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田中 啓広 先生の独自取材記事

桜新町アーバンクリニック

(世田谷区/桜新町駅)

最終更新日:2019/08/28

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桜新町駅から徒歩約3分。駅前通りに建つビルの2階に入る「桜新町アーバンクリニック」は、ファミリードクターをコンセプトに乳児から高齢者まで、地域のすべての世代を支援するために設立された。家庭医療を専門とする医師と各専門分野の医師との連携、そして外来診療と在宅訪問診療、デイサービスのそれぞれのチームが連携を図り、患者の病気や体調、年齢に応じて幅広く専門性の高い医療サービスが垣根なく受けられるというのが最大の特徴。さまざまな部門が同居するグループ内では、実際にどのような連携が取られているのか、ファミリードクターとはどういう役割を果たすのかについて、家庭医療を専門とする田中啓広先生に聞いた。
(取材日2016年6月29日)

家庭医療を専門とする医師として地域のあらゆる世代を見守る

ファミリードクターをコンセプトにされている医院だそうですね。

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当院は、家庭医療を専門として複数のドクターによるグループ診療を行い、地域に根ざした、かかりつけ医ならぬ「かかりつけクリニック」として近隣の方々に医療サービスをご提供してきました。小さいお子さんからお年寄りまでご家族全員をサポートするため、内科、小児科、皮膚科の他、専門の医師が診療にあたる婦人科や心療内科まで、幅広く専門性の高いチーム医療を行っています。また、在宅訪問診療チームとの連携により、住み慣れた地域や自宅で安心して暮らし続けたいという方をご支援していること、クリニック内の短時間機能回復型デイサービスとも連携して、医療と介護の両面から家庭医療を実践している点もまた、当院の特色です。

外来診療以外の部門とはどのように連携していますか?

例えば、外来診療にいらっしゃっている患者さんがご高齢になるにしたがって、だんだんと通いづらくなってくることがあります。外来診療と在宅診療の狭間、いわばグレーゾーンにいらっしゃる方を、外来診療の医師と在宅訪問診療チームが情報交換しながら少しずつご自宅での診療に移行していく、といった連携ですね。在宅訪問診療チームには社会福祉士も在籍していて、患者さんがスムーズに在宅診療へ移行できるよう、すべての関係者をうまく繋げてくれています。短時間機能回復型デイサービスでは、ケアマネージャーがそれに近い役割を果たしている状況です。また、世田谷区内には当院を含めてグループクリニックが3つあり、入院が必要、もしくは外科的な治療が必要といった場合は連携を取ることが可能です。

患者さんの傾向についてお聞かせください。

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まず言えるのは、健康意識が高いということです。ご自身の体についていろいろと知っていらっしゃいますし、私たち医師とも対等にディスカッションできるくらいです。風邪や胃腸炎などの急性疾患をはじめ、高血圧・脂質異常症・糖尿病といった生活習慣病などの慢性疾患を抱えた方、皮膚のトラブルを抱えた方等、さまざまな主訴で来院していただいております。世代的には小児は2割、成人5割、高齢者は3割程度となっています。疾患別では、急性疾患は3割程度、慢性疾患は4割程度、皮膚疾患は2割程度で、他、精神的な問題、泌尿器科の問題、めまいなどの耳の問題など様々な問題を抱え、『まずどこに相談したらよいかわからない』という理由で来院される方もいらっしゃいます。

患者ではなく「人」として捉える家庭医療が専門

先生も家庭医療がご専門ですか?

