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久米 徹 院長の独自取材記事

久米おとなこども歯科

(神戸市長田区/鷹取駅)

最終更新日:2023/03/07

久米徹院長 久米おとなこども歯科 main

JR神戸線鷹取駅前すぐの「久米おとなこども歯科」は、1980年に開院してから40年以上もの歴史ある歯科医院だ。2018年より実父から継承した2代目の久米徹院長は、プライベートではスキーにテニス、釣り、ダイビングなど多彩な趣味を持つ行動派。先代の理念を引き継ぎながらも、持ち前の探究心と行動力で、新しい診療モデルや考え方を自ら学び、積極的に取り入れている。「父のように患者さんに喜ばれ、感謝される歯科医師になりたい」と語る久米院長。同院の診療方針、現在最も力を入れている小児予防歯科と正しい口腔機能を獲得するための小児矯正について、さまざまな話を聞いた。

(取材日2022年12月2日)

「患者は家族」。先代の父の想いとともに継承

院長になられるまでの経緯を教えてください。

久米徹院長 久米おとなこども歯科1

この歯科医院はもともと父が1980年に開院し、自宅を兼ねていたので、私も子どもの頃から身近に感じて育ってきました。父が患者さんに感謝されている姿を見たり、歯科技工士さんと話をしたりしているうちに、中学生から高校生くらいの間に、自然と歯科医師をめざすようになりました。2002年に大阪歯科大学を卒業し、同大学附属病院で研鑽を積んだ後、2004年から当院の父のもとで働き始めました。当時は歯石を取るところからのスタートでしたが、虫歯治療・詰め物・かぶせ物・入れ歯・インプラント治療・矯正治療・噛み合わせの治療など、一通り経験を積み、2018年に院長職を引き継ぎました。

お父さまから診療方針など受け継がれたものはありますか?

父が開院時から理念にしていた「患者さんを家族同然に考えて接する」ということを受け継いでいます。これは私だけでなく、スタッフにも話をして共有しています。自分がしてほしくないと思うことを人にしてはならない、もし望ましくない方向に進みそうになったら、より良い方向に導くように努める。「恕(じょ)」の精神に通ずる考え方ですね。当院では「まずは相談だけ」という患者さんにも対応しており、家族のように親身になって寄り添い、10年後20年後の患者さんの口腔内について考え、一緒にお口の中の健康を守っていくことをめざしています。患者さんにも気になっていることを、遠慮なく、お気軽にご相談いただければと思います。

現在、小児の予防歯科に力を入れているそうですね。

久米徹院長 久米おとなこども歯科2

はい。現在、子どもの予防歯科に最も力を入れて取り組んでいます。当院が小児予防歯科にかじを切ったのは、これまでも歯の状態が悪くなってから来られる方が多く、良いと思える状態で人生を過ごしている方が少ないと感じていたからです。症状を改善するために治療を施しても、治療の限界というものもあります。そこで、小さい赤ちゃんの時から、もっと言えばお母さんに妊婦の時から歯科医院に通ってもらい、虫歯や歯周病にならないための知識と、ホームケアの技術を身につけていただければ、健康な口腔環境をつくることや、維持につながるのではないかと考えました。そこに歯科医師としてのやりがいがあるのではないかと思いました。

子どもに虫歯のない未来を贈りたい

こちらの歯科医院では親子を対象に教室を開催されているとか。

久米徹院長 久米おとなこども歯科3

健康な口腔環境を維持していくためには、まず赤ちゃんのお口とどう付き合っていくかを親御さんに伝えることが大切と考え、約2年前より「親子教室」を開催しています。主に、乳歯が生えてくる前の生後4~5ヵ月頃から1歳半頃までの赤ちゃんと親御さんを対象に、子どもを虫歯から守る仕組みや、正しい歯磨きの仕方などを教えています。また歯磨きだけでなく、授乳期や離乳食の習慣が、お口周りの筋肉の発育や、正しい飲み込み方・噛み方などの口腔機能の発達に影響を及ぼすという観点からも指導に努めています。

赤ちゃんの頃の食生活が口腔機能に影響するのですね。

そうなんです。ですから今後は、管理栄養士も参加して、親子に対しての栄養指導を企画していく予定です。栄養面の指導に加え、食べ物の硬さなども重要になってきます。離乳食の初期のようなドロドロの食べ物ばかり与えていると、お口の機能が発達しませんし、発達に合わせて手づかみ食べを取り入れていくことが重要になってくることを伝えていきたいです。また親子教室の前に、妊婦検診にぜひ来ていただきたいとも感じています。なぜなら、親子教室に来られる頃には、すでに離乳食が始まっている時期で、砂糖を与えたりしていることも多いんです。赤ちゃんが生まれる前に、必要な情報を得てもらえる機会に、妊婦検診を使ってほしいと思っています。

歯並びが悪い子どもに対しては、どのような治療が必要とお考えですか?

