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稲村 彦衛門 院長の独自取材記事

彦歯科医院

(米子市/富士見町駅)

最終更新日:2022/08/26

稲村彦衛門院長 彦歯科医院 main

米子市東福原、スーパーや書店、飲食店などが立ち並ぶ県道208号線そばに「彦歯科医院」はある。子どもから高齢者まで、幅広い患者の歯の健康を支える同院の院長・稲村彦衛門(ひこえもん)先生は「野口英世先生の患者のために一心に奉ずる姿に感銘を受けて医療の道を志しました」と話す。大学卒業後、一般歯学部では網羅できない歯科口腔外科や歯科矯正の習得のため鳥取大学医学部に入局。慣れないクリニック経営の中、開業5年目で博士号を取得した努力の人だ。勉強熱心な姿勢は多方面に表れ、子どもたちを喜ばせるために覚えた手品を診療の合間に披露するなど、サービス精神旺盛な一面も。そんな稲村院長に、今回は開業34年目を迎えた同院のこと、患者に治療を理解し選んでもらうための工夫、心強いスタッフたちの存在についてなど、話を聞いた。

(取材日2022年6月28日)

歯科医師だけではなく、患者とともに治療方針を決める

クリニックの特徴を教えてください。

稲村彦衛門院長 彦歯科医院1

当院の強みは、研鑽してきた歯科医療の知識・技術や、患者さんに納得して治療を選んでもらうための説明のスキルなど、長年蓄積してきたノウハウだと思っています。特に、患者さんへの説明は独自の工夫を行っておりますね。治療の前に患者さんから徹底的に希望を聞いた上で、治療計画書を作成し、患者さんにご確認いただいてから治療に取りかかるようにしています。計画書の中には、治療費についても「いつどれくらい発生するか」を詳細に書きます。工程と見積もりをお見せし、治療について資料を用いながら丁寧に説明することで、患者さんにも安心と納得の上で治療を受けていただけると思います。メンテナンスも、治療が終了した後にその必要性をご説明してからご案内をしています。さらに、こだわっているのがアンケートの実施。治療終了後、患者さんに生のお声をご記入いただき、院内の専用ボックスに入れていただきます。

アンケートはどのように活用されるのでしょうか。

私たちに直接言いにくいことや、診療中に話せなかったことが心に残っている患者さんもいらっしゃると思います。アンケートは内容確認後、スタッフミーティングにかけて対応を協議したり、情報を共有したりと、速やかに対応や課題解決に向けて動きます。アンケートに限らず、1つ問題が起きると、即座にみんなが集まって解決に向けて取り組みます。昔はそんなふうにスムーズにはいかなかったのですが、患者さんにお叱りやお褒めの言葉をいただきながら、私もスタッフも意識改革を進めてきました。うまく診療を進める上では、患者さんもスタッフも私もみんな平等。院長だから、歯科医師だからと、上から目線で偉そうにするのではなく、常に謙虚に受け入れる姿勢を大切にしています。

患者・スタッフ・歯科医師が、それぞれを尊重し合う関係性がすてきですね。

稲村彦衛門院長 彦歯科医院2

そうなれたらと、日々努力しています。治療の進め方も、そうした意図から当院のスタイルを作っています。まず、痛みなどの今の悩みを解決して差し上げることが先決なので、患者さんの主訴への治療から始めます。その後、改めて「この後どうしましょうか」と治療内容や方法について、プレゼンテーションをします。ここで先ほどの「治療計画書」が必要となるわけです。私は治療方針は歯科医師だけなく、患者さんとともに考えていくべきだと考えています。患者さんから「あの治療は痛かった」「費用が高かった」というお言葉が出るような診療にならないよう、検討するのに必要な情報をわかりやすく提供した上で、患者さん自身で何を、どんな方法で、どこまで治療するかをお選びいただくようにしています。納得して選んでいただいた治療のほうが患者さんもモチベーションが上がるでしょうし、私たちも全力を尽くせるので気持ちよく診療ができると思っています。

技術とともに己のあり方を学んだ大学病院時代

開業のいきさつを教えてください。

稲村彦衛門院長 彦歯科医院3

始めは歯科医院を開業しようとは、まったく思ってなかったんですよ(笑)。大学病院での研究や仕事にやりがいを感じていましたし、妻も看護師として鳥取大学に勤めていたので、お互いに「このままともに働き続けていこう」と話していたものでした。開業を決めたのは、同じ歯科医師であった父の願いから。開業医である父としては、息子である私にも「地域に根差した開業医になってほしい」との思いがあったのでしょう。迷った末に、この彦歯科医院を開業したのですが、決して順風満帆ではありませんでした。正直に言えば、大学病院でさまざまな実績や経験を積んできたので「開業してもすぐ治療ができるだろう」なんて思っていたのですが、そんなうぬぼれは一瞬でなくなりましたね(笑)。大学病院と町の歯科医師の仕事は大きく異なり、本当に「一からのやりなおし」といっても過言ではありませんでした。必死に取り組んできて、いつのまにか34年たちました。

その逆境をどう乗り越えたのですか?

