岩田 隆宏 院長の独自取材記事
イワタ歯科医院
(神戸市垂水区/舞子駅)
最終更新日:2021/10/12

神戸市垂水区舞子にある「イワタ歯科医院」は、1986年の開院以来、地域に密着した歯科診療を提供してきた歯科医院だ。岩田隆宏院長は、今までの診療で、歯を失うことは想像以上に不自由なことだと感じてきたのだそう。そして、口の健康が全身の健康にも大きく関わっていると、近年、注目されてきていることもあり、虫歯や歯周病にならないように予防していく、予防歯科に着目するようになったのだそう。「誰だって健康で楽しく生活したいはずです。そのためにも、歯を大切に守ってほしい」と話す岩田院長。「笑顔が人生を変える」をキャッチフレーズに日々の診療に奮闘しているベテラン歯科医師だ。優しい眼差しと笑顔が印象的な岩田院長に、明るい光が差し込むクリニック内で話を聞かせてもらった。
(取材日2019年10月23日)
歯科診療を通し「笑顔で人生を変える」手伝いがしたい
まず、舞子に開業した経緯について教えていただけますか?

私自身は大阪の出身ですので、舞子に特別な縁があったわけではないんですよ。妻の親族がこの辺りに住んでいて、そのご縁で紹介されたことが舞子で開業したきっかけです。それまでは「海水浴に来たことがある」くらいの場所だったので、この地には「リゾート地」のような印象を抱いていました。ですから、実際に開業して、診療を通して、この町のことを知っていくようになりました。最近はマンションも増えてきましたが、空が広く、海もあり、人も温かく優しい。健康や歯科に対する意識が高い方も多いですし、歯科医師としてやりがいのある日々を過ごせているなと、この土地にご縁をいただけたことを非常にうれしく思っています。
先生が歯科医師をめざしたきっかけを教えてください。
私が子どもの頃は歯科医院の数が今のように多くなく、今では信じられないことですが、歯が痛くなって歯科医院に行っても、すぐに診てもらえないことも少なくありませんでした。時には「1週間後に来てね」と言われることもあったほどです。しかし、虫歯を放置していても治ることはないわけですから、日に日に痛くなっていきます。患者の立場からしてみればたまったものではありません。当時、私は子どもですからなおさらです。そんな時、いつも助けてくれたのが近所の歯医者の先生でした。毎日、たくさんの患者を見ていて疲れているにもかかわらず、休診日の日曜日にもクリニックを開けて診てくれました。苦痛を取り除いてくれたその先生の姿が、私が歯科医師に憧れた原点です。
1986年に開院されて以来、先生が日々の診療で心がけていることはありますか?

来てくれた人に「来てよかった」と笑顔になってもらうことです。私は「笑顔はすばらしい」と思っています。笑顔でいる人からはポジティブなエネルギーがあふれていますし、笑顔からは幸せを感じることができます。また、口を開けて笑う、特に歯を見せて笑うのは、他人に自分をオープンにするのと同じ意味を持つとされていて、歯を見せる笑顔をする人は「心を許している」と受け止められることで、コミュニケーションも深まりやすくなります。ハリウッドスマイルと言われるような、女優たちがする魅力的な笑顔もきれいな歯が特徴です。しかし、歯にコンプレックスがあるとどうしても思い切り口を開けて笑うことができません。私がそうだったのでよくわかります。だから、私は思い切り笑顔になれるお手伝いをして、「笑顔で人生を変える」お手伝いがしたいと思っています。
予防歯科を通して、根本的な解決をめざす
笑顔でいるための治療として、どのようなことをしているのでしょう?

悪いところの治療はもちろん大切で、虫歯や歯周病の治療、インプラント治療、義歯を含む審美面に配慮した治療などを行っています。しかし、当院では特に虫歯や歯周病にならないような、予防歯科を重視しています。悪いところの治療が終わったから通院は終わりというわけではなく、定期的にチェックし、適切なメンテナンスを行い、大切な歯を生涯守っていけるようにサポートしていきたいと考えています。私が歯科医師になった頃から比べると、歯科への意識が随分と変化し、「悪くなってからの治療」ではなく「悪くならないように通院」という考えが浸透してきたように思います。歯の健康は全身の健康にもさまざまな影響がありますので、「悪くならないように歯を守る」ことは大切なことです。
先生が予防歯科に興味を持ったのはなぜですか?
私は子ども時代から歯には悩まされていました。虫歯の痛みも知っていますし、見た目のコンプレックスを感じて、自信を持って笑えない経験もしてきました。だから、歯で悩んでいる患者さんの気持ちはよくわかるつもりでいます。過去の私のように、歯のことで悩んでいる人を助けたいなと思って歯科医師になり、診療を重ねてきましたが、いつ頃からか違和感を感じるようになったんです。「悪いところを治すことだけが、本当に歯医者の仕事なのだろうか?」と思うようになったんですね。虫歯や歯周病になった人がいたら、その悪くなった部分を治すことはもちろん大切です。しかし、それだけでは根本的な解決にはならないのではないか?と感じるようになったんです。
先生の中で、歯科治療に関する根本の意識が変革していったわけですね。

言い方が悪いかもしれませんが、アリ地獄の中で、上からアリが落ちてくるのを待っているような気持ちになってしまったんですね。確かに今、自分は患者さんの苦痛を緩和することはできているかもしれない。でも、逆に言うと、それだけしかできてないなと。治療の材料も進歩し、歯がなくなっても補う方法はたくさんある。しかし、そうはいっても、誰だって自分の歯がそのまま使えるならそのほうがいいじゃないですか。だったら、自分の歯をなくさないためにはどうすればいいかを患者さんに伝えていかなくてはいけない。アリ地獄の中で待つのではなく、アリ地獄に落ちないように周りに柵を立てていこう!と予防歯科に関する勉強を始めました。
後悔しないためにも、歯を大切にする取り組みを
現在、具体的にはどのような取り組みをされているのでしょうか?

虫歯や歯周病にならないためには、口の中を清潔に保つ必要があります。そのためには定期的なメンテナンスが欠かせません。しかし、残念ながら「歯科医院が苦手」という人は相当な数いらっしゃるんですよね。そこで当院ではメンテナンスだけを専門に行う「予防ルーム」を2階に新しく増設しました。この部屋は歯を削ったり、詰めたりする治療は一切行わず、検診や口腔ケアを、快適な環境でリラックスしながら受けていただくためだけの部屋です。歯科医院特有のにおいや音もしませんし、急患で時間が取れず、お待たせするということもありませんので、お時間の心配もせずゆったりとケアに専念していただけます。
現在は、どのような患者さんが予防ルームを利用されているのですか?
予想以上に多くの患者さんが予防に関心を寄せ、熱心に取り組んでくださっています。「正直この状態では、なかなか回復は難しいだろうな」と思うくらい重症の歯周病がある高齢の患者さんでも、本人の意識の変化と努力を重ねれば、口腔内環境の改善は期待できるんですよ。何歳だからとか、もうひどいから無理だろうとか諦めるのではなく、気がついたその日からしっかり取り組めば、良い結果につながっていくと思います。歯をなくしたくないけど諦めている人がいたら、ぜひ相談してほしいです。
地域の皆さん、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

高齢になって「若い時に歯を大切にしなかったこと」を後悔している人は、皆さんの想像以上に多いものです。まだ若い人は「年をとって後悔しない」ために、すでに高齢になって後悔している人は「これ以上後悔しない」ために、自分の歯に興味を持つことを今日から始めてもらえたらうれしく思います。今、悪いところがある人は、今の苦痛を取り除くだけでなく、再発せず、良い状態を保つことを前提にした治療を行います。悪い部分が多いほど、歯医者さんに行くことに抵抗がありますよね。私自身、同様の経験があるからこそ、そういった方のお気持ちに寄り添って治療をしていきますので、心配せずにご相談ください。この場所で、皆さんのお口の健康に携わり、末長く皆さんの健康的で素敵な笑顔を見続けられるよう頑張っていきたいと思います。歯のこと、お口全体の健康にお悩みの方がいらっしゃいましたら、ぜひ気軽にご来院ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/396000円~、義歯治療/253000円~、白い詰め物/38500円~、白いかぶせ物/55000円~