加藤 典子 院長の独自取材記事
つばめデンタルクリニック川西
(川西市/川西能勢口駅)
最終更新日:2022/08/22

阪急宝塚本線川西能勢口駅の北側、複合ビルの2階にあった「つばめデンタルクリニック川西」は、2022年2月に同じビルの1階へと移転リニューアルを果たした。加藤典子院長やスタッフの思いとともに「多くの患者さんからご意見をお聞きしました」という院内は、リラックスできるやわらかな雰囲気と、口腔外科手術に対応する専門性の高い診療環境を兼ね備えている。虫歯や歯周病を繰り返さないための治療やセルフケアに力を入れ、その上で口元の美しさを高めるためのアプローチやインプラント治療など幅広い歯科診療を提供。さらに患者の全身状態にも目を向け、医科との連携も積極的に行って「全身の入り口となる口腔の健康を支えたい」と輝く笑顔で語る加藤院長に、めざす歯科診療や地域への思いを聞いた。
(取材日2022年2月17日)
先進的な設備と居心地の良さを備えた新クリニック
最初に、移転リニューアルの経緯をお聞かせください。

クリニックを引き継いで4年が過ぎ、患者さんが増え診療内容が広がる中で、手狭に感じる機会が増えていたんですね。ビルの2階にあったので、お子さん連れの方やご高齢の方からは上り下りが大変だというお声もありました。さらに、私の専門である口腔外科の診療環境を充実させたいとの思いもあり、移転先を探していたところ、ちょうど真下のフロアが空いたのです。当クリニックには前院長の時代から長く通われている患者さんも多く、場所自体はほぼ同じでしかも歩道から直接入れるこの場所は理想的な移転先でした。移転準備に入ってからはスタッフと動線や間取りを検討し、患者さんにも「どんなクリニックが良いですか?」とお聞きして、さまざまな思いが詰まった新クリニックになりました。
患者さんからはどのような希望がありましたか?
歯の治療はやはり緊張するものですので、くつろげる、ホテルのような雰囲気を望む方が多かったですね。診療する私たちも、口腔外科の手術は高度な清潔が保てる手術室で行いたい一方、日常的な処置やクリーニングは、なるべくリラックスして受けてほしいんです。特にお子さんは、初回に怖い印象が残ると、次からの受診が嫌になってしまいます。ですから、待合室はアイボリーを基調とした装飾のあるデザインにして、居心地の良さを大事にしました。一般の診察室や個室の診察室も、待合室に似た壁紙や照明を使っています。エックス線室は宇宙空間にいるような壁紙と小窓で、閉塞感の少ない楽しい雰囲気にしました。そういえば、カウンターの天板の縁などにきらきら光るタイルを施したところ、お子さんから「かわいい」と好評です。その印象から、受診自体も良いイメージになればうれしいですね。
診療面ではどのように変化しましたか?

チェアが手術室を含め4台に増えたので、待ち時間が少し改善したと思います。また少し広めの個室ができたので、ご相談事項の多い自費診療の方やお子さん連れの方などにも、周囲に気兼ねせず治療を受けてもらえます。さらに念願であった手術室を新設し、マイクロスコープや無影灯を設置。無影灯は歯科では珍しいと思うのですが、お口の奥までよく見えますし、私が移動してもライトの向きを変える必要がなく、集中を切らさず処置ができます。特に、迅速に行いたい親知らずの抜歯には役立っています。手術室はチェアや水も滅菌や消毒のレベルを上げ、高い衛生環境を追求しています。それぞれの患者さんや治療目的に合った診療環境が選べる、メリハリのある院内になりました。
虫歯と歯周病をきちんと治し、健康な口腔の維持を
診療で大事にしていることを教えてください。

歯を失う大きな原因である「虫歯」と「歯周病」、何よりもこれらをきっちりと治療するようにしています。失った歯を補う治療や見た目重視の処置はあくまでもその先にあり、虫歯と歯周病が克服できないと他の治療もうまくいきません。実際には予防歯科が普及して虫歯はかなり減っていますが、歯周病は進行しないとほとんど症状が出ず、働き盛りの世代では放置している方も多いことが気になっています。歯周病は歯科医師が治療プランを立て、さらに歯科衛生士によるプロのケアや指導と患者さんが行う日々のケア、この3つがそろって初めて治療が成立するのです。だから歯周病治療がきっちりとできることは、すべての治療のベースになると考えています。
具体的にはどのような点がポイントになりますか?
虫歯も歯周病も、患者さんの生活習慣が大きく影響します。甘い飲食物を少しずつ食べ続けたり、喫煙の習慣であったり。中には歯を磨くと血が出るから歯磨きはしないという患者さんもいました。ですので、患者さんが生活の改善やセルフメンテナンスに取り組めるよう、「意識を変えてもらう」ことが大事になります。これができないと、せっかく治療をしてもまた虫歯や歯周病を繰り返し、「歯科に行っても治らない」ということになりかねませんから。意識改革は簡単ではありませんが、当クリニックの歯科衛生士は各患者さんの症状や生活に合わせた丁寧なサポートを行っています。歯の染め出しをして、汚れている部分を見てもらってから歯ブラシの指導をしたり、歯間ブラシを朝晩使う習慣をつけてもらうために、2週間分のスタンプカードを作ったり。成果を実感してもらえると、患者さんの生活習慣も変わっていきます。
口腔外科の治療にも力を入れていますね。

女性で口腔外科が得意な歯科医師は珍しいかもしれません。実は学生時代から、歯周病治療やインプラント治療ができるようになりたいと思っていたので、卒業後はまず大学病院で口腔外科の診療に携わり、その後さらに開業クリニックでインプラントや歯周病治療の経験も積みました。だから、初期治療から口腔外科手術まで、できる治療が幅広いのだと思います。親知らずの抜歯は多いですし、インプラントでは歯科用CTやガイドシステムも活用し、安全重視かつ患者さんの負担に配慮した手術を行っています。九州大学の口腔外科では口腔内腫瘍の患者さんを担当することもあり、全身疾患やお薬の副作用で生じた口腔内症状を診る機会も多く、その知識が今の診療に役立っています。
「お口は全身の入り口である」ことを意識した歯科診療
見た目をより美しくするための歯科診療への関心も高まっています。

当クリニックでもホワイトニングやマウスピース型装置を用いた矯正を行っています。最近は若い男性でも見た目への意識が高く、ご相談も多いですよ。また失った歯に対しては、インプラントの他にブリッジや義歯などの治療もあります。これらの診療は見た目とともに「噛む」という機能を高める目的もありますので、事前検査を丁寧に行い、各患者さんに適した内容をご提案しています。自費診療になると費用が気になりますが、最近では保険診療で使える白い材料も増えていますし、自費診療では治療前に必ず見積もりを出してご検討いただきます。機能、費用、安全性などさまざまな面から患者さんに適した治療を一緒に考えていきますので、まずは気軽にご相談ください。
地域との関わりも大事にされているそうですね。
川西は便利さと自然に恵まれた街で、私は大好きです。クリニックには私や家族とご縁のある患者さんも多いですし、家族や周囲の方に子育てを助けてもらいながら診療を続けてきました。ですので、歯科医師として少しでも地域に恩返しがしたいと思っています。学校歯科検診を行う中で、口腔内の状態から問題を抱えた子どもに気づくことができるのは、歯科医師ならではの役割ですよね。また、お口の症状が他の部位の疾患やお薬の副作用から来ているような場合には、内科や耳鼻科など地域の医科の先生方とも積極的に連携し、相談しながら治療を進めます。もちろん必要な症例は大学病院などへご紹介しますが、近隣の医療機関が協力して解決できれば患者さんの負担も軽くなりますので、地域内での連携や協力は大切にしています。
これからの展望をお聞かせください。

高齢化やストレス要因の増加などで、病気をお持ちであったり、お薬を飲んでいる患者さんが増えています。歯科診療においても、口と全身はつながっていることを意識し、知識を持って治療することが重要になるでしょう。口内炎一つをみても、お薬を出すだけでなく、なぜ口内炎が起きているのか考えて対応する必要があります。さらに、歯科医療自体も日々進歩しています。これからもスタッフとともに勉強を重ね、最新の知識と技術を備え、安全・安心で患者さんの全身の健康を高められるような歯科診療の提供をめざし、地域の皆さんに喜んでもらいたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/42万1300円〜、セラミックインレー/5万600円~、ホワイトニング/1万8150円~、マウスピース型装置を用いた矯正/44万円~、ジルコニアインレー/6万8200円~、ジルコニアクラウン/前歯:9万6800円~、臼歯:9万200円~、オールセラミックスクラウン/前歯:10万7800円~、臼歯:10万2300円~/義歯(金属床):36万2670円~/ノンクラスプデンチャー:15万480円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。