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研修医時代から、患者さんのどのような健康問題でも相談に乗れる家庭医療を学んできました。医療の世界では、ペイシェントセンタードといって患者中心という考えがありますが、この場合の医師は、患者さんが病気になってはじめて現れる存在です。一方、パーソンセンタードという人間中心の考えでは、ちょっとした問題や予防医療の段階から医療関係者がかかわるんですね。しかも、対象となるのは、地域全体の「人」。その、パーソンセンタードが実際にできるのが、まさに家庭医療の医師だと私は思っています。病気かどうかわからない時でも頼って相談に来ていただける、そんな医師になれたらなと思いながらここで診療にあたっています。

家庭医療の医師をめざした理由を教えてください。

大学時代、恩師のアドバイスで北海道の病院へ研修に行きました。そこで家庭医療があることを知ったんです。「これだ!」と思いましたね。一番興味を引かれたのは、病気を診るというよりも人を診ること、「患者」ではなく「人」として捉えるところでした。そしてもうひとつは、受診していただいた方と継続的な関わりを持たせていただくことで、その方と医師の両者にとって効率的な医療につながればという思いからです。限られた時間の中で、今までかかった病気について聞いても、こちらから積極的に伺わないと患者さんから聞き出せないことがあります。今までの病気について継続的な把握ができていれば、短時間で診断に至ることができ、患者さんの負担を軽減できることに繋がります。家庭医療の医師の特徴である【継続的な関係】があることはとても大きな意味を持っていると考えています。

診療で心がけていることは何ですか?

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当然ですが、不安・心配・希望などを持って受診されますのでその背景をしっかり聞くようにしています。症状については何か思い当たるきっかけがないか、その症状でどんな不安・心配があるのか、治療・検査ではどんな希望があるのかなどです。それに加えて診断・治療につなげるためのお話を伺います。また病気に対して共通の理解をもち、一緒に治療プランを考えるようにもしています。例えば、健診で糖尿病を指摘された方であれば、「どうして血糖が上がってしまったのか」は確認します。多くの場合は『間食するから』『運動をしていないから』『お菓子が好きだから』などの返答があります。それからその思い当たる原因に対してまずどうしたらよいのかを伺い、患者さん自身にも積極的に治療を考える姿勢を持っていただき治療計画を一緒にたてます。一方的に治療法を指示しても、生活習慣の改善につながらなかったり、治療をやめてしまうこともあるためです。

10年、20年と継続的な診療を長くやっていきたい

こちらに入職されたのはどういったご縁ですか?

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きっかけは、ここに勤めている先輩ドクターからの紹介です。実は、私の生家がここから車で10分くらいの場所にあり、そろそろ世田谷に戻ってきたいと思っていたところだったということもあります。でも、ここに決めた最大の動機は、継続的な診療を、腰を落ち着けてやりたかったということです。先ほど申し上げたように、継続的な診療が効率的な医療に繋がると確信していますが、実際に1箇所で長く家庭医療を行う機会がこれまでありませんでした。継続的な診療の効果を確認するには、10年、15年と診ていく必要があります。自分の年齢を考えると、そろそろスタートしなければならないリミット。大学を退職し、同じく家庭医療をめざすドクターが多くいる当院で働くことを決めました。

そもそも医師をめざしたきっかけは何ですか?

きっかけのひとつは、高校3年生の時にテレビで観た救急医療の番組です。人の命を救っている現場の医師について、素直にすごいなと思いました。もうひとつのきっかけは、当時の自宅近くに開業していた2つのクリニックで治療を受けたことです。鼻炎のあった私は最初、近所でも人気のクリニックに通っていました。しかし、週に2回も3回も鼻の吸引に通わなければならず、時間がなかったこともあって別のクリニックで診てもらうことにしました。そこでは、ごく普通に薬を処方してくれただけですが、みるみる症状が治まり、月1回の通院で済むようになったんです。そういうことがあって、地域にもきちんとした医療が必要だと思い知るのと同時に、地域に根差した医師になるのは良いなと思い、医療の道をめざすようになりました。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

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気になることがあれば、どんな些細なことでも気兼ねなくご相談いただければと思います。ご自身で抱え込んでいても、解決するのはなかなか難しい時もあります。医師が治療しなくてもご自身で解決できることもありますから、そのためのヒントを得るために当院を利用する、といった感覚で足を運んでみてください。『病気じゃないかもしれないけど気になる』といったところまで診るのが役割ですので、遠慮はいりません。私だけでなく、当院の外来担当の医師はみんな、家庭医療を学んできたドクターばかり。小さな不安や悩みでも、まずはきちんと受け止めて一緒に解決法を考えていきますので、何かあればぜひご来院ください。

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