正しいブラッシングと専門家のクリーニングで
歯周病の予防を図る
おちあい歯科
(藤井寺市/藤井寺駅)
最終更新日:2024/11/08


- 保険診療
現代は、35歳で80%以上の人が歯周病にかかるといわれる。歯周病は歯を失う最大の原因ともいわれており、将来できるだけ多くの歯を残すためには看過できない疾患である。「歯が残っていれば噛む力を維持することも望めます。よく噛むことで脳への血流量が増加し、認知症の予防につながるんです。また、唾液の分泌量が増え、誤嚥性肺炎の予防にもなります」と言うのは「おちあい歯科」の落合伸行先生だ。歯周病の予防のためには歯石の除去が重要だが、同院にはベテランの歯科衛生士が3人在籍しており、深い歯肉ポケットの中の目で見えない歯石まで取ってくれる。歯周病の予防には、正しいブラッシングと専門家によるクリーニングが大切と語る落合先生に、歯周病の原因や予防法、検診の重要性などを聞いた。
(取材日2024年9月20日)
目次
ほとんど自覚症状なく進行する歯周病は、定期検診で早期発見・早期治療を
- Q歯周病について、その概要を教えてください。
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A
▲年齢に関係なく、誰もがかかる病気である意識を持つことが重要
歯周病とは、歯垢(プラーク)によって歯を支える骨や歯肉との付着が失われる病気で、歯を失う最大の原因ともいわれています。35歳以上の成人のうち、ほとんどの人が歯周病になっているというデータもあります。痛みなどの自覚症状が出にくい歯周病は、症状が出た時はかなり進行した状態になっています。歯周病の初期に痛みはなく、歯茎からの出血や口臭程度ですが、進行すると噛めない、歯茎が腫れる、歯が動く、隙間ができる、歯並びが変わるといった症状が現れます。歯周病は年齢に関係なく、誰もがかかる病気であることを意識し、歯磨きなどによるプラークコントロールをしっかり行っていく必要があります。
- Q歯周病は体にも影響するのでしょうか?
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A
▲心臓病や脳梗塞、認知症、糖尿病などの全身疾患と深く関連
歯周病は、心臓病や脳梗塞、認知症、糖尿病などの全身疾患と深く関連しています。例えば、歯周病は糖尿病の6番目の合併症といわれ、2型糖尿病患者は歯周病になりやすく、重症化しやすいのです。反対に歯周病が進行すると、糖尿病の症状を悪化させることもあります。また、歯周病菌が血流を通じて心臓に影響を与えると、心内膜炎や動脈硬化を引き起こすことがあります。さらに「アルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβが歯周病菌によって増加する」「高齢者の口腔ケアをすることで誤嚥性肺炎のリスクの減少につながる」といったデータもあります。このように、全身の健康を考える上でも歯周病対策は重要なのです。
- Q歯周病の主な原因と予防について教えてください。
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A
▲正しいブラッシングに加え、定期的な歯科検診と歯石除去が重要
主な原因は、歯と歯茎の間にたまるプラークと、それが石灰化した歯石です。これらは歯周病菌を含んでいて、歯を支える組織を破壊します。歯周病菌は血液を餌にし、酸素が苦手という性質があります。そのため、歯肉が炎症を起こし出血すると爆発的に増殖します。歯周ポケットが深くなると酸素が減り、さらに増えるのです。予防には、毎日の正しいブラッシングに加え、定期的な歯科検診と歯石除去が重要です。喫煙や糖尿病も増悪因子となるため、体の健康にも気を使う必要があります。とにかく歯周病は早期発見・早期治療が重要です。進行すると治療が難しくなるため、クリニックでの定期的なチェックをお勧めします。
- Q歯科で行うクリーニングについて教えてください。
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A
▲院長の右腕として、ベテランの歯科衛生士が多数在籍
歯周病の予防のために歯石の除去を行いますが、ここでは歯科衛生士の役割が重要になります。歯周病菌は深い歯肉ポケットの中にいるため、見えづらいところにある歯石まで取れる歯科衛生士が求められるのです。当院にはベテランの歯科衛生士が3人在籍しており、最低30分、長い時は1時間かけてクリーニングをしています。1日の半分は歯石の除去をしていて、当然、歯周ポケット内の歯石除去もできます。また、スタッフは「仲良く親しく」をテーマに、患者さんとは家族ぐるみで付き合っています。なお、歯石除去は半年に1回が好ましいのですが、60歳になったら5ヵ月に1回、70歳になったら4ヵ月に1回が良いと思います。
- Q歯周病予防のためにこちらで工夫されていることはありますか?
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A
▲定期的な専門家のチェックで、歯周病を予防
患者さん一人ひとりに合わせた口腔ケアを行っています。口の中を口腔内カメラでビジュアル化し、患者さんに確認してもらうとともに、歯周病の最大の原因である歯石と歯垢を徹底的に除去するのです。また、定期検診を受診することもお勧めします。検診では、虫歯や歯茎のチェック、歯と歯茎の正しい磨き方をアドバイスするブラッシング指導などを行っており、歯周病の早期発見・早期治療に有用です。定期的な専門家のチェックで、歯周病を予防しましょう。