全国のドクター8,990人の想いを取材
クリニック・病院 160,881件の情報を掲載(2021年8月04日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 門真市
  4. 大和田駅
  5. 磯和歯科医院
  6. 磯和 均 院長

磯和 均 院長の独自取材記事

磯和歯科医院

(門真市/大和田駅)

最終更新日:2019/08/28

20180525 bana

京阪本線大和田駅から徒歩2分。門真市内で半世紀以上続く「磯和歯科医院」は、地域のかかりつけ歯科医院として地域に根付く歯科医院だ。「私が生まれた時には、すでにここがありました」と気さくに話すのは、もう25年以上も院長を務めてきた2代目の磯和均先生。現在は複数の歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士とタッグを組み、一般歯科から入れ歯や矯正まで、幅広い診療で近隣住人の口の健康を支え続けている。また、外来診療の合間には患者の家や施設に訪問診療へと出向き、さらには門真市歯科医師会の副会長の仕事、研修医の受け入れなど、医療にかける情熱は並大抵ではない。そんな磯和院長に、診療コンセプトや地域への思いなどを聞いた。
(取材日2018年5月7日)

まずは地域の健康をしっかり守ること

こちらの医院はずいぶん古くからあるそうですね。

1

父がここに歯科医院を開いたのが1963年ですから、もう55年も前のことですね。1987年に父が亡くなった時、私はまだ大阪大学の学生だったので5年ほど勤務医の先生にお任せし、私が院長を継いだのは1992年です。ずっとこの地でやっていますから、当然、地域のかかりつけ歯科というのが当院の基本スタンスで、患者さんは近隣にお住まいの方が中心です。昔は子どもの患者さんでいっぱいだったのが年々減ってきて、逆にお年寄りがどんどん増えているというのが現状です。

どのようなコンセプトで診療されていますか?

まず地域というものを常に意識していますから、近隣の方々に対し、いかに適切な医療を提供するかを考え、基本的な治療やケアをきちんと行うことを重視しています。遠方からみえる患者さんもおられますが、パッと治して、きれいになったからおしまいというのではなく、一生にわたって歯を残すこと、噛めるようにすることを目標としています。当院では月に1、2回のペースで矯正専門の先生に来てもらっていますが、同様に専門性の高い治療に関しては他院を紹介させてもらい、私たちはここでできる範囲のことを行うようにしています。地域においては信用第一、安全第一ですから、患者さんにあそこで診てもらっていれば安心だといわれるような歯科医院でありたいと思っています。

診療時に特に気をつけていることを教えてください。

高齢者など内科的な疾患を持つ患者さんが多いので、やはり全身状態との兼ね合いですね。例えばインプラント治療は健康状態によってはできないこともありますし、骨粗しょう症の注射を続けている方の歯を不用意に抜いてしまうと顎の骨が治らなくなる可能性があります。また、がん患者さんの場合は抗がん剤や放射線治療などの影響もあります。まずは患者さんの体の具合や治療内容などをしっかり確認することを心がけています。昔から通っていただいている方が多いですから、以前より少し痩せたとか、歩きにくそうとか、ちょっとした変化を見逃さずに気づいてあげることも大切です。そういう部分も「かかりつけ」の大切な役割だと思います。

こちらは歯科技工室を併設していますね。

2

はい。歯科技工士が院内にいるので、前歯を治す際に患者さんの要望を直接伝えることができたり、技工物の細かい設計変更や入れ歯の修理にも素早く対応できます。3名の技工士が常勤し、そのうち2名は私が院長になった当時からずっと勤めています。技工物には、担当した人の癖が出るんですね。外注に出すとそのたびに担当者が変わることもあり、以前にかぶせた部分とは微妙に見栄えが違ってしまうようなことが起きるわけです。当院では一人の患者さんは同じ技工士が担当し、その方の口の中の具合や特徴は全部把握していますから、「メイドイン磯和歯科技工室」に安心してお任せいただければと思います。

たとえ効率が悪くても、誰かがやらねばならない

院長は在宅診療もされているそうですね。

3

はい。もう20年以上続けています。週1回、特別養護老人ホームの訪問診療を行っていますが、当院の患者さんで通えなくなった方に対する在宅診療もしています。診療室も車いすのまま入れる造りにしているのですが、介助する人がいないと一人ではなかなか通えませんから、やはりご自宅まで出向くことになります。また、寝たきりの方やご家族から歯科医師会を通じて在宅診療の依頼が来ることもあります。いずれにしても外来の合間にできる範囲に限られますし、積極的に宣伝しているわけではありません。診療室で患者さんを診ているほうがずっと効率がいいのですが、ニーズがある限り誰かが取り組まないといけませんからね。

在宅では、クリニックの診療とはまた違った難しさもあるのでは?

