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難波 龍人 院長の独自取材記事

駒沢なんば眼科

(世田谷区/駒沢大学駅)

最終更新日:2019/11/15

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東急田園都市線の駒澤大学駅から徒歩約4分、閑静な住宅地の一角にある「駒沢なんば眼科」。2006年に開院した同院の趣ある建物は、外国人の住宅を改装したものだという。院内には鉄道ファンだという難波龍人院長が描いた水彩画が飾られる。やわらかな色合いの繊細な作品は訪れる患者の心も癒やしてくれるだろう。冗談を交えながら終始笑顔でインタビューに応じてくれた難波龍人院長の温かな人柄が、院内の細かい心遣いからも伝わってくるようだ。緑内障治療の経験を積み、神経眼科や小児の斜視、弱視治療を専門に学んできた難波院長にさまざまな話を聞いた。
(取材日2019年10月9日)

眼鏡に対する罪悪感を持たせない優しい言葉がけを

とても居心地の良いクリニックですね。

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1999年の開院当初は、有楽町駅前のビル内で診療していました。何をするにも便利な場所でしたし、充実した気持ちで診療を行っていましたが、私のイメージする開業医はお子さんからお年寄りの患者さんまで診る地域のクリニックでしたので、住宅街で開院する場所を探していました。その頃、たまたま緑のきれいな駒沢公園の写真を見て実際に来てみたら、ちょうど秋のお祭りをしていて元気で活気のある町だと感じました。紹介されたこの場所は外国人の方が住んでいた住宅で、開院に際して実はほとんどレイアウトを変えていません。待合室の場所はもともとリビングで、診察室と中待合スペースがダイニング、検査室はキッチンでした。だからでしょうか、クリニックというイメージがあまりなくて居心地が良いと患者さんにも好評です。

注力されている診療は何でしょう?

お子さんの近視ですね。近視はいろいろな要素が重なって進んでいきます。例えば遺伝的なものもその一つで、もともと東洋人は近視化しやすい民族ともいわれるんですね。昔の子どもに比べて勉強やゲーム、スマートフォンを見る時間が長くなっただけでなく、姿勢が悪いお子さんが増えたからでしょうか、近視のお子さんは増加の傾向にあると感じます。近視になると、目の形が変わってきますので、元に戻すことは難しいため、いかに進行させないかが大事になってきます。姿勢が悪いと目のピント合わせに力が入り、それを続けていると近視になりやすいといわれていますし、心臓や肺、胃や腸にも影響を与えるといわれ、50歳、60歳になった時に心臓や腰の病気になりやすいという論文も出ています。

近視になった場合、大切なことは何でしょう?

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近視になったからといって軽度であれば心配する必要はなく、眼鏡をかけて見えていれば、進行しないように気をつけていればよいと思います。問題は、眼鏡をかけることを極端に嫌がるお子さんや親御さんがいらっしゃるということです。見にくいものを無理して見るのは、目にも脳にも良くないと考えられるので、見にくくなったら眼鏡をかけるのがいいですね。そのためには、「そんなことをしていたら、眼鏡になるよ」といった言い方でプレッシャーをかけるのは良くありません。お子さんが眼鏡をかけたがらなくなりますし、中には怒られるのが怖くて黒板の字もまともに見えていないのにそれを隠そうとする子もいます。眼鏡をかけることは、目が悪くなったことに対するお仕置きではありませんから、「目が悪くなったら、眼鏡をかければいいんだよ」と、優しく教えてあげてほしいですね。

病気を伝えるサインを見逃さないことが眼科医師の使命

先生が医師をめざされたきっかけを教えてください。

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子どもの頃から物作りが好きで、工学部に進もうかと考えたこともありましたが、眼科医師である父の背中を見て育ったこともあり自然と医学の道を志すようになりました。網膜剥離や緑内障という言葉も、意味はわからなくても子どもの時から耳にしていたので、なじみのある眼科に落ち着いたというのが眼科に進んだ理由でしたが、実際に学んでみて専門性に特化した奥深い分野だと感じました。入局した大阪医科大学の眼科では緑内障を専門とされている教授につき、緑内障に関する知識を積むことができましたが、それと平行して北里大学の眼科で神経眼科を学び、斜視や弱視について専門的に勉強する機会を持つことができました。

神経眼科とはどのようなものなのですか?

