中野 良介 院長の独自取材記事
中野歯科医院
(世田谷区/用賀駅)
最終更新日:2024/04/09
東急田園都市線の用賀駅・桜新町駅からそれぞれ徒歩10分ほど。落ち着いた雰囲気の住宅街にある「中野歯科医院」は、長く地域住民に親しまれているクリニックだ。1985年の開業以来、リニューアルを経てより利用しやすい環境となり、現在は2代目の中野良介先生が院長を務めている。大学病院との連携も強化し、気軽に通える「町のクリニック」として、子どもから高齢者まで幅広い年代に対応するための設備と体制を整えている同院。歯科技工士が常駐しているので、入れ歯の相談に迅速に対応できるのも特徴だ。また中野院長やスタッフの多くが子育て経験者ということもあり、子どもの歯についても相談しやすいだろう。穏やかで優しい中野院長に、同院の歴史や今後の展望について聞いた。
(取材日2023年7月27日)
地域に根づき、幅広い年代の悩みに応えるクリニック
クリニックの歴史や体制をお聞かせください。
当院は父が1985年に開院し、私が2代目として院長を引き継いだのは2017年のことです。その際にリニューアルを行い、クリニック全体をバリアフリー化して歯科用CTやマイクロスコープを導入しました。現在は私や父の他、私の弟も歯科医師として勤務しており、インプラントを専門とする先生も非常勤でいらしています。歯科衛生士や歯科助手も長く勤めているスタッフが多く、顔なじみの患者さんとの世間話でにぎやかです。歯科技工士もほぼ常駐しており、入れ歯の修理や手のかかる技工作業なども迅速に対応可能です。風通しの良い職場であることを大切に、みんなで意見を出し合いながらより良いクリニックづくりに努めています。
どのような方が通われているのでしょうか?
以前に比べて検診やクリーニング希望でみえる方が増えました。父の代から長く通ってくれている方、またそのご家族や、その次の世代のご家族が頼って来てくれることはとてもうれしいです。仕事をリタイアされて職場近くの歯科医院から自宅近くの歯科医院へ変えるため、ご近所の方から当院のことを聞いて、いらっしゃるケースもあります。駐車場もあるからか、やや遠くのエリアから車でお越しの方もいらっしゃいます。今でも父を指名される患者さんも多く、役割分担をしながらゆっくりと代替わりを進められているのではないかと思っています。お子さんや若いファミリー層も年々増えていますね。症状をしっかりと見極めた上で、当院で対応できるものならば院内で治療を行い、難症例などは昭和大学をはじめ専門的な設備のある病院と連携して治療を進めています。
子どもから高齢者まで幅広く診てくださるのですね。
はい。当院は長く地域に根づいたクリニックとして、地元の方と信頼関係を築いてきました。ぜひご家族そろっていらしてください。院内はアットホームな雰囲気で、子育て経験のあるスタッフも多く、親御さんの治療中にはスタッフがお子さんの相手をいたします。また私自身も2人の子どもを持つ子育て経験者。お子さんの対応には慣れていますので、お口のチェックやマウスピース型装置を用いた小児矯正なども、お気軽にご相談ください。歯の根まで鮮明に確認できる歯科用CT、肉眼の30倍で治療を進めることができるマイクロスコープを備え、小さいお子さん、中高生のご兄弟、親御さん、ご高齢の方まで、幅広い年代のお悩みに対応できる環境を整えてお待ちしています。
コミュニケーションを大切に、予防にも力を入れる
診療時に心がけていることをお聞かせください。
コミュニケーションを大切に、歯科医師のペースだけで治療を進めないように心がけています。例えば同じように歯がグラグラして噛めない方がいらしても、「抜かずに残してほしい」という方と「早く抜いてほしい」という方がいます。現在のお口の状態はどうなのか、今後のことも見据えた上でその治療を選ぶとどうなるのか。いくつかの治療方法を、時には模型やアニメーションを使いながら説明し、患者さんと一緒に治療のゴールを決めていきます。患者さんが「こんなはずじゃなかった」と思うことのないよう納得して治療を受けていただきたいですね。どんなことでも気軽にお聞きください。
治療後のメンテナンスにも力を入れていらっしゃいますね。
治療を終えた直後の口腔内は良い状態ですが、生活するうちにどうしても汚れはたまっていき、新たな問題を引き起こす可能性も高まります。ご自宅でのケアの方法もお伝えしていますが、それでも取りきれない汚れにはクリニックでのプロのケアが必要です。当院では、歯科衛生士が痛みに配慮して丁寧にクリーニングを行い、必要に応じて定期チェックを行います。パウダーを使ったクリーニングにも対応しており、ガリガリとあてられるのが苦手な方や、リラックスしてクリーニングを受けたい方にお勧めです。こちらは自費診療となりますが、歯に傷をつけにくく汚れをしっかり落とすことが図れます。また、数年ごとのエックス線写真を見比べることで、見えにくい細かい変化も見落とさないよう心がけています。いつまでもおいしくお食事を取れるように、お子さんからご高齢の方まで年齢を問わず、定期的なメンテナンスをお勧めいたします。
先生が予防に力を入れていこうと考えたきっかけは何だったのでしょうか?
私自身が小さい頃から虫歯で苦労した経験があり、治療時の痛みがとても苦手だったんです。ですので、大学時代の病院実習で初めて治療する側の立場になった時に「痛い思いをさせるのも気持ち良いものではない」と思ったのが最初です。また歯科医師になりたての頃に指導してくださった先生が予防歯科を実践していたこともあり、日本は予防歯科においては後進国であり、先進国では定期的なメンテナンスを受けて虫歯・歯周病の予防をしているのだと知りました。この時の学びを今の診療に生かしています。
歯科医師として、地域のために何ができるのかを考える
先生は、ご自身をどういう歯科医師だと思われますか?
自分のことを話上手だとは思わないですが、相談しやすい先生だと思ってもらえていたらうれしいです。患者さんの気持ちに寄り添って診療できればと考えています。私自身も虫歯治療を受けてきましたし、思いがけず子どもに虫歯ができてしまい、小児のメンテナンスの重要性を改めて感じたこともありました。これらの経験も「患者さんの気持ちがわかる」という意味では無駄ではなかったと思っています。私は20年ほどキャリアを積み重ねてきましたが、同じ患者さんと長年接するとお互い見えてくるものがあるんです。それは口腔内の状態の把握という治療的な意味合いもありますが、人柄や信頼関係といったコミュニケーションの側面もあります。これからも患者さん一人ひとりにしっかりと向き合い、信頼される歯科医師をめざしていきたいですね。
今後の展望をお聞かせください。
地域のために何ができるのかを考えながら、歯科医師としてできることに力を尽くしたいと思います。例えば、通院が難しくなった患者さんへの対応です。開業から40年近くがたち、当初から通ってくださる患者さんがご高齢で通えなくなるケースも出てきました。それでもやはり慣れ親しんだ歯科医師の診療を希望される患者さんも多いでしょうし、今後は訪問診療なども視野に入れていきたいと思い勉強している最中です。この辺りは私の地元でもあり、幼なじみがお子さんを連れて来ることもあります。父の同級生もいらして、父と昔話に花を咲かせていることもあるんですよ。これからの社会で求められる歯科医療を提供することが、地元に対する恩返しだと思っています。
最後に、読者にメッセージをお願いします。
開業以来40年近く積み上げてきた信頼関係を大切にしつつ、歯科医療の進歩に遅れずに新しいことも取り入れながら、より地域に根差していきたいと思っています。通ってくださる方々に「中野歯科と出会えて良かった」と思ってもらえるように、これからもスタッフ一同力を合わせて頑張ってまいります。困ったことがあれば些細なことでもお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/40万円~、入れ歯/15万~25万円、マウスピース型装置を用いた小児矯正/4万円~、パウダーを使ったクリーニング/3000~5000円