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今井 直子 院長の独自取材記事

阿久津内科

(世田谷区/尾山台駅)

最終更新日:2019/08/28

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尾山台駅から徒歩2分。閑静な住宅街にしっくりとなじむようにたたずむ「阿久津内科」は、もう半世紀以上もこの町の人たちの健康を守り続けてきた、地元になくてはならないクリニックである。3代目院長を務めるのは、「私自身、この町に育ててもらったと思っています」と、優しくほほ笑む今井直子先生。常に絶やさぬ笑顔はとても明るく、ホッとした安心感に包まれる。穏やかな口調からは、温かな人柄が伝わってくるようだ。そんな今井院長のもとを訪れるのは小さな子どもから高齢者まで幅広い年代の患者。プライマリケアを大切にし、「なんでも気軽に相談していただける、町のかかりつけ医でありたい」という今井院長に、日々の診療で感じることや医師を志したきっかけ、患者への想いなど、たっぷりと聞いた。
(取材日2018年1月30日)

外来診療から往診・訪問診療まで、幅広く対応

こちらは開業されて、もうずいぶんたつのでしょうか?

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はい。私の父が1960年に開業しました。もともとは祖父が恵比寿駅前で「阿久津医院」を開業していたのですが、第二次世界大戦の最後の空襲で焼けてしまい、残念ながら閉院。その後、父がここで「阿久津内科」として開業したのです。ですから私は3代目。2007年から診療に関わるようになり、2011年に継承して院長を務めています。患者さんはお近くにお住まいの方が多いですね。年齢層は0歳から90歳以上の方まで、とても幅広いです。父の代から親子2代、中には祖父の代から3代でいらっしゃるご家族もいるんですよ。「自分の親を看取ってもらいました」とおっしゃる方や、「子どもの頃、診てもらっていた」と何十年ぶりかに来院する方もいらっしゃいます。

勤務医時代との違いを感じるのは、どんなところでしょうか?

町の開業医で大切なのはプライマリケア。大規模病院での勤務医時代とは違う考えが必要だと実感しています。例えば大規模病院は、すぐに検査結果も出て結論まで導き出さなければならず、「人を診る」というより「病気を診る」ことに重きが置かれます。でも今は必要に応じて迅速に適切な病院をご紹介することも大切。その見極めをするには、常日頃の勉強が欠かせないと思ってます。医師になりたての頃は当然のように専門分野の第一線でやっていく夢を描くものですが、結婚、渡米、出産など人生の節目を迎えるたび、自分の描く医師像は変わってきました。ですが、どんな時も「患者さんのために一番いい道を考える」というスタンスは変わっていませんね。日進月歩の世界で、より良い医療をご提供できるよう、日々、頑張っていかなければいけないと思っています。

往診や訪問診療にも対応されているそうですね。

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はい、患者さんも高齢になると通院が難しくなります。長く診てきた患者さんは最期まで責任を持って診療させていただきたいと思っていますので、往診、訪問診療と在宅での診療へと変わっていきます。在宅診療では患者さんだけでなくご家族全体を診るのも大切だと思っていますので、ご家族の方とのコミュニケーションも大事にしたいですね。ケアマネジャー、看護の方々とも連携が取りやすい、風通しの良い環境づくりを心がけています。患者さんご本人はもちろん、介護をされる方々にとっても一番良い形で続けられる体制をめざしたいと考えています。

在宅での看取りにも対応しているのですか?

はい、実は昨年に自分の父を看取りました。医師の立場だけでなく家族の立場、そして看取られていく父からも多くを学ぶことができました。良い看取りはそれぞれ違うため正解はありませんが、患者さんご本人だけでなく家族の方にも寄り添った、より良い看取りを考えていきたいと思っていますので、どうぞご相談ください。

生き生きと診療する父の姿を見て医師の道に

先生はいつから医師をめざされたのですか?

