古室 あづさ 院長の独自取材記事
とりの森デンタルケア
(太田市/三枚橋駅)
最終更新日:2022/12/26
東武桐生線・三枚橋駅から徒歩約10分、太田市⿃⼭中町にある「とりの森デンタルケア」。2020年に移転開業した院内には、明るく広々とした待合室が広がる。さらに小児専用の診療ユニットを設けたり、歯科医師2人体制で朝から夕方まで診療時間を区切らず予約のハードルを下げるなど、子育て世代が通いやすい歯科医院づくりに注力。院長の古室あづさ先生は、きりっとした印象で、地域の働く女性を応援したいと女性スタッフの採用にも意欲的だ。そんな地域への献身が伝わってか、院長を慕って長く通い続ける患者も多い。「歯科医院の敷居を下げて楽しいイメージを持ってほしい」と、子育て支援や地域住民に開かれたマルシェも定期開催する同院。地域の核となる歯科医院をめざす古室院長に、小児歯科のこだわりや今後の展望について聞いた。
(取材日2022年10月4日)
子どもと母親が定期通院しやすい歯科医院づくり
こちらの歯科医院のコンセプトを教えてください。
当院では、歯からのアプローチで、地域の皆さんのQOL(生活の質)向上を図ったり、全身の健康を後押ししたいというコンセプトを掲げています。歯科治療においては、継続して通院することが患者さんにとって一番大変なこと。せっかく予防歯科の意識が高い患者さんがいても、都合が合わずに通院を諦めてしまってはもったいないです。ですから、当院では1日の中で診療時間を区切らず、歯科医師2人体制でお昼の時間帯にも診療が受けられるようにしています。また、通い続けるためには歯科医院自体が楽しい場所でないといけません。地域住民の皆さんが参加できるイベントを定期的に開催して、歯科医院を身近に感じてもらえるよう工夫しています。
患者層はいかがでしょうか。
太田地域はお子さんが多いこともあって、当院の患者さんもお子さんやそのお母さんが中心となっています。お子さんは虫歯になると進行も早いですから、月に1度の通院がお勧めです。塾通いのような感覚でお子さんを毎月連れてきてくださるお母さんが多くて、素直に感心しています。また小児歯科から成人になっても矯正にスムーズに移行できるようなキャンペーンも行っていて、全世代の方に生涯を通じて通院してもらえる歯科医院をめざしています。子育て世代のお母さんたちに向けては、情報提供や子育ての悩み相談サークルにも積極的に取り組んでいます。歯科領域に限らず、困ったことがあったら当院に来てもらえるような場所でありたいですね。
院内設備やスタッフについてお伺いします。
当院は2020年にこの場所に移転した経緯があるのですが、その際に待合室を広く取ってキッズスペースも設けました。前身となる森下歯科では場所の制限がありましたが、移転したおかげで診療ユニットも成人とお子さんで分けることができました。授乳室もあり保育士も常駐していますので、お母さんも安心して小さいお子さんを連れて来られると思います。スタッフはほとんどが女性で、明るい歯科医院の雰囲気づくりに貢献してくれています。私自身も女性として地域社会に貢献しながら働き続けたいという思いがあり、働く女性を応援しています。女性にはさまざまなライフイベントがありますが、それによって仕事を制限されることなく、しっかりとやりがいのある職場で働き続けられる環境の提供に努めています。
嚥下運動や顎の個性を踏まえた義歯作り
歯科医師をめざしたきっかけや歯科医院の歴史をお伺いします。
小学校低学年の時に通院していた歯科医院の先生が女性でした。とても生き生きと仕事をなさっていて、歯科医師にいい印象を抱いたのが最初だったと思います。女性としてずっと働けることや、もともと細かい作業が得意だったことからも歯科医師を魅力に感じました。前身の森下歯科とのご縁は、当時院長だった森下先生が体調を崩されて私がお手伝いするようになったのがきっかけ。「ぜひ古室先生に継いでもらいたい」というご意向から、患者さんごと歯科医院を受け継ぐことになりました。森下先生は亡くなる直前まで患者さんの心配をされていて、私は今でも「森下先生の患者さんをお預かりしている」という気持ちでいます。当院の名前の由来は、鳥山中町の「とり」と「森下歯科」の「森」をとって名づけました。移転し院名が変わっても、森下歯科時代の患者さんとのつながりも大切にしながら、地域の患者さんに貢献していきたいです。
