高原 克彦 院長の独自取材記事
高原歯科医院
(岡山市東区/西大寺駅)
最終更新日:2026/05/12
1924年、祖父の代に開業し、地元で100年続く「高原歯科医院」。3代にわたり地域に根差した診療を続けてきた。高原克彦院長は大学病院での研究や研鑽を経て、「働くなら地元で」という思いから約30年前に帰郷。空手の黒帯を持つ武術家としての一面もあり、実直で頼りがいのある人柄で、患者目線に立った診療を大切にしている。スポーツ用マウスガードの製作にも力を入れ、院内で一貫して対応することで価格に配慮し、学生にも利用しやすい環境を整える。かつてはたくさんの患者を抱える時代もあったが、現在は一人ひとりと丁寧に向き合い、質の高い治療の提供に尽力している。歯を削ることを最小限に抑え、予防を重視する姿勢は、長く通う患者が多い理由の一つ。院長の話しやすい雰囲気や親しみやすさが安心感につながっている。
(取材日2026年4月9日)
地域に寄り添い続けて100年。3代続く歯科医院
歯科医院の歴史について、継承された思いなど、教えてください。

当院は、祖父が1924年に個人開業し、父、そして私と3代にわたって歯科医院を続け、約100年になります。私は、30年ほど前に帰郷し、診療を続けてきました。東京で研究に没頭していた時期もありますし、医局に残る選択肢もありましたが「働くなら地元のほうがいいかな」と感じていました。都会での生活は刺激があって、遊ぶには楽しい場所ですけどね。岡山に戻ってきてからも、最初から気合を入れて「後を継ぐ!」と決めていたわけではなく、自然な流れだったように思います。ありがたいことに、昔から通っていただいている患者さんや、遠方からのご紹介で来院される方も多く、皆さんとのつながりを大切にしながら、一人ひとりと向き合っています。
歯科医師になられた理由は、やはりお父さま、おじいさまの影響でしょうか。
祖父も父も歯科医師で、家が歯科医院だったという環境もありますが、私自身の性分が大きかったと思います。もともと細かな作業が大好きで、幼い頃から小さなものを組み立てたり、細かく色を塗ったりすることが得意な子どもでした。プラモデルにつまようじで色をつけるような繊細な作業もまったく苦にならなくて……。今思うと父は、私の手先の器用さと歯科医師としての素養を見抜いていたのかもしれません。歯科医師の仕事は、削ったり、整えたりとmm単位の調整が多く、細かな作業ばかりです。改めて、自分には合っているなと思っています。
歯科医院の理念、診療をする際に心がけておられることを教えてください。

私が大切にしているのは、当たり前のことですが、患者さん一人ひとりときちんと向き合うことです。父が院長をしていた頃は、時代もあったと思いますが、1日にたくさんの患者さんに対応していた時もありました。ゆっくり患者さんのお話を聞きながら治療をすることが難しく、向き合うことよりも、さばくことだけで精いっぱいだったようです。父としても、もっとお話を聞きたかったのだと思います。「お年寄りの患者さんを大切にしろ」とよく言われました。今は1日の患者数を20人〜30人くらいに限定し、皆さんのちょっとした変化も見逃さないようにしています。来院された時の様子とか、歯だけではなく「何かおかしいな」と感じたときは、紹介状を書いて、専門の医師に診てもらうようにしています。また、歯を削るのはあまり好きではないので、できるだけ悪くならないように予防歯科も重要視しています。
歯を守るためのマウスガードと予防歯科について
院長のご経験から、スポーツ中のマウスガード着用を推奨されています。

