奥野 直樹 院長の独自取材記事
オクノ歯科医院
(西宮市/甲子園口駅)
最終更新日:2026/01/14
JR神戸線・甲子園口駅から徒歩10分の「オクノ歯科医院」は、40年以上にわたって地域密着型の医療を提供してきた。2代目院長の奥野直樹先生は、先代である父が1979年に開業した同院を2024年6月に継承。そのタイミングで院内も大きくリフォームし、より明るく、広々とした快適な空間へと生まれ変わった。歯科、小児歯科、矯正歯科を標榜し、身体機能の低下などで通院困難となった患者には訪問診療も行う。「私自身が痛がりなので」と、痛みや恐怖心にアプローチすることで、より積極的に自身の歯と向き合うことができ、デンタルIQの向上にもつながるのだという考えから、痛みに配慮した治療にも力を入れている。同院の継承から1年半がたった今、これまでの経歴や、歯科治療や地域への想いなどについて、奥野院長に聞いた。
(取材日2025年12月12日)
回り道しながらも、深まった歯科への想い
先代院長であるお父さんについてお聞かせください。

私の父・奥野憲治は、1979年に今と同じ場所で当院を開業しました。自宅が近かったので、私は小さな頃、幼稚園から帰ってくるとここで遊んだりしていましたね。父が仕事に一生懸命取り組んでいることは幼心にも感じていて、今思えば、ものすごく地域医療に貢献していたと思います。休日に患者さんから電話で連絡がくると、急いで開けて応急処置をしていましたし、地域の学校医や園医も務めていました。代替わりした今も、父はほぼ毎日当院に来ているんです。「父でないと」と、長年信頼してくださっている患者さんの対応にあたり、幼稚園の園医も続けています。
ご自身も歯科医師になるのだと、自然に思われていたのでしょうか?
実は、かなり回り道をしました。私は姉と2人きょうだいの長男で、父から継いでほしいと言われたことはないのですが、周囲から「奥野はレールが敷かれている」と見られるのが嫌で、高校でも文系に進むほど反発していました。でも、形だけ受けた歯学部も実際に落ちてみると悔しかったですし、浪人中、順調にステップアップしている友人の話を聞くと「自分は何をしているんだろう」と。そこから本気スイッチが入りましたね。実は、奥野家は歯科に関わる一族で、祖父は歯科の機械や歯科の材料の販売を行う会社の創設者です。親戚にも歯科衛生士や歯科技工士が多く、母や姉も歯科衛生士です。自分が最終的に歯科医師をめざそうと決めたのも、やはり血筋があったのかもしれません。
歯科医院継承まで、どのように経験を積まれましたか?

歯科大学を卒業後、父のもとで働きました。身内ではない外の環境も知って成長したいと思い、いくつかの歯科医院にも勤めました。セミナーに参加したり、歯科情報誌を読んだりする中で、手技のうまい先生を知ると「もっと上をめざしたい」という気持ちがふくらんできました。その気持ちを同僚に話したところ、紹介してくれたのが最後に勤めた歯科医院です。そこはグループ展開しているところなのですが、理事長が技術面でも経営者としても本当に尊敬できる方で、多くのことを学ばせていただきました。今もいろいろと相談できる存在です。最終的に、そのグループの分院長をめざすか、父の歯科医院を継承するか迷ったのですが、妻から「せっかく場所があるんだから、ここで挑戦してみたら」と背中を押され、地域への想いもあって、継承に至りました。
痛みに配慮した治療に取り組み、訪問診療も行う
継承のタイミングで院内をリフォームされたそうですね。