力を入れている治療について教えてください。
成人では義歯に、小児では小児矯正に力を入れています。アフターフォローの難しさから当院ではインプラントには非対応ですが、その分しっかりと噛める義歯をめざしています。矯正では、最近は矯正器具が目立ちにくいマウスピース型装置を用いた矯正を希望される方が多いですね。私自身は口の筋肉バランスを整えるための予防的な小児矯正を得意としています。適切な筋肉の発達を促すことによって、将来の健康上のさまざまなメリットがあると考えているので、気になる方は一度ご相談ください。
診療で気をつけていることは何でしょうか。
そのとき、その患者さんにとって最良の治療をめざしています。噛み合わせの悪さや歯周病の発症によって全身の健康を害するリスクが知られてきています。ですから歯科医師としては、お口の中から患者さんの全身の健康を見据えて治療にあたることが大切。そうやって毎回最良の選択をめざして患者さんと向き合った結果、治療に満足してもらえたり、「古室先生だと安心します」とお褒めの言葉を頂けると、励みになりますし、歯科医師としての自信や喜びにもつながりますね。
関わる人が幸せになれる歯科医院をめざして
古室院長にとって良い歯科治療とはどんなものですか。
歯科治療では1ミリや1ミクロンといった細かい単位での精密さはもちろん大切です。しかし、それだけでは良い治療はできないと思っています。なぜなら患者さんには、軟組織や筋肉のつき方、嚥下の仕方に一人ひとり個性がありますし、義歯は動く口の中で適切に機能しないと意味がないからです。ですから良い歯科治療には、動的な視点が欠かせないと思います。義歯を作った際に患者さんに良い評価を頂けたとしたら、それはその義歯が患者さんの口の動きに合っているから。動的な視点を大切にしながら、義歯や技工物を作るように意識しています。
予防歯科を推進する取り組みについて教えてください。
当院は「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」です。歯周病などの予防的な処置が保険診療で行えるので、患者さんにとっては負担が少なくクリーニングができます。お子さんに関しては、まずは定期的に通院していただくことが第一歩。虫歯の進行も早いので、まめに通院してもらい、正しい歯磨きの習慣づけに取り組んでいます。お子さんからしても、歯科医師や衛生士から褒めてもらえたりすることで、歯磨きのモチベーションアップにつながると思います。
マルシェや子育て悩み相談も開催されているとか。
はい。歯科医院の敷居を下げるようなイベント開催を企画しています。定期開催のマルシェでは、毎回たくさんの方に来ていただいています。星座占いセミナーやコアストレッチ教室では講師を招いて開催したり、お母さんには子育ての悩み相談サークルなども利用していただいています。歯科医師としては、歯磨きの講習会なども行っています。予防歯科で大切なことは定期通院です。歯科医院自体に楽しいイメージを持っていただいて、地域の皆さんのコミュニケーションの場になれば幸いです。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
小さなお子さんを持つお母さんは、定期的にお子さんを歯科医院に連れてくるだけでも大変だと思います。通いやすさを追求している当院を上手に利用していただいて、なるべく早いうちから予防歯科に取り組んでいただければと思います。今後も、お口からのアプローチで全身の健康に寄与するとともに、生涯を通じて通える歯科医院をめざします。「ここに来ると元気になれる」そんな場所で、通院する皆さんを少しでも幸せにできればうれしいです。まずは定期開催のマルシェをのぞくだけでも結構ですから、お気軽にお越しください。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/49万8000円、審美歯科/セラミックを用いた補綴治療 前歯 6万円~