神経眼科は視覚信号を伝える視神経から脳内の伝達経路に関する領域を扱い、眼球の中にとどまらず視覚情報処理の異常などを診療していく科です。例えば、目の動きを司る脳幹部という場所で、両目の動きがずれないようにコントロールしているのですが、その働きが狂ってしまうと複視といって物が二重に見えたり、ピント合わせが悪化することがあります。神経眼科では伝達路障害の場所や病気を明らかにして診断や治療を行っていくのですが、脳神経内科や脳神経外科と重なり合う部分も多く、CTのない時代には眼球の動きが脳神経の情報を知る手がかりとされていました。「目を見て病気を知る」ことは、現在の診療でも大いに役立っています。目の病気だけでなく小脳の腫瘍や神経疾患など、目から発信される全身のいろんな病気のシグナルにいち早く気づき、病気を見落とさないことが私たちの使命だと感じています。

勤務医時代のことをお聞かせください。

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勤務医の頃は、外来、病棟診療、手術に加え、研究、論文の執筆などもあったので忙しかったですね。入局して3年目の頃はまだシートベルト着用の義務化が法定されていなかったので、顔からフロントガラスに突っ込んで目を負傷してしまうフロント外傷が多く、夜中に運び込まれる急患も多かったんです。1週間で6回ほどの緊急手術を行ったこともありましたが、シートベルトの着用率が上がり、交通外傷の患者さんが激減したことは本当に良かったと思いますね。

常に目の健康を意識することが大切

最近、診療を通して気になっていることは?

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近視にも関係がありますが、コンタクトに対する一般のイメージと眼科医師の持っているイメージにずれがあると感じています。眼科医師にとってコンタクトレンズは危険なものだというのが頭にあって、いかに危なくなく使えるようにするかということを常に気にしています。しかし患者さんの中には、コンタクトレンズの取り扱いがルーズになってしまう方もいます。実際、コンタクトレンズのトラブルで失明する方もいることはあまり知られていません。角膜の裏側は表面と異なり、細胞の数が生まれたときから決まっていて年齢とともに減っていきます。若い頃に無理な使い方をすると細胞の数が減り、本来は生涯持つものが途中の段階で足りなくなってしまうことも。使い捨てのコンタクトレンズが使われ始めてからはまだ歴史が浅いですから、これから先、そのような人が増える可能性も指摘されています。

どのようなことに気をつけて眼鏡やコンタクトレンズを使用すればよいのですか?

度数よりも強めの眼鏡やコンタクトレンズを使っているために、目に不調を感じている方が意外と多いですね。本来、眼鏡の度数は弱めに作っていくもので、最高でも1.0、コンピューターの作業が多い方は0.7くらいがちょうどいいといわれます。ですが、もっとよく見えるようにと調整していくうちに、本来の近視よりも度数の強い眼鏡になってしまい、それを使い続けることで目の筋肉に負担がかかって疲れ目などの症状が出てしまいやすくなります。場合によっては自律神経に支障を来し全身に影響が出ることもあります。体がだるい、頭痛がする、食欲がないという症状で、内科や脳外科にまでかかり、結局は眼鏡の度数が高すぎることが原因だったというケースも少なくありません。当院では眼科で度数を測り、3ヵ月から半年に1回は検診を受けることをお勧めしています。常に目の健康を意識することが大切だと思いますね。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

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人生百年と言われるようになり、寿命が延びることはとてもうれしいことです。しかし同時に健康でなければ意味がありません。特に見る能力を維持することは重要です。視力が低下すると、動きが鈍くなり転倒などケガのリスクが増えたり、行動範囲が狭くなることにより足腰の筋力低下、さらに認知機能にも影響を及ぼします。大切な目を長持ちさせるためにも、定期的な検診による正しい予防と治療で快適な生活をサポートすることが主治医としての私の役割と考えています。

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