小児の歯並びに関しては、発育の時に手助けすることにメリットがあると考えています。顎が小さいまま成長してしまうと、将来的に矯正するにしても限界が出てきます。そのために、まだ骨がやわらかい年齢期に顎骨を大きくして歯を並ぶ器をきちんとつくってあげることが必要です。当院では、起きている際の1時間と就寝時に装用するマウスピース型装置を用いた矯正で、舌や頬の筋肉を鍛え、顎の骨の成長を良い方向に促すように試みます。また、歯の生え替わりが進んで時間的に余裕がない子どもの場合は、急速拡大装置を使い上顎の成長を助けるための顎顔面矯正も取り入れます。

MFT(口腔筋機能療法)も行っているそうですね。

久米徹院長 久米おとなこども歯科4

マウスピース型装置を用いた矯正や顎顔面矯正を行う場合、合わせてMFT(口腔筋機能療法)というお口の体操、トレーニングを行い、お口の悪い癖を直し、顎を上手に育てていけるようにします。悪い癖があると、例えば「お口ポカン」といわれる、口が常に開いた状態では、口呼吸になりやすくなるなど、子どもの健康にも関係するのです。当院では、トレーナーが毎月45分間レクチャーするプログラムを長期的に行います。患者さんにも毎日家で実践してもらいますが、モチベーションを維持して継続するのは大変です。トレーニングを「させる」のではなく、子ども自身に「やらなければならない理由」をきちんと伝えて、親御さんには子どもが自主的に「やりたくなる」声がけ法も併せてお伝えすることで、トレーニングを持続できるように取り組んでいます。

患者自身がなりたいと考える未来をサポート

お子さんの診療の際に気をつけていることは何ですか。

久米徹院長 久米おとなこども歯科5

まずは「できることを増やしていく」ことを大切にしています。最初は待合室から診療室に入る、1人で椅子に座る、寝転んで手をおなかの上に置く、お口の中を見せる、風や水が出る機器を手で触る・口の中に入れる、バキュームで水を吸う、というように段取りを組んで、最終的に泣かずに自分から進んで治療を受けられるようになることが目標です。虫歯が痛むなど緊急性があるお子さんでも無理やり押さえつけて治療することは避け、応急処置をし、その子が治療できるようになるまで待つようにします。どうしても治療が必要な時は笑気麻酔の用意もある他、全身麻酔での歯科治療が可能な医療機関をご紹介します。

他にこだわっている点はありますか?

衛生面には気を配り、感染予防に努めています。これは歯科口腔外科の勉強に、週に1回行っていた神戸市立医療センター西市民病院のやり方を参考にしました。感染症の心配がある診療のみ細心の注意を払うのではなく、どのような場合でも感染の可能性があるという考え方のもと、すべての診療において消毒・滅菌・衛生管理を当院の全スタッフが徹底しています。粉じん・ウイルスが飛び散らないように吸引するための口腔外バキュームも備えました。また、根管治療を行う際に重要なマイクロスコープや歯科用CTなどの機器類も導入し、安心して治療を受けられる環境づくりに励んでいます。負担が少なくなるよう、短時間で精密な型採りができる口腔内スキャナーを使った矯正も取り入れています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

久米徹院長 久米おとなこども歯科6

当院では、大人も子どもも「メディカルトリートメントモデル」といわれる診療の基本の流れを大切にしています。初診の患者さんがいらしたら、必要なら応急処置をし、必要な検査と生活習慣のチェックなどで記録を取り、患者さんの抱えるリスクとその「病因」を丁寧に説明します。大切なのは「病因」を伝えることで、患者さん自身が気づきを得て、生活習慣を変えられるようになること。痛みに配慮した瞬間的な治療ではなく、自分や子どもがなりたい未来を想像して、そのために歯科医院に通うことが必要と感じていただけたらうれしいですね。自分や子どもの健康を願っている方、全力でお手伝いさせていただきます。

自由診療費用の目安

自由診療とは

小児矯正(顎顔面矯正含む)44万円~、成人矯正/66万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/77万円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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