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延本 全彦 副院長の独自取材記事

のぶもと歯科

(広島市中区/比治山橋駅)

最終更新日:2023/06/29

延本全彦副院長 のぶもと歯科 main

広島市役所や広島大学にほど近い広島市の中心地。国道2号線など大きな通りからのアクセスが良く、駅前通りから1本入った静かな場所に「のぶもと歯科」がある。開業は1975年。早くから訪問診療を開始するなど、かかりつけ医として半世紀近く地域住民の歯の健康を守ってきた。今回、話を聞いたのは、延本全彦副院長。明海大学歯学部に進学し、卒業後も関東で勤務医を経験した後、2010年より同院にて、父の延本充弘院長とともに診療に従事する。「父とは考え方が違うこともありますが、僕が新しいことを取り入れても受け入れてくれています」と、互いを尊重してクリニックを盛り立てているようだ。日々の診察に加え、積極的に勉強会に参加したり、先進機器の操作を習得したり、休む間も惜しんで研鑽を重ねている。

(取材日2021年12月1日)

入院した経験から実感した噛むことの大切さ

大通りから1本入った通りで、あまり大きな看板も出していないのですね。

延本全彦副院長 のぶもと歯科1

開業した時は、すぐ近くの大通りに面したテナントに入っていました。院長の父が言うには、通りすがりに看板を見て来院するのではなく、「この先生に診てほしい」と、患者さんに探し出して来てほしいから、大通りから入ったこの場所に移転したそうです。看板が目立たないのも、「ヨーロッパの歯医者は看板を出していないからいいんだ」と。確かに、パリやイタリアに行った時に見たら、歯科医院は看板がなくて、番地を見て中に入らないとわからないんです。逆に、台湾ではすごく目立つ看板がありましたね。当院では看板や電柱広告、電話帳などの広告も一切出していません。このエリアを選んだのは、父の母校である広島大学の附属病院が近くにあり、連携しやすいからだと聞いています。

どのような患者さんが多いですか。

古くからあるので、多くはずっと通っていらっしゃる中高年の患者さんです。定期的なメンテナンスにきちんと訪れる方が多く、予防歯科への意識が高めなのかもしれません。僕は埼玉の大学を卒業後、関東で勤務医をしていたんですが、都心の大手企業が入るビルにあるクリニックでは、転勤族が多いからか、ほとんど新規の患者さんでした。地元に戻って当院で診察するようになり、「院長が病院勤務をしていた頃からの患者さんがずっといらしてくださってるんだな」と感じましたね。

歯科治療で、どんなことを重視していますか。

延本全彦副院長 のぶもと歯科2

美しくあること、きちんと噛める状態にすることでしょうか。当院では、咬合器で噛み合わせのバランスや強さを精密に計測し、治療に役立てることもしています。僕は20代の頃、外科矯正治療で骨の切断手術をしたんです。その後1ヵ月間入院し、ワイヤーで顎を固定され、経鼻経管栄養や流動食でまったく咀嚼しなかった結果、体脂肪率が18から7%に落ちてびっくりしたことがあります。若者でもそうなるのだから、高齢者が噛めない状態が続くとどうなるかと恐ろしくなり、身をもって噛むことの大切さを知りました。なので、治療によって、よく噛めるようにするお手伝いができたらうれしいですね。また、歯がない人は、飲み込むときに舌で顎を押さえるため、舌に筋肉がついて舌が肥大していることが多いんです。口の中が舌でいっぱいになると、ケアができず汚いままになってしまいます。入れ歯を使ってでも噛むようにすることが大切なんです。

先進の機器を駆使して精度の高い治療をめざす

長年、訪問診療を行っているそうですね。

延本全彦副院長 のぶもと歯科3

当院では、まだ訪問診療が一般的でなかった35年ほど前から訪問診療を行っています。院長が介護施設から「歯科医院に連れて行くことが難しい。何度も通院するのも大変だ」と相談されたのがきっかけだったそうです。僕も勤務医時代に、高齢化が進むにつれてニーズが高まるだろうと、先輩に紹介してもらって訪問診療を経験していました。現在は、病院や介護施設、個人宅などへ、勤務医とローテーションを組んで毎週実施しています。認知症の患者さんや、病気の後遺症で意思疎通が難しい患者さんなど、大変な面も多いですが、来院患者さんと同じレベルの治療を提供できるよう心がけています。

