谷尾 俊輔 院長の独自取材記事
谷尾歯科医院
(八頭郡八頭町/郡家駅)
最終更新日:2026/06/09
スーパーや量販店などの生活環境が整いながらも、豊かな自然に恵まれている鳥取県八頭郡八頭町。郡家駅から車で1分・徒歩10分ほどの距離にある「谷尾歯科医院」は、1989年の開業以来、診療を続けてきた地域密着型クリニックだ。半円を描いたような建物の特徴を生かした、大きな窓の診療室は明るく開放的で、木材や青色をアクセントに使った内装は落ち着きを感じさせる。2024年、母から同院を継承した谷尾俊輔(たにお・しゅんすけ)院長は、大学病院の口腔外科で研鑽を積んできた人物。谷尾院長の母と妻も常勤歯科医師として勤務し、義歯・補綴に、根管治療と、それぞれ異なる領域の強みを持ち、1つのクリニックで多様なニーズに対応する。取材に対して丁寧で穏やかに答える姿が印象的な谷尾院長に、同院の診療について聞いた。
(取材日2026年3月25日)
専門の口腔外科を主軸に、守備範囲の広い治療を提供
最初に、先生が歯科医師をめざされた理由をお伺いしたいです。

歯科医師になったのは両親の影響が大きいと思います。両親ともに歯科医師で、父は定年まで口腔外科の歯科医師として診療していましたし、母はこのクリニックを立ち上げて、今も一緒に働いています。2階が自宅なので、子どもの頃から母が働く姿やクリニックの様子は目にしていたため、自然にこの道をめざしたという感じですね。歯学部に入った時は、将来的に「ここを継承しよう」というビジョンはうっすらとはありました。ただ、卒業後、大学病院の口腔外科に入局してから、この分野にとても興味が湧き、父のように大学病院で口腔外科を研鑽し続けたいという気持ちが出てきたりして。いろいろな先生との出会いもあり選択肢が増えていく中、当院を継ぐか継がないかで、すごく悩んだ時期がありましたね。
先生は口腔外科分野のご経験がおありなのですね。
はい。東京歯科大学を卒業後、鳥取に帰ってきて、鳥取大学医学部附属病院の歯科口腔外科に進み大学院を修了しています。大学病院では、親知らずの抜歯やインプラント治療のほか、口腔がん・良性腫瘍の治療や、口腔・顎骨領域の外傷の手術、有病者の歯科治療にもあたっていました。突発的に生じた口腔内の炎症や外傷などに対応できるのは、口腔外科だと思いますし、今になってみれば、外科処置ができるようになることは、どの分野へ進む場合でも礎になると思ったのだと思います。また、大学院では論文をたくさん読んで論文の探し方や読み方のコツをつかみ、ある程度論理立てて物事を考える癖も培うことができました。そして、研究してみたことによって、自分は臨床のほうが合っているということも認識できました。
口腔外科について少し詳しく教えていただけますか?

口腔外科は、読んで字のごとく「口の中の外科処置」をする診療科ですね。実際は口の中だけでなく、顎や顔面も含みます。手術がメインですが、例えば、親知らずの抜歯もそうですし、唇を切って縫合が必要な場合も口腔外科が対応します。口の中のできものであれば、切除する場合もあれば投薬で様子を見る場合もあります。粘膜の理解も必要です。一番重要なのは、悪性腫瘍の兆候がないかの見極めですね。あとは、顎関節症に関しても口腔学的なアプローチをすることがあります。インプラント治療については、切開したり骨の幅や高さが足りない箇所に骨を作ったりする際は、神経や血管を避けて処置するための解剖学的な知識が必要になります。口腔外科の知識だけでできるものではありませんが、そうした知識があることは大きな強みだと個人的に思っています。
院内で治療を完結することで、患者の負担を減らす
2024年に院長を継承された時に、クリニックをリニューアルされたそうですね。

