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山本 一郎 院長、山本 直 先生の独自取材記事

山本歯科医院矯正歯科クリニック

(西宮市/仁川駅)

最終更新日:2023/06/12

山本一郎院長、山本直先生 山本歯科医院矯正歯科クリニック main

阪急今津線・仁川駅から徒歩約2分。仁川沿いの白とブルーの2棟の4階建てが「山本歯科医院矯正歯科クリニック」だ。2階の受付までエレベーターを利用でき、8台分の駐車場が用意されているので車でも快適にアクセスできる。30年を超える歴史を持ち、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の患者が受診。虫歯や歯周病、矯正のほか口唇・口蓋裂治療に力を入れ、さまざまな診療科の医師や言語聴覚士と連携して「食べる」「話す」という口の機能を引き出すための治療や訓練を実践している。同院の特色ある取り組みや、歯科診療にかける思いなどについて、山本一郎院長と、院長の三男で後継者でもある山本直(なお)先生に語ってもらった。

(取材日2021年12月1日/情報更新日2023年6月7日)

納得・満足につながる診療の提供をめざす

直先生が歯科医師になられたのは院長の影響ですか?

山本一郎院長、山本直先生 山本歯科医院矯正歯科クリニック1

【直先生】父親がどんなことに取り組んでいるのか興味があり、一緒に診療してみたいという思いもあって、週に1度こちらで診療するようになりました。話をしたり、歌を歌ったりするのが好きなので、言語や発声について取り組んでいる部分に惹かれました。父が仕事のことを楽しそうに話してくれたことも大きいですね。大学でも口唇・口蓋裂については学びましたが、言語や発声にまで踏み込んで学ぶことはできなくて。父親が取り組んでいなければきっと知ることはなかったと思います。

患者さんと接する際はどのようなことを心がけておられますか?

【直先生】説得力のある説明が大切だと思っています。自分でも気づかないうちに専門用語を使っていることもあるので、わかりやすく、納得していただける説明をめざしています。治療の際には独り善がりにならないように、父や周囲の人に意見を求めるようにしています。同じ年代の人でも考え方が少しずつ違い、「なるほど、そんな考え方もあるのか」と新鮮な発見に出会うこともあります。
【山本院長】患者さんに満足していただくためには、診療方針に納得していただくことが必要なので、わかりやすい説明は大事ですね。僕はこれまで治療に前のめりになる傾向があり、少ない回数で診療を終えるようにしていました。患者さんは「山本先生のところなら早く治してもらえる」と感じておられると思います。しかし、それだけでは満足していただけません。わかりやすく、簡潔に、しかも患者さんが希望をなくさないように説明しなければなりません。

診療ポリシーを教えてください。

山本一郎院長、山本直先生 山本歯科医院矯正歯科クリニック2

【直先生】患者さんが何を求めておられるのかをくみ取るようにしています。歯科医師が良いと思う診療が、その患者さんにとって必ずしも良いとは限りません。もちろん、歯科医師として「こうすべき」と判断して、必要な治療を行う場合はあります。しかし、そうしたケース以外では、これまでの治療経験などからある程度決まった手順ができあがっています。そうした経験やセオリーだけに頼るのではなく、患者さんの気持ちに寄り添うことが目標です。
【山本院長】患者さんに「来て良かった」と思っていただける診療を行うことが大切だと、年齢を重ねて感じるようになりました。治療で痛みを感じたり、指導が厳しかったりすることがあっても、それでも帰る時に「また来よう」と思っていただけることが目標です。指導の際は結構シビアに行うのですが、これからは頑張っている患者さんを褒められる歯科医師でありたいですね。

口の持つ「食べる」「話す」機能の改善に注力

診療で力を入れている口唇・口蓋裂とは、どのような病気なのでしょうか?

山本一郎院長、山本直先生 山本歯科医院矯正歯科クリニック3

【山本院長】生まれつき上唇や口の天井にある口蓋が左右に分かれている病気です。上唇のみが裂けている場合もあれば、唇から歯茎、口蓋にかけて裂けていることもあります。日本における有病率は約500人に1人ともいわれており、発症の明確な原因はいまだわかっておりません。口唇・口蓋裂は単に見た目の異常だけでなく、口腔機能にも支障を来し、生後すぐにミルクや母乳の哺乳・授乳が十分にできないという問題があります。また、手術によって口蓋を形成した後も、正常な発音が難しいケースも少なくありません。ですので、適切な時期を見極めて、その時々に必要な治療を行うことが重要となります。

具体的にどのような治療を行うのですか? 

