早期開始で歯列矯正不要の可能性も
全身の健康維持をめざす
イワタ歯科医院
(神戸市垂水区/舞子駅)
最終更新日:2025/02/14


- 自由診療
「健康に育ってほしい」。誰もが子に対して思いながらも、実際にはどのようにして健康を守っていくか、迷い、手探りで子育てに取り組んでいる家庭も多いだろう。実は口腔機能が全身に果たす役割は非常に多く、小さい頃から正しい顎の発達を促すことで、健康にとって重要だという鼻呼吸と歯並びが成長とともに自然に整うということも期待できるそうだ。食事がうまく飲み込めず窒息するという事故も多い昨今、子どもの健康そして命を守るためにも、正常な口腔機能を育成するために力を尽くしているのが「イワタ歯科医院」だ。「歯茎が見えるガミースマイル、お子さんが顎をぐっと下に引いて飲み込む不自然な動作があるなど、気になることがあれば気軽にご相談ください」と話す岩田海里先生に、同院の小児矯正プログラムについて話を聞いた。
(取材日2024年10月03日)
目次
早めにスタートすれば将来の歯列矯正が不要になる可能性も。全身の健康を見据えた小児矯正プログラムとは
- Q先生が取り組んでいる「予防的矯正」とはどのような治療ですか?
-
A
▲イワタ歯科医院で予防的矯正に取り組む岩田海里先生
これまでの矯正は「歯列の乱れを治して見た目を整える」目的で行うのが基本的な流れでしたが、私が取り組む「予防的矯正」は歯並びが悪くなる原因に注目し、歯を動かすのではなく、顎の正常な発達を促し、自然な歯並びをめざす根本的アプローチ。顎が小さいと歯が並びにくいだけでなく、口呼吸やいびき、子どもでも睡眠時無呼吸症候群などのリスクがあり、全身の健康に悪影響を及ぼします。まずは鼻呼吸を癖づけるために、鼻の機能の確認をするため耳鼻咽喉科を紹介したり、姿勢が悪い場合はその原因を探り、必要があれば理学療法士と連携したりするなど、多職種で協力して全身が健康でいられるように取り組む矯正を「予防的矯正」としています。
- Q近年、口腔機能の低下した子どもが増加傾向にあるそうですね。
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A
▲丁寧なカウンセリングやトレーニングを実施
口腔機能が低下しているお子さんは増加傾向にあると体感しています。例えば給食で喉を詰まらせて窒息死に至るケースでは、食品を小さく刻むといった目の前の解決策しか提示できていませんが、なぜ昔の子どもたちが飲み込めていたものを詰まらせてしまうのかを探っていくと、やはり口腔機能が低下している可能性は大きいと考えます。また落ち着きがない、対人関係に支障があるといった「発達障害」が増えているといわれているものの、実は「発達障害様(よう)症状」といって、例えば口呼吸が原因の睡眠不足で体に不調を来し、行動に問題が出ているケースも十分に考えられるわけです。そこを解決するためにも「予防的矯正」に取り組んでいます。
- Q口腔機能が低下する原因を教えてください。
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A
▲子どもの顎の正常な発達を促し、自然な歯並びをめざす同院
原因はさまざまですが、顎が小さい・飲み込みづらいというのは、口が開いて舌が下がっている「口呼吸」が関連していることも。舌の裏側にある舌小帯が強すぎて運動障害が起きている、あるいはアレルギー性鼻炎など鼻が詰まりやすいことが原因で口呼吸となってしまい、それが習慣化して顎が小さくなり口腔機能が落ちているという状況が考えられます。指しゃぶりなどの悪習癖も問題視されますが、舌が上がらず呼吸がしづらいから、お子さんは「仕方なく」指をしゃぶることで呼吸をしやすくしているだけの可能性も。私は「習癖にはすべて意味がある」との考えから、まずは鼻呼吸できるように成長をサポートするほうが重要だと思っています。
- Qどのようなアプローチをしていくのですか?
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A
▲全身の健康や生活習慣が口腔機能に影響するという
鼻に問題がないかを確認してもらうため、耳鼻咽喉科を紹介しアレルギー検査を受けていただくと同時に、睡眠時のアレルギー物質が抑えられるよう住環境のご相談も行っています。その上でMFT(口腔筋機能訓練)と呼ばれるトレーニング、顎を拡大するための機能性マウスピース型装置などでアプローチしていきます。通院時以外にも毎日ご自宅で取り組んでいただけるようチェックリストをお渡しし、きょうだいでの受診など指導時間が十分に取れない場合はオンライントレーニングも実施可能です。お子さんの感じる苦痛は極めて少ないのですが、モチベーション維持が課題になりますので、スタンプラリーなどで楽しんで取り組めるよう工夫しています。
- Q「予防的矯正」はいつ頃から行うのがいいのでしょうか?
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A
▲子どもの口腔機能に関して気軽に相談してほしいと語る海里先生
低年齢であればあるほど適しており、最も理想的なのは5~6歳からのスタートです。顎の成長が本格的に始まるのが、永久歯が生え始めるタイミングですので、それまでには整えてあげられれば。その年齢までに予防的矯正を開始できたら、成長の中で歯並びが自然に整うことが期待できる、あるいは本格的な矯正をする場合でも抜歯するなど大がかりな処置不要をめざせるなど、将来的に大きなメリットが見込まれます。もちろん5~6歳を過ぎてしまっても、全身の健康のためには鼻呼吸の取得は非常に重要です。何歳であっても「メリットはある」とお伝えしたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正プログラム/44万円~