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子どもの頃は本が好きで、空想好き。そのうち演劇に興味を持ち、中学・高校の頃は演劇や舞台美術などに夢中でした。両親も好きな道に進むのが一番いいと、進路は私に任せてくれたのですが、いざ高校3年生になると悩みに悩みました。その末、どの道に進むにしても、一生続けていける仕事に就きたいと考え、その時に頭に浮かんだのが、いつも楽しそうに生きがいを持って仕事をしている父の姿でした。今思うと、自分の根底には「やはり医師になろう」という気持ちがあった気がします。父は間違いなく私に生きる指針を示してくれた人と言えるでしょう。

どんなお父さまだったのでしょう?

患者さんに安心感を与える父の診療スタイルは、子どもの頃からずっと見ていたので心に焼きついていますし、それを受け継いでいると思いますね。父は自分の患者さんが入院するとそれをいつも気にかけて、お見舞いに行くのが常でした。私も入院された患者さんのところには、時間が許す限りお見舞いに伺うようにしています。父の代からの患者さんからよく聞くのが、私の知る父とのギャップです。患者さんには結構、冗談を言ったりしていたようで、家での父からは想像できないんです。これは新しい発見でしたね(笑)。私は子どもの頃、父にそっくりだったようで、学校の帰り道によく私の知らない人から、「阿久津先生のところのお嬢さんですよね」とあいさつされました。父が築いた絆で、私もこの町の皆さんと結ばれてきたんですね。だから、この町にずっと育てられてきたのだという気がしています。

先生の笑顔はとてもすてきでいらっしゃいますね。

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ありがとうございます。よく患者さんから、「いつも元気ですね」とお声がけいただきます。もちろん体調の優れない日もありますが、診察している時は笑顔で頑張れてしまいます。患者の皆さんは不安な気持ちでここにいらしていると思うので、常に笑顔で接することを大切にしています。私自身も診療しているうちに、たくさんのパワーを患者さんからいただいているんですよ。ご高齢の方は人生の大先輩ですから、学ばせていただくことも多いですし、小さいお子さんたちからは元気をもらっています。

笑顔で寄り添うかかりつけ医をめざして

診察する上で、心がけていらっしゃるのはどんなことですか?

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コミュニケーションですね。最初からご自分のことを全部お話しされる方は、まずいらっしゃいませんから、なんでも気軽に話しやすい環境や雰囲気づくりを心がけています。ご本人のお悩みやご家庭の様子から、病気の裏にある背景を見極めていくことも、かかりつけ医の大事な仕事。高血圧、高脂血症、糖尿病のような生活習慣病を含め、慢性疾患の方にとって通院は生活の一部ですから、安心して通っていただきたいと思っているんです。それには治療や検査に納得していただけるよう、きちんと目を見てご説明し、言葉遣いにも気をつけていますね。私が学んだ医局では、「患者さんに礼を尽くす」ということを最初に教えられました。とくにご高齢の方に対しては、人生の先輩であるという気持ちを常に忘れず、「おじいちゃん」「おばあちゃん」ではなく、きちんとお名前でお呼びする。そのことは今も体にしみついています。

他に大切にされていることはありますか?

同じ病気、同じ病状であっても、患者さんを取り巻く環境はそれぞれ違いますから、いろいろとご事情もおありでしょう。例えば専門治療が必要になった場合、必ずしも大きな病院をご紹介すべきとは限らない。中にはご自宅に近い地域の病院で診療を続けていくほうがいい場合もあります。ですから、それぞれの患者さんにとって「一番いい治療」を選択できるよう、コミュニケーションを大切にしていきたいと考えています。

常に明るく豊かな気持ちで生活を送っていくために、読者にメッセージをお願いします。

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どなたでも体調を崩すことはあると思いますが、それが病気に発展しないよう、日々の生活習慣に気をつけるのが大切です。生活習慣病には自覚症状がないので、自分は大丈夫と過信せず、1年に1回は健康診断を受け、健康状態を客観的に把握しましょう。健康寿命を延ばすには、まずご自身の体をよく知ること。そのためのお手伝いをするのが、かかりつけ医の仕事でもありますから、私たち医師をうまく利用していただきたいと思います。健康面はもちろん、悩みを手助けできるような存在になれたら一番ですね。健康診断を受けて