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小森 亜紀 院長、松本 一臣 先生の独自取材記事

松本歯科医院

(世田谷区/駒沢大学駅)

最終更新日:2022/05/25

小森亜紀院長、松本一臣先生 松本歯科医院 main

駒沢大学駅から徒歩3分の「松本歯科医院」。小森亜紀院長の父である松本一臣先生が開業し、この地で50年以上にわたり愛されている。今年、同院を継承した小森院長は、「患者さまを全力で支えるのが歯科医師の務め」という松本先生の姿勢を受け継ぎ、地域の「健口」づくりに尽力。訪問診療も積極的に行う。患者に対する温かいまなざしが印象的な父娘。「誰もが通いやすい環境づくりを心がけている」という言葉どおり、バリアフリー設計や感染症対策などさまざまな形で優しい心遣いが表れている。新たなスタートを切ったばかりの小森院長と松本先生に、クリニックづくりや力を注いでいる治療などについて話を聞いた。

(取材日2012年5月11日/再取材日2022年4月18日)

高齢者や親子連れにも優しいクリニックをめざして

清潔感にあふれ、ゆったりとした雰囲気のクリニックですね。こだわりを教えてください。

小森亜紀院長、松本一臣先生 松本歯科医院1

【小森院長】父も私も、ご年配の方や女性にも優しいクリニックにしたいと思っていて、どなたでも安心して受診いただけるように環境を整えています。その一つが、バリアフリー設計です。父は高齢の方の治療を一生懸命やってきましたので、特にこだわりを持っています。私は女性の視点から、小さなお子さんを持つお母さんが通いやすいように、ということを重視しました。車いすやベビーカーでもスムーズに移動できるというだけでなく、ベビーカーでそのまま診察室に入って赤ちゃんと対面する形でユニットに座っていただけるようにしたところ、お互いに安心できるようで、とても好評です。お母さんは歯が痛くても我慢するなどご自分のことを後回しにしてしまいがちですが、そういった状況が少なくなったらうれしいですね。

感染症対策を強化されているそうですね。

【小森院長】他の患者さまと重ならないように予約時間を調整し、待合室ではテーブルセットを玄関先にも用意するなどソーシャルディスタンスの確保にも努めています。ドアノブや水回りなどのアルコール消毒はもちろん、診療台は患者さまごとの消毒・清拭を欠かしません。また、医療器具は1人分ずつパックして滅菌し、歯を削るタービンなどは使用の度に洗浄、滅菌しています。何よりも安心して治療を受けていただきたいので、スタッフみんなで考えてできる限りの対策を講じています。

どのような患者さんがいらっしゃいますか。

小森亜紀院長、松本一臣先生 松本歯科医院2

【小森院長】近隣にお住まいの方を中心に、満遍なくいらしている印象です。ご家族そろって受診される方も多いですよ。最初は「女性の先生だから行ってみよう」という感じでお子さんが来られて、その様子を見たお母さんが「私もお願いします」、そのうち「主人もお願いします」とお父さんが来て、という感じですね。ご紹介など、こういったつながりは大事にしていきたいです。

地域と連携し訪問診療を実施。口腔体操で機能向上も

訪問診療に力を入れているそうですね。

小森亜紀院長、松本一臣先生 松本歯科医院3

【松本先生】30年ほど前、区から「高齢者の訪問診療をできないか」と打診があったんです。最初は反対の声もありましたが、私は定期検診だけでは歯科医師としての役割が果たせない、できることからやるのが人としての役割だと考え、最終的には世田谷区から助成金を受けて始めました。最初はできることからやろうというスタンスで、自分の足で近所の患者さまを回るというようなものでしたね。今でこそ訪問診療は一般的になっていますが、早期に取り組んだため、モデルケースとして全国の参考になったようです。
【小森院長】私は父の方針と思いと受け継ぎ、地域と連携しながら訪問診療を行っています。ご家族からの要望もあれば、ケアマネジャーからの依頼もある中で、患者さまそれぞれの状況に合わせて進めています。