先進の医療機器を積極的に活用されているとか。

歯の痛みの大きな要因は歯の根の中の細菌感染で、歯の根を消毒し細菌を取り除いていくことが根管治療の基本です。マイクロスコープ導入後はさらに再発リスクまで視野に入れた治療ができるようになりました。再発する場合、根が割れるなど、もともと根管に問題があることが多いんですが、マイクロスコープだと肉眼ではわからない異常を見逃しにくいんです。そのほか、歯科専用CTで歯の位置や向き、顎の内部構造を立体的に確認して、安全なインプラント治療や矯正治療に努めています。また、歯周病や虫歯の原因になる細菌をはっきり見られる位相差顕微鏡や細菌検査などを用いて、口の中の状態やリスクを診察し、治療の精度を高めます。さらに傷の早い回復が期待でき、痛みも少ないCO2レーザーや半導体レーザー、痛みを抑える意味で表面麻酔と電動麻酔器も導入しています。こういった工夫で患者さんの負担軽減に努めています。

どんなことを心がけて診察していますか。

延本全彦副院長 のぶもと歯科4

やり直しの必要がない治療を行うことです。歯科治療に限らず、仕事のロスはやり直しをすることだと思うんです。歯科治療の場合、やり直しをすると、患者さんの時間を奪うことになり、こちらにも時間や費用の負担が増えます。そうならないために、治療前の段階で、気になる点は確認をして、ベストな治療ができるように心がけています。そこでも、先進の機器が役立つことが少なくありません。例えば、見た目にはぴったりなかぶせ物も、マイクロスコープで見るとずれがあって調整できたり、エックス線では見えない部分がCTで確認できたり。ですから、治療の途中段階で、気になる点は確認をして早めに対処するなど、やり直しをせずにスムーズにベストな治療ができるように心がけています。

患者のプラスになることがやりがいに

仕事のやりがいを教えてください。

延本全彦副院長 のぶもと歯科5

日々、技術を磨く中で、できないことができるようになることです。例えば、新しい機器を導入すると便利になりますが、そこに至るまでの技術を習得するのは大変です。マイクロスコープの場合は、鏡に映ったような反転像を見ながら動かすので、最初は鏡に映った文字を書くところから訓練を始めました。それに慣れたら模型を使って練習するわけですが、拡大して見えるので、少し動かしただけで大きくずれてしまい、慣れるまで苦労しました。さらに、実際の診察で回数を重ねるうちに、精密に速く操作できるようになる。そんなふうに、毎日努力して技術が高まっていくことは、自分にとってもうれしいし、患者さんにもプラスになるのだと思うと、大きなやりがいになります。

勉強会に参加されることも多いそうですね。

毎月開催されるものや、数ヵ月に1回開催されるものなど、複数の勉強会に定期的に参加しています。キャリアのある先生に学ぶわけですが、しっかり論文を調べて臨んで発表しても、鋭く突っ込まれたり、ものすごく駄目出しされたりします。でも、これまでスムーズにいかなかった原因が「ああ、そうだったのか」と腑に落ちて、その後、同じようなケースでスムーズにできるようになります。また、最新の研究について話を伺うのも、刺激になりますね。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

延本全彦副院長 のぶもと歯科6

訪問診療にも対応していると言うと、「そこまでやっているの?」と驚かれることもありますが、困っている患者さんを救いたいというスタンスは今後も変えるつもりはありません。これからも引き続き、しっかりと診査・診断を行い、問題の根本的な改善を図ることを大切に、なるべく専門的に、さまざまなご要望を受け止めていきたいと思っています。現在、上階をインプラント治療など一部診療のためのフロアにしようかと検討しているところです。患者さんのニーズはもとより、「しっかり治したい、歯を含めて健康でありたい」という想いにきちんと応えられるクリニックであれるよう、設備や治療技術の質をより高めていきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/23万円~、矯正/75万円(マウスピース型装置を用いた矯正)~、ホワイトニング/4400円~

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