【山本院長】生まれたばかりの赤ちゃんにとって一番の問題が、哺乳であり授乳です。ですので、実際の治療に入る前にまずは、哺乳を助けるホッツ床(しょう)と呼ばれる歯科用の樹脂でできたプレートを作製し、赤ちゃんが飲みやすいよう工夫を施した専用の哺乳瓶を使って、お母さんに授乳指導を行います。その後、口唇裂は3~5ヵ月、口蓋裂の場合は言葉を覚え始める1歳~1歳半頃を目安に、口唇や口蓋をつなぎ合わせる形成手術を行います。また、骨格的な問題があれば大きくなってから再度手術を行うこともありますし、歯が生え始めて歯並びが悪かったり、正しい発音で話せなかったりした場合は、歯列矯正や言語指導、離乳食指導、言語訓練、スピーチエイドという発音補助装置を使った構音訓練などを行っていきます。

治療で重視されているポイントは?

山本一郎院長、山本直先生 山本歯科医院矯正歯科クリニック4

【山本院長】口唇・口蓋裂は、その見た目に注目されがちです。しかし、形を整える治療をすれば問題が解決するかというと、そうではありません。患者さんが本当の意味で生き生きと過ごすことができる素地をつくるには、噛み合わせ・咀嚼・言語障害へのアプローチが必要となります。また、口唇・口蓋裂は症状もさまざまです。一見して口蓋に裂がなくても、中の筋肉がつながっていないケースもあり、見た目によって診断できなかったことで、長い間言語障害に苦しんできた人もいます。早期の診断と適切な治療は当然ですが、うまく食事や会話ができないことで他者とのコミュニケーションがおっくうになってしまわないよう、当院では、開院当初から言語聴覚士を複数人配置するほか、各分野の専門家と連携し、食べる・話すといった、生きていく上で大切なお口の機能の改善にも力を注いでいます。

治療にかかる期間や費用も気になります。

【山本院長】口唇・口蓋裂は、裂けた部位をつなぎ合わせる手術を実施した後も、言語指導や歯列矯正が必要となるケースがあるため、18歳頃まで経過を見ることが重要です。そこで心配となるのが費用面ですが、国の制度として育成医療や更生医療、自治体では子どもを対象とした医療費助成制度があり、これらの制度を活用すれば負担は大幅に軽減されます。当院では、歯科・歯科口腔外科・形成外科・耳鼻咽喉科・小児科の医師、看護師、言語聴覚士など多職種がチームとなり、ご家族への精神的なフォローも含め、寄り添う治療を心がけていますので、なんでもご相談ください。

互いの個性を生かして患者をサポート

直先生から見て院長はどんな先生ですか?

山本一郎院長、山本直先生 山本歯科医院矯正歯科クリニック5

【直先生】芯がしっかりと確立していて、頼りがいがある歯科医師だと思います。僕とはまったくタイプが違うので、お互いに補い合えると思います。とりわけ、信頼できる歯科医師に診療を任せたいという患者さんは、安心して治療を受けていただけるのではないでしょうか。そうした部分は僕にはまだないし、この先経験を重ねても父のようなタイプの歯科医師にはなれないと思います。
【山本院長】直先生は優しい人だと思います。少し優しすぎるところがあるのは、歯科医師として少々問題かもしれませんが(笑)。

今後の展望について聞かせてください。

【山本院長】ほかの歯科医院にかかるので紹介状を書いてほしいという患者さんに対して、以前はこんなに一生懸命やってきたのにと思うことがありました。しかし今は、言いづらいことを伝えてくださるのだなと思えるようになり、ありがたいと感じられるようになりました。多くの方は何も言わずに転院されますからね。そうした経験を今後に生かせるかどうかはわかりませんが、患者さんから学ばせていただくことはたくさんあると考えています。

読者にメッセージをお願いします。

山本一郎院長、山本直先生 山本歯科医院矯正歯科クリニック6

【山本院長】口の主な機能は食べることと話すことです。この大切な働きをきちんと機能させるために、新生児から高齢の方まで治療や訓練を提供しています。口唇・口蓋裂は、さまざまな歯科診療の分野やほかの診療科に関わる症例ですが、当院では医師や言語聴覚士などと連携して対応します。悩んでおられる方は、ぜひお問い合わせください。
【直先生】歯科医療の技術は日々進歩しています。そうした変化にしっかりと対応して、先進的な歯科診療を提供していこうと考えています。どんなことでも気軽にご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

矯正(一期)/30万円~、矯正(二期)/50万円~

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