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上住 和也 院長、上住 卓 先生、寺西 祐輝 先生の独自取材記事

上住歯科医院

(芦屋市/打出駅)

最終更新日:2021/10/12

上住和也院長、上住卓先生、寺西祐輝先生 上住歯科医院 main

芦屋市の宮塚公園前交差点から東へ徒歩1分の落ち着いた住宅街にある「上住歯科医院」。先代が三宮で開業し、この地に移転して約70年。先代とともに一人ひとりの患者に寄り添い、その人に適した治療の提供をめざしてきた、芦屋市歯科医師会会長も務める上住(うわずみ)和也院長と、大学院で研鑽しながら診療にあたる息子の上住卓(すぐる)先生、大学で非常勤講師を務める寺西祐輝先生の3人体制で、幅広く診療にあたっている。早くから訪問診療に取り組み、昼休みの時間を利用して、個人宅や施設での診療を続けている院長と、インプラント治療を専門とする卓先生と寺西先生に、歯科医師としての診療ポリシーや地域の歯科診療に懸ける思い、現在の診療方針について語ってもらった。

(取材日2021年1月9日)

先進的な診療所で多くのことを学んだ勤務医時代

この地で3代続く、歴史ある歯科医院だそうですね。

上住和也院長、上住卓先生、寺西祐輝先生 上住歯科医院1

【上住院長】僕の父はもともと神戸の三宮で開業し、昭和20年代に現在の場所に移転して、ここが僕の生家でもあります。物心ついた頃から父の働く姿を間近に見ていましたが、昔は将来歯科医師になろうという気持ちはなく、学生時代はスポーツに熱中していました。父がスキーをやっていたので、よく一緒に滑りにも行きましたよ。父も僕に歯科医師の道を勧めることはありませんでしたが、患者さんのために働いている姿や、どんな人にも分け隔てなく接する姿勢を見て、社会貢献ができる職業だと共感するようになりました。

大学卒業後はどんな経験を積まれたのですか?

【上住院長】伊丹の歯科医院に勤務しました。その歯科医院の院長は、歯の詰め物やかぶせ物の治療が得意で、患者さんとしっかりとコミュニケーションを取りながら、質を重視した先進的な治療を実践されていました。新しいもの好き、勉強好きの院長で、当時はまだ珍しかった咬合器という装置を海外から購入されていました。その説明書の翻訳を担当したことで、僕自身も新しい装置や機器について強くなれたし、噛み合わせについてたいへん勉強にもなったので本当に感謝しています。

その後、お父さまと一緒に診療されるようになったんですね。

上住和也院長、上住卓先生、寺西祐輝先生 上住歯科医院2

【上住院長】勤務医として4年間経験を積んだ後、父のもとで働くようになりました。親子や兄弟で診療すると、うまくいかなかったり、けんかしたりするという話をよく聞きます。確かに、父と僕とでは診療方針はまったく違っていましたが、お互いに干渉することがなかったので問題はありませんでした。父は僕に積極的に患者さんを担当させてくれましたね。

歯科医師3人体制で必要最小限の治療をめざす

この歯科医院の診療方針を教えてください。

上住和也院長、上住卓先生、寺西祐輝先生 上住歯科医院3

【上住院長】ここに戻ってきた当初は、顎と口腔をトータルに診る「ナソロジー(顎咬合学)」という考え方が歯科医療の主流で、僕も治療するなら噛み合わせを含めてすべてきっちり治すという考え方でした。削って、かぶせて、咬合を調整することで、患者さんに幸せになってもらえればと思い、一生懸命に取り組んできました。しかし、治療を続けるうちに、それだけではないと思い始めたのです。歯を削ると、確実に自然のままの歯より悪い状態になります。それなのに、かぶせ物などで咬合を改善しようとすることに疑問を持つようになったのです。噛み合わせの状態が悪くなるにはそれなりの理由があるのに、治療によって咬合を改善しても口腔全体が良くなるのか、それは患者さんにとって本当に良いことなのかという疑問もありました。近年は、ミニマルインターベンション(MI)といわれる必要最小限の治療を指針として、診療にあたっています。

最小限の治療で済ませるためには何が必要ですか?

