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堤 直也 院長の独自取材記事

上田クリニック

(世田谷区/九品仏駅)

最終更新日:2020/04/01

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東急大井町線九品仏駅前に位置する「上田クリニック」。訪問診療や往診を行う在宅医療と、外来診療の両方を行う地域密着のクリニックである。1990年に在宅医療からスタートし、患者はもちろん家族への心のケアにも心を配る診療が、地域住民から信頼を得ているそうだ。2012年に、現在の九品仏に外来部門を移転し、2015年に内科の診療を行う堤直也氏が院長に就任。「患者さんはもちろん、そのご家族の方々にも安心感を与えたいという気持ちで、スタッフ一同、日々診療にあたっています」と、おだやかな笑顔で語る堤院長に、診療の特徴や、2017年より新しく始めたという障害や難病がある患者にむけた相談支援、今後の展望などについて聞いた。
(取材日2019年5月21日)

患者とその家族に安心感を与えたい

訪問診療と外来診療の両方を行っているのですね。訪問診療の特徴を教えてください。

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当院は、自宅で過ごしたいという患者さんの気持ちに応えたいと、1990年に在宅医療からスタートしました。定期的な訪問診療は、ドクターを固定したほうが患者さんとのコミュニケーションがスムーズにいくのではという考えから、主治医を明確にして診療にあたっています。また、当院の訪問診療の大きな特色は、ソーシャルワーカーと相談支援専門員がいることです。在宅医療、訪問診療についてのご相談の段階から、療養中の社会的、心理的なご相談にも対応しています。また、外来診療との連携もとれており、往診時に皮膚のトラブルが見つかった場合は、外来の皮膚科担当の医師へ指示を仰いで対応をするなど、スムーズで的確な対応を心がけています。

外来診療では、どのような患者さんが多くいらっしゃいますか?

外来診療では、内科、皮膚科の医師が担当しております。内科は、地域にお住まいのご高齢の方が多いですね。生活習慣病や骨粗しょう症、心筋梗塞、脳梗塞に以前かかられ、その後の管理のために来院される方も多いです。風邪をひいたり、予防注射などについては、お子さん連れの方もおみえになりますね。皮膚科は、お子さんからご高齢の方まで、幅広い年齢層の患者さんがいらっしゃいます。お子さんの場合は、あせもや水いぼ、とびひなど、高齢の方は、乾燥など皮膚トラブルや爪のトラブルのご相談などでいらっしゃいます。内科と皮膚科はよく連携がとれていて、内科の患者さんの皮膚症状を皮膚科担当の医師に相談したり、患者さんが内科と皮膚科両方にかかりたい場合は、時間のつなぎ目に来院して受診いただくように案内するなど、こまやかな心配りを心がけています。

日々の診療で大切にしていることを教えてください。

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訪問診療も外来診療も、患者さんやご家族のお話をよく聞くということです。専門的な医療のお話だけでなく、患者さんのバックグラウンドや日々の暮らしなどのことまで話ができる雰囲気をつくり、そこに介入の余地があれば、おせっかいにならない程度に介入させていただいています。在宅医療からスタートしたクリニックらしく、患者さんのメディカルな面だけでなくソーシャルな面にも注目し、寄り添っていきたいと思っています。今は当院までいらっしゃれる患者さんも、状況に応じて、在宅に移行する可能性もありますので、途切れのないシームレスな医療サービスを提供していきたいですね。地域や周辺の病院との病診連携にも力を注いでおりますので、患者さんのご希望をお伺いしながら必要に応じて病院の紹介もさせていただいています。

障害がある人、難病の患者などへ相談支援をスタート

障害や難病がある患者にむけて相談支援をスタートされたそうですね。どんなことを行っているのでしょうか?