口腔体操も行われていると伺いました。

【小森院長】ご高齢の方は嚥下(飲み込み)機能が落ち、誤嚥から肺炎になって病態が悪化することが多いのですが、それをできるだけ防ぎたいと思っているのです。口と喉の筋肉を落とさない口腔体操はとても大切で、クリニックでも訪問診療でも行っています。また、嚥下機能が大幅に落ちると体にチューブを入れて流動食を胃に送ることがありますが、そうなると体の機能が低下するだけでなく、老人ホームに入ることができないなどの問題も出てきます。安全に食べて飲み込むためには、食品の調理の仕方や食事の姿勢、お口や喉の機能の状態など総合的にチェックしていく必要があります。世田谷区歯科医師会には往診相談窓口がありますが、最近は「飲み込もうとするとむせてしまうので、状態を見てほしい」という依頼も徐々に増えているそうです。嚥下障害を防ぐための口腔体操も、もっと認知されるようになればと思っています。

歯の移植をされているのも特徴的ですね。

小森亜紀院長、松本一臣先生 松本歯科医院4

【小森院長】歯を失ったときの治療法としては入れ歯やブリッジ、インプラント治療などがよく知られていますが、もう一つ、移植という方法もあります。親知らずなど使っていない歯を移し入れるというもので、ご自分の歯ですから親和性が高いことが大きなメリットですね。移植する歯が健康であるなどいくつか条件がありますが、条件をクリアすれば有用な手段になると考えています。

ライフスタイルに合わせた治療プランを提案

診察する際に心がけていることを教えてください。

小森亜紀院長、松本一臣先生 松本歯科医院5

【小森院長】患者さまとのコミュニケーションを大切にしています。特にライフスタイルについて詳しく伺って、お一人お一人の生活環境やペースに合わせて無理のない治療プランを立てるよう心がけています。
【松本先生】「支持」という言葉がありますね。私は、患者さまに「指示」するのではなく、患者さまを「支持」するんだという心構えで、診療にあたるようにしています。

歯科医師を志した理由をお聞かせいただけますか。

【松本先生】私は7人兄弟の5番目で、長男なんですよ。早く両親に代わる存在にならなくてはという意識と、人の役に立ちたいという気持ちから、歯科医師の道を選びました。
【小森院長】父の後を継ぐことに反発した時期も、歯科医師の資質が自分にあるのか悩んだ時期もありました。でも、幼い頃から父の仕事の話を聞いて、やりがいのある仕事だという思いが深層心理の中に刻み込まれていたのでしょう。いろいろ考えた末、父と同じ大学を出て歯科医師になりました。勤務医時代は、オールラウンドに診察できるようにということを心がけていました。父のクリニックを継ぐという気持ちは初めはそれほど強くなかったのですが、継承したからには地域に根差して皆さんのお役に立ちたいと思っています。

最後に、今後の展望をお願いします。

小森亜紀院長、松本一臣先生 松本歯科医院6

【松本先生】高齢になると、食べることと話すことが何よりもの楽しみだと思うんです。そのときに大切なのは、お口と歯。「食べようとするとこぼしてしまって恥ずかしい」ということになると食べる楽しみが少なくなってしまいます。どんな姿勢でどんな器具を使えばこぼさずに食べられるかということを、口腔体操を交えつつ患者さんと一緒に考えていきたいですね。
【小森院長】当院では「親子歯磨き講習会」や「大人の健口講座」など、啓発活動にも取り組んでいます。治療するだけではなく、こちらから知識を提供すること。それは地域に根差すという意味で、私たちがやるべきことの一つだと思うんですよね。現在、開催は自粛していますが、環境が整えば再開して、口腔ケアの重要性などをしっかりお伝えしたいと考えています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

ホームホワイトニング/2万2000円
歯の移植:手術/7万7000円(※その後の処置には1回3000円かかります。通院回数やかぶせ物に使用する素材は患者さまごとに異なるため、直接ご相談ください)

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