当院の特徴として、スポーツをされる方に、競技用マウスガードをお勧めし、作製も行っています。競技用マウスガードとは、スポーツ中に口内にはめるマウスピースのことです。口腔内のケガや、トラブルの予防、強い力での食いしばりによる歯へのダメージを軽減することが期待できます。マウスガードを勧めるようになったのは、自分が空手をやってきた経験からです。競技に関わる中で、歯のケガが思っている以上に多いと感じてきました。東京にいた時も作っていましたし、岡山でも知り合いに頼まれて作ることが増えていきました。格闘技だけでなく、バスケットボールのように接触が多い競技でも、歯への衝撃は意外と大きいのです。特に学生は、歯を今後も長く使っていかなければいけないので、できれば「何も起こらないうちに準備しておく」という意味で、早い段階から使ってもらえたらと思っています。
マウスガードを勧める一番の理由は何でしょう。
マウスガードの一番の役割は、やはり歯を守ることです。競技中に強くぶつかった時、何もつけていないと歯が折れたり、最悪の場合は飛んでしまうこともあります。マウスガードを装着していれば、その衝撃を和らげることが望め、ダメージの軽減も期待できます。また、もし歯にトラブルが起きた場合でも、マウスガードをしていることで状態を保ちやすいという利点もあります。さらに、傷口に汚れや細菌が入りにくくなるため、その後の経過にも差が出てきます。学生でも導入しやすいように、当院では型採りから製作まで院内で行い、できる限りコストを落とした価格に設定をしています。徐々に、ご紹介や県外の方も増えてきている印象です。
予防歯科について、先生のお考えを教えてください。

歯は一回削ったら元に戻らないので、できれば悪くなる前に治療をし、治療後の状態をきちんと維持できるのがベストです。歯科医院は「治ったら終わり」になりがちですが、そうならないために大切なのは、患者さんと「仲良くなること」。はがきでご連絡をしたりもしますが、やはり声をかけるのが一番ですね。歯にトラブルがあった時に話しやすいとか、相談しやすいとか、そう思っていただけるよう、親しみやすい空気感を大切にしています。また、個人的に歯を削るのはあまり好きではないので、できるだけ元の歯を残しながら治療をすることも当院の特徴かと思います。治療後、歯をどう保つかはとても大切なため、正しい歯磨き方法や食習慣のアドバイスをしながら伴走し、患者さんに合わせて無理のないペースで定期検診を行っていきます。
大きなことよりも、目の前の一人ひとりを大切に
休日はどのようにリフレッシュされていますか?

休みの日は、体を動かしたり、好きなことをして過ごすことが多いですね。ロードバイクに乗って走るのが趣味で、時間があれば外に出てリフレッシュしています。長く空手をやっていて黒帯も持っていますが、今も水曜日と金曜日は子どもたちに教えています。小さい子はなかなか型を覚えるのが難しいので、でんぐり返しや手裏剣投げみたいな遊びを取り入れながら、楽しく続けられるように工夫しています。普段は、細かい作業が多いので、私にとってもいい気分転換になっています。茶道も10年ほど続けていて、年を追うごとに奥深さに気づかされ、空手や仕事にも通じるものがあると感じています。
今後の展望などがあればお聞かせください。
これからについては、大きなことを考えるよりは、今来ていただいている患者さんを大切に、無理をせず続けていければいいかなと思っています。昔みたいに人数をたくさん診るというよりも、一人ひとりとちゃんと向き合える今くらいのペースが、私には合っていると感じています。あとは、地域の人たちともう少し関われるようなこともやっていきたいですね。イベントで空手の演舞をしてほしいと頼まれることもありますが、それでは面白くないので「忍者の格好とかしたらどうかな」などと考えています。皆さんに楽しんでもらえるようなことができたらいいなと思っています。
最後に読者の方へメッセージをお願いします。

患者さんには、できれば悪くなる前に来院してもらいたいと思ってます。痛くなってから来るよりも、普段から少し気にしてもらうだけで、治療も少なくて済むことが望めますからね。定期的に来るのが難しい方もいると思うので、無理のないペースで、自分のタイミングで通ってもらえたら。あと、マウスガードを使っている方も、違和感があれば遠慮せずに言ってほしいです。少し調整するだけで良いことも多いですから。ちょっとしたことでも構わないので、気になることがあれば気軽に相談してもらえたらと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはスポーツ用マウスガード/5500円〜