終末期で、もう1ヵ月しか余命がないという方でも歯は痛くなります。最期の時まで自分の口で食べられるようにすることが大切だと思っています。限られた時間、限られた機材や材料で、限界を見極めて目標をどこに設定するか、それが在宅での歯科診療の難しいところです。現在は地域で在宅の高齢者を支えようという流れになってきていますから、以前に比べれば、医科など他職種との連携がずいぶん進んでいます。私は20年前に介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格を取得しています。ある程度、介護保険についても勉強をしておけば、地域連携がやりやすいだろうと考えたからです。そのおかげもあって、歯科以外の訪問診療や介護サービスを受けている方の場合、その先生に今の体の状態を聞いたり、担当のケアマネジャーさんの話を参考にしたりしながら診療することができます。

後進の育成について取り組んでいることはありますか?

4

私は大阪大学歯学部同窓会の副会長をしておりまして、同窓生はもとより、現役の学生と接することも多くあります。社会的に歯科医療の重要性を認知してもらうためには、後に続く歯科医師一人ひとりの力の向上や研鑽が不可欠だと思っています。当院は歯科医師臨床研修施設として、臨床研修医を受け入れています。臨床経験が少ない研修医を数ヵ月間ほどの短期間で指導するのは苦労もしますが、一人でも多く優秀な歯科医師が育ってほしいという思いから、私も一生懸命に教えます。少ない時間ですべてを教えることはできませんので、患者さんとのコミュニケーションの取り方や、歯の削り方や神経の処置などベーシックな技術を中心に覚えてもらうようにしています。私もそうでしたが、歯科医師というのは最初に指導を受けた先生の影響を大きく受けますから、その意味での責任は重大ですね。

地に足の着いた診療が人のためになる

院長の趣味など、プライベートな部分も教えてください。

5

今の趣味はトランペットと釣りですね。トランペットは高校生の頃に有名なジャズマンに憧れて始めたのですが、ここ10年ぐらいは地元の吹奏楽団で吹かせてもらっています。釣りはアマゴやアユなど川釣りです。川釣りは繊細で、細かい仕事なので歯科医師向きかもしれません。ちなみに学生時代は、大学までずっと剣道をやっていました。部活は厳しかったので、辛抱することや縦社会のルールなどは身につきました。大学の剣道部の後輩である妻と今も近所の道場で稽古をしています。子どもは2人の娘がいますが、上の娘は歯科大学に入りました。歯科医師はしんどい職業だと思いますが、めざしてくれたことはありがたいと思っています。

今後めざす方向性についてお聞かせください。

若いうちは何かすごいことをやりたいという野心もありました。今は自分の身の丈に合ったといいますか、まっとうな生活でまっとうに年を重ね、ちゃんとした人生を送ること。家族とともに堅実・誠実な生活を続けることが何より大切に感じます。歯科の仕事に関しても、この地域にいる限りは地に足の着いた診療をすることが自分のためでもあるし、人の役に立つことになるのではないかと思います。そのためには、たとえ独走できなくても、医療水準のほんの一歩だけ先を行くことを心がけ、決して遅れをとらないことです。サボっているとあっという間に遅れてしまいますからね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

6

最近は歯科に関する情報が世の中にあふれています。けれども専門家の意見を聞き、歯科医師や歯科衛生士と力を合わせて地道な治療やケアを続けていくことが、歯をきちんと維持するための一番の近道だと思います。そのためには、適切な助言と適切な技術を提供してもらえる「かかりつけ」の歯科を見つけることですね。私も今までたくさんの方々にお世話になったので、これからは私が歯科医療を通じて人の役に立てるよう、これからも研鑽を積んでいきたいと思います。

Access