分野でアプローチする方式を取っています。例えば、総合的な診療を担当する歯科医師にとっては口腔外科の手術は難しいですし、障害のあるお子さまの歯科診療は障害者歯科専門の歯科医師が担当したほうがより踏み込んだ治療ができると思っています。このように開業医のフレキシブルさと大学病院の専門性のいいとこ取りをして、チームとして質の高い集合体となっているのが当院の最大の特徴です。
理想の組織づくりのポイントを教えてください。

歯科医師、歯科衛生士、受付など、スタッフそれぞれの立場として、いわば一流をめざす職人たちの集まりです。そういう人たちが、互いの立場や価値観を尊重し、協力し合うことが大切です。組織の中で自然と協力体制が取れるように、組織行動学の「心理的安全性」に基づいて、働く環境を整えています。組織の中でも臆することなく安心していられる、人間関係や仕事がつらいと感じない、トライアンドエラーが許されるなど、ワクワクするまではいかなくても、心理的な安心を得て日々充実していると感じてもらえるような環境が理想ですね。職員の働く環境が良いからこそ、患者さんに良い医療が提供できると私はそう信じています。
これからの歯科医院の在り方
これからの歯科医院の進むべき道と歯科医師へのメッセージをお願いします。

これからは歯科医師だけでなく、労働人口そのものが不足する時代に突入します。従って、歯科医師が事務、人事などのバックオフィスを行うのではなく、診療と経営を分離し、診療に専念することで、歯科医師不足、人手不足に対応していくべきではないかと考えます。診療以外の仕事が多いと、診療に集中できず、診療のクオリティーは必然的に下がってしまいます。当院はそれらの問題を解決すべく、他の大型歯科医院とグループ化を図ることで、診療と経営を分離しています。これにより、歯科医師や歯科衛生士などの専門職は臨床に専念できるようになり、より良質な医療を提供できるようになりました。私自身も、生涯のライフワークとしている、歯科医師・歯科衛生士の育成にさらに力を注ぐことができるようになりました。このようにこれからの歯科医院には、人口動態、価値観の変化に柔軟に追従した歯科医院運営が求められると言えるでしょう。
その他、特徴的な取り組みはありますか?
子育て世代のお母さんたちにも気軽に通院してほしいという思いから、患者さん向けに、保育士による無料託児サービスを提供しています。それとは別に、保育園も運営しています。この保育園は職員のお子さんを預かることを目的に始めたものなんです。スタッフ。患者さん関係なく、どの世代のどんな人にとっても優しい歯科医院でありたいと思っています。
最後に、患者さんへのメッセージをお願いします。

地元のかかりつけ医での診察を受けているものの、治っている実感がなかったり、不安を感じる、かといって大学病院を受診したいわけではないとお悩みの患者さんもいらっしゃると思います。そういう患者さんたちのために、われわれは自院を1.5次歯科診療所と位置づけております。診察をした結果、特に問題のない場合は、もとのかかりつけに戻っていただけるようにも配慮しております。そして難しい症例に関しては、当院の専門チームが、皆さまの地域のかかりつけ医と連携を取りながら対応していきます。遠方の方でもこのように対応しておりますので、お悩みの方はまずはご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/32万円~、歯列矯正/80万円~、歯周病治療/8万円~、根管治療/5万円~、歯の神経の治療/5万円~、歯周組織再生療法/9万円~、セラミックを用いた補綴治療/5万円~