基本的な間取りは変えていないのですが、待合室を少し広くし、以前あった院長室を潰して診察室に造り替えました。あとは、パーティションを設置し、各チェアにモニターを設置し、患者さんへの説明時に活用しています。器具をしっかり滅菌するための消毒室もあります。内装はガラッと変えまして、白で清潔感は出しつつ、木材と青色をアクセントに取り入れ、落ち着いたサロンのような雰囲気にしたつもりです。設備としては、マイクロスコープや歯科用CT、口腔内スキャナーのほかに、詰め物やかぶせ物を製作するためのCAD/CAMシステムなど、先進のものをそろえました。
クリニックの強みはどんなところでしょうか。
私が口腔外科の専門なので、口腔外科はもちろん、義歯に強い先代院長である母と、根管治療が得意な妻も常勤の歯科医師としておりますので、多岐にわたって専門的に診療できるのが当院の特徴の一つです。補綴に関しては歯科技工室も併設しており、CAD/CAMシステムも導入し、かぶせ物の作製や入れ歯を院内で修理、調整できる体制を整えています。患者さんの全身状態の把握に関しては、大学病院での麻酔科研修や有病者の治療を通して、全身管理についての知識と経験を積ませていただきました。ですので、問診やかかりつけ医との連携を行い、疾患のコントロール状態を把握して治療を行い、ある程度はここで完結できるという点で、患者さんにとってもメリットになるのではと感じています。
ほかに、口腔外科での経験を生かしやすいような領域はありますか。

そうですね。通常は大学病院などの大きな病院に行かなければならないような、斜めや横向きに生えている、難しい親知らずの抜歯でも、院内で対応できる場合があります。また、虫歯などで抜歯を余儀なくされた場合、歯を移植する方法があるのですが、そのようなケースも対応可能です。顎関節症に関しては、姿勢をはじめとした全身の状態を理解した上で、予防や緩和のための生活指導を行っていきます。原因となっている習慣などを見つけ出すことが重要であると同時に、生活の中で実践していただくことが大切です。それから、インプラントについては先ほどもお話ししましたが、口腔外科の知識が非常に有用です。骨量が足りない部位に骨を補う骨造成や、上顎へのインプラントの埋入スペースを確保するためのサイナスリフトも行っており、粘膜や骨に対しての外科処置を数多く行ってきた経験を生かせていると思います。
患者が納得した上で治療を開始することに注力
診療において大切にしていることを教えてください。

特に大切にしているのが時間をかけて丁寧に説明することです。例えば、歯を抜かなければいけない場合では、抜きますということだけでなく、なぜ抜く必要があるのか、抜かない場合にはどのようなリスクがあるのかなどを順序立てて説明しています。現状をお伝えし、患者さんに納得・理解をしてもらった上で、選択肢を提示してお選びいただくようにしています。あとは、患者さんが何にお困りでどんな不安点があるのかなど、しっかりとお話も聞くように心がけています。
来院されるのはどんな患者さんが多いのでしょうか?
継いだ当初は、母の時代からの患者さんが多かったですが、最近はいろいろな世代の方にも来院してもらえるようになってきていると思います。鳥取自動車道の鳥取南ICから車で10分ほどとアクセスが良いため、八頭町の方だけでなく、鳥取市や近隣の若桜町・智頭町からも受診されています。主訴はかなり幅広いですね。
読者へのメッセージをお願いします。

歯科医院は痛くなったら行くもの、何か機能的な不具合が出たら行くもの、という考えを持っておられる方はまだまだ多いと思います。予防歯科ともつながってきますが、定期的な受診をしてもらうということはすごく大事ですので、それを啓発していくことも歯科医師の役割だと思っています。来院いただく方々には、納得してから治療を受けてもらいたいので、とにかくしっかりと説明し、患者さんそれぞれに合った治療方針を提案いたします。自分の持っている口腔外科の知識を生かすことで、患者さんの訴えに対して対応できることがあるかもしれません。何か困り事があるときは、まず一度受診してみてください。丁寧に対応させていただきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/3万円~、成人矯正/38万円~、インプラント治療/24万2000円~、骨造成/5万5000円~、サイナスリフト/5万5000円円、セラミックの詰め物/3万5000円、セラミックのかぶせ物/5万8000円