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2017年から障害や難病を抱えた患者さんにむけて相談支援事業を始めました。在宅医療を受けている方は高齢の方が多数を占めますが、この地域には、幼い頃から障害があるまま成人になられた方や、難病を抱える方もいらっしゃいます。障害や難病があるご本人はもちろん、ご家族の方々のケアも含めて総合的に力になろうという想いで活動しています。相談支援については、相談支援専門員が中心となって、さまざまな相談に乗りながら、その方に合う障害福祉サービスや医療サービスを活用し、その方の自己決定に即した支援を提供するようにしています。当院には相談支援専門員が1人おりますが、地域に対して十分な人数ではないと感じます。障害や難病のある患者さんの医療面を十分にとらえた上で多角的に生活を支える重要性が、まだまだ浸透していないと感じています。

相談したい場合は、どうすればよいのでしょうか。

障害や難病がある方とそのご家族が、日常生活で困っていることや、どんな支援を受けられるかなど知りたいことがありましたら、来所、電話、FAX、メールでの問い合わせに対応させていただきます。この基本相談は無料ですので、お気軽にご連絡ください。障害福祉サービスを利用する際は、相談支援専門員が区のケースワーカーと相談しながら、医師、看護師、ヘルパー事業所などと連携して対応させていただきます。高齢の方はもちろんのこと、障害や難病があって困っている方々も地域でその方らしく生活していただけるようなサポートも手厚く行ってまいりたいと思います。

地域の患者さんにとって、安心できるような場所なんですね。スタッフ間の情報共有工夫ポイントは?

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在宅で患者さんを介護されているご家族は、いわば24時間、看護師がやっているようなことを続けているわけですからとても大変ですし、ストレスを抱えていますよね。それを乗り越えるために、患者さんやご家族を支えるお手伝いができればいいですね。スタッフ同士で患者さんの最新の情報が共有できるよう、毎朝ミーティングを行い、ドクター、看護師、ソーシャルワーカー、相談支援専門員などそれぞれの立場から気づいた点などを報告しあいます。患者さんの容態が急変したなど、緊急の連絡がある場合は、必要に応じて医療用のSNSで情報を共有し、より迅速にコミュニケーションがとれるよう工夫しています。医療、介護、福祉サービスを総合的に行うクリニックとして、スタッフ一人ひとりが自覚をもちながら対応させていただいています。

施設のスタッフなどとの連携も強化していきたい

外来診療、訪問診療、院長職と、とても忙しいですよね。先生ご自身は、ストレスはたまらないのですか?

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確かに忙しいですが、診療を通して患者さんから元気をもらうことが多いんです。訪問診療に伺って患者さんとお話しすると、いろいろ勉強になるんですよ。例えば、戦争体験の話などは、興味深く聞かせていただいています。認知症の患者さんは、最近のことは憶えていらっしゃらないけれども幼い頃のことは記憶に残っていることが多く、疎開の話や防空壕に隠れた話などをリアルに語っていただくこともあります。そんなお話を聞いていると、一瞬仕事のことを忘れてしまうくらい、引き込まれてしまいますね。人生訓となるような重みのある言葉をさらっとおっしゃったりもするので、こちらの気づきも多いのです。

お忙しい日々の中、休日はどのようにお過ごしですか?

6歳と3歳の子どもがいるので、もっぱら子どもたちと過ごしています。兄弟喧嘩が多いですが(笑)、子どもはかわいいですね。医療人としてだけでなく、父親としても子どもとしっかり向き合っていきたいと思います。

今後の展望について教えてください。

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最近、患者さんのご自宅への訪問診療に加え、施設に出向いての診療も増えてきています。ご自宅の場合は、患者さんとそのご家族と向き合いながら診療しますが、施設の場合は、患者さんとご家族に加え、施設のスタッフと連携が必要になってきます。患者さんを支える「チーム」が変わるので、より適切で親身な医療を提供するためには、施設のスタッフの方々とのコミュニケーションについて積極的に考えていく必要があると考えています。先ほどお話しした相談支援のさらなる充実に加え、施設スタッフの方々ともさまざまな連携をとりながら、地域の患者さんとご家族を支えていくクリニックであり続けたいですね。

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