【上住院長】生活習慣の改善も含めた予防が必要でしょうね。例えば、逆流性食道炎と歯ぎしりには関連性があると考えられています。逆流性食道炎で胃酸が食道に上がってきた時に唾液を飲み込むと胃酸が中和されます。しかし、胃酸の逆流は就寝中に多く、寝ている間は唾液が出ないので、脳から「唾液腺を刺激して唾液を分泌せよ」という命令が出ます。その結果、唾液腺を刺激するために顎を動かすようになり、歯ぎしりが起こりやすいのです。さらに、若い人に胃がんの原因とされるピロリ菌が少ないことも、歯ぎしりに影響しています。ピロリ菌には実は胃酸の生成を抑える作用があり、ピロリ菌がいない人は胃酸が多く、逆流性食道炎のリスクが高いのです。歯ぎしりは歯が折れたり欠けたりする破折の原因ですが、しっかりと予防するためには消化器内科の治療、食生活の改善なども必要になるというわけです。

患者さんに生活習慣のアドバイスなどもされるのでしょうか。

上住和也院長、上住卓先生、寺西祐輝先生 上住歯科医院4

【上住院長】お口の中を診て、歯ぎしりや噛みしめの痕跡が認められた場合には、必ず生活習慣などについてのアドバイスをするようにしています。歯ぎしりや噛みしめがあると、知らない間に歯に大きな力が加わります。そうした破折の恐れがある状態で、治療を進めることは適切ではありません。場合によっては消化器内科の受診を勧めることもあります。ただし、無意識でやっていることなので、何か問題が起こらない限り患者さんは自覚しづらいのが現状です。当院は長く通ってくださっている患者さんが多いので、問題が起こるなどすれば皆さん納得して予防に取り組んでくださいます。

訪問診療からインプラント治療まで幅広く診療を

現在、3人体制で診療にあたられています。お二人が歯科医師を志したのはなぜですか?

上住和也院長、上住卓先生、寺西祐輝先生 上住歯科医院5

【卓先生】父から歯科医師になれと言われたことはありませんが、やりがいのある職業だというのは身近で感じていましたので、気がつけば歯科医師をめざしていました。
【寺西先生】僕も父が歯科医師なのですが、卓先生と同じく父から歯科医師をめざすように言われたことはありません。ただ、やはり父の影響はとても大きかったと思いますね。

訪問診療にも取り組んでいらっしゃいますね。

【上住院長】まだ訪問診療が広まっていなかった頃、入院中の知人の親御さんを診たのが最初です。現在はほぼ毎日、個人宅や施設を訪問しています。お口の中の状態やその方の生活環境も一人ひとり違うので、その方に合った治療やケアを心がけています。大事なのは患者さんに寄り添って、その方が苦痛に思われていることを少しでも改善すること。例えば、歯をなくした方に入れ歯を入れるということは、歯科治療という視点では正しいですが、本当は入れ歯治療をしたくない人に「入れ歯を入れましょう」というのは歯科医師からの押しつけになりかねません。別の選択肢も提案し、患者さんが納得して治療を進めることも大切です。訪問診療の現場では、設備面などから最高のパフォーマンスを発揮するのが難しい場合もありますが、患者さんの話をきちんと伺い、対応可能なことに最善を尽くすという姿勢で臨んでいます。

近年、インプラント治療にも力を入れているそうですね。

上住和也院長、上住卓先生、寺西祐輝先生 上住歯科医院6

【卓先生】当院には長く通われている方が多く、この地域も高齢化が進んでいますから、患者さんからのご要望もあり、当院でインプラント治療を行えるように設備と体制を整えました。大学卒業後、大学院で口腔インプラント学を専攻しながら診療に取り組んでいます。僕の先輩であり先生でもある、インプラントに精通している寺西先生に勤務していただいています。
【寺西先生】大学病院で勤務しながら、こちらの歯科医院でも診療にあたっています。大学病院では、難しい症例を含めたインプラント手術を多く手がけています。歯を失われた方、インプラント治療を悩まれている方は、メリット、デメリットを含め丁寧にご説明していきます。

読者へのメッセージをお願いします。

【卓先生】わかりやすい言葉で、かみ砕いてご理解、ご納得いただけるまで丁寧に説明を行うことを大切にしています。お口の中のことで気になることがあれば、気軽にご相談に来ていただきたいです。
【寺西先生】患者さんのお話を、まずはすべて伺うことを大事にしています。歯科治療においては、歯科医師の説明が長くなりがちなのですが、患者さんが何を困られているか、どうしていきたいかを全部お聞きしてから治療のお話に進めていきます。まずはお話をしに来ていただければと思います。
【上住院長】歯は体の健康にさまざまな影響を及ぼします。また、口元を大事にケアすることは、笑顔や幸せな毎日につながります。だからこそ、自分の歯は自分でケアして守るという意識を持っていただき、不具合や困ったことがあるときは遠慮なく歯科医師に相談してください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/35万円~、歯列矯正/70万円~

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