開業から45年たっていましたので、より明るく、ゆとりを感じる空間にしようと大々的にリフォームしました。少しでも待合スペースなどを広く使うため、院長室は設けませんでした。私自身、あまり休憩を入れずに動きっぱなしのほうが性に合っていますしね。設備面ではCTを入れ、ユニットを1台増やしたことで、より多くの患者さんを診られるようになりました。院内のインテリアは妻のセンスによるもので、白の壁に明るい木の色を組み合わせて現代風にしています。床も、待合より診察スペースのほうを落ち着いた色にするなど、こだわりがあるんですよ。もともと妻も動物看護師や耳鼻咽喉科の医院の受付などの経験があり、クリニックに詳しいんです。今も受付は妻が担当してくれています。
治療の中で、力を入れて取り組んでいることを教えてください。
自分自身が痛みに弱く、また小児歯科もありますので、特に痛みに配慮した治療を提供することを心がけています。麻酔液をコンピューター制御で注入する電動麻酔器を導入し、手技で行う一般的な浸潤麻酔の際もなるべく細い針を使い、強圧をかけずにゆっくりと声かけしながら行います。抜歯の際は、太い神経を麻痺させる末梢神経ブロックを行うために伝達麻酔も使います。患者さんにこまめに通っていただくためには、痛みや恐怖心に寄り添うことが重要だと思います。口内環境がかなり悪化していた方が、歯への意識も表情も変わっていく様子を見守っていけたらうれしいですね。また、当院は矯正歯科にも対応しており、マウスピース型装置を用いた矯正の対応件数も増えてきました。矯正歯科は歯科の中でも一番、患者さんを笑顔に導けるところだと思っているので、こちらも非常にやりがいを感じています。
訪問診療にも取り組まれていると伺いました。

父の代から訪問診療には取り組んでいました。私が父のもとで働くようになってからは私が行くことが多く、当時から今までずっと診ている患者さんもいらっしゃいます。歯科は長いお付き合いになりますので、最初は通院で来られていた方が、病気などで出歩くことが困難になってしまうケースも少なくありません。そのような場合も、訪問診療に切り替えることでご安心いただけるのではないでしょうか。顔見知りになったケアマネジャーさんや訪問看護師さんから、新たな患者さんをお願いされることもあります。伺う際は歯科衛生士も必ず同行し、口腔ケアや入れ歯の調整など丁寧に対応しています。
通いやすさを高め、デンタルIQの向上にも尽力
歯について、患者さんに伝えたいことはありますか?

「デンタルIQを上げるお手伝いをさせてほしい」ということですね。デンタルIQは、歯やお口の健康に対する個人の知識・関心・実践力などの度合いを表す言葉です。私は、高齢者の方が入居されている施設への往診にも対応しているのですが、認知症の方は入れ歯のケースが非常に多いです。歯の本数が減ると脳の伝達に影響するといわれますが、実際に目の当たりにすると、あらためて危機感を覚えます。それに、自分の歯がなくなると口元がしぼんで、年齢以上に老けて見えてしまうことがあります。日本人の歯への意識はまだまだ低いほうなので、もっと歯科を利用していただきたいですね。デンタルIQを向上させるという使命感を、歯科医師として強く持っています。
通いやすい歯科であるために、さまざまな工夫をされているそうですね。
まず、代替わりとリフォームのタイミングで予約システムのデジタル化を図り、アプリでの予約を可能にしました。また、診療の際にタブレットを活用することで、よりわかりやすく患者さんに説明できるようにもなりました。通院や治療のペースは患者さんのライフスタイルや希望に合わせて変えています。「この方はこまめに通うことが苦手かもしれない」と感じたら、1回の治療時間を長く取ることもあります。ただ、当院の通いやすさは、アットホームな雰囲気だと思っています。常時、歯科衛生士2人とアシスタント2人がいますが、患者さんとのコミュニケーションの中で笑い声が絶えないんですよ。私は本当にスタッフに恵まれているなと感じています。
最後に、地域の方へのメッセージをお願いします。

私は大学時代こそ東北でしたが、生まれてからのほとんどを西宮で過ごしてきました。今は5歳の娘、2歳の息子の父となり、かつての私のように息子が院内で遊んでいる姿を見ると、感慨深いものがあります。日々の診療の傍ら、自分が卒園し、子どもが通う幼稚園の園医も務めており、これからも長く地域に貢献し続けたいと考えています。あまりにも治療に消極的な方には、時として耳の痛いことを言うかもしれませんが、それは患者さんに生活を楽しんでいただきたい一心からのこと。地域の方に「オクノ歯科医院があって良かった」と言っていただけるような歯科医院をつくっていきますので、一緒にお口のメンテナンスを頑張っていきましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/38万5000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