妻とスタッフたちの協力があってのものですね。今、当時のことを振り返ると、妻からは「本当に見ていられなかった」なんて言われる状態だった中で、ついてきてくれた彼女たちには頭があがりません。私自身としては、とにかく「できないことは学びに出よう」と、がむしゃらに取り組んだことでしょうね。おかげで、負けず嫌いな性格も相まって、インプラントや矯正、義歯を始め、歯科医療全般を院内で対応できるようになりました。スタッフも「患者さんに質の高い医療を提供したい」と一緒に勉強してくれました。スタッフたちはプロ意識が高くて努力家な方ばかり。当院の宝です。そうして切磋琢磨してきたことが患者さんからの信頼につながり、今では歯や口に関わる幅広いお困り事や相談で頼っていただけるようになりました。予防の大切さに共感いただいてメンテナンスや定期検診までしっかり通ってくれる方も多くなりましたね。

話は戻りますが、先生はなぜ大学の一般歯学部を卒業後、大学の歯科口腔外科に入られたのですか?

稲村彦衛門院長 彦歯科医院4

端的に言えば「一般の歯学部では網羅できない、歯科口腔外科や歯科矯正を習得したかったから」になるのですが、根本としては私の医療に対する姿勢が大きく影響していると思います。子どもの頃に野口英世先生の伝記を読んだのですが、そこで知った野口先生の生きざまに深く感銘を受けたんです。私自身も「困っている人の力になりたい」「そのためにはどんな困難な状況の中でも力を尽くそう」と思うようになりました。そんな思いもあって入局した鳥取大学では、技術はもちろんのこと、歯科医師はどうあるべきかという考え方も教わりました。医師や歯科医師は患者さんを支えたいと願っているものですが、患者さんに対して上から目線にならず、平等に接することが、患者さんの苦しみや迷いを解決することになると教わったのです。医療は助けるのではなくて「支える」ものという言葉は、今も私の指針になっています。

口から全身の健康を守りたい

これからの展望をお聞きしたいです。

稲村彦衛門院長 彦歯科医院5

当院は開業から今年で34年目。そろそろ、同じ道を歩んでいる息子たちに一線をゆずる準備をしなければと思い始めています。私たちが長年築いてきた当院のノウハウや治療理念はうまく引き継いでもらいながら、彼ら次世代に建物や設備の刷新や、先進の医療設備の導入などの新たな風を入れてもらうことで、パワーアップした彦歯科医院を作っていけたらうれしいですね。それが医院としての今の最大の希望であり夢です。「患者さんに納得と安心の治療を提供できる彦歯科医院」を受け継いでいってほしいと思っています。

歯科医師として今後注力していきたいことはありますか?

残りの歯科医師人生で注力したいことは、長年取り組んでいる顎位と姿勢の関係の研究です。体のゆがみや、頭痛・腰痛などの全身の不調と結びついていることもあるので、正しい顎の状態「顎位」の大切さをもっと広く知っていただきたいです。歯や口のエキスパートである歯科医師ならではの知識や経験、ノウハウを生かし、患者さんの「体の健康」を守っていけるように、これからも研究と啓発に取り組んでいきたいと思っています。

読者にメッセージをお願いします。

稲村彦衛門院長 彦歯科医院6

心に本音を隠して話をするのはつらいので、私は何でもしゃべっちゃう方なんです。邪念をもつと長続きしないし、いい状態をめざして働くほうが気持ちいいですよね。患者さんが健康でお過ごしいただけるように、納得と安心の治療を提供できるよう、これからもスタッフ一同でプロとして腕を磨き続けたいと思っています。お困りのことがございましたら、お気軽にご相談いただけたらとうれしいです。

自由診療費用の目安

自由診療とは

小児矯正/20万円~、矯正/60万円~、インプラント/1本30万円※2本目以降は1本25万円(2本治療した場合、1本目30万円+2本目25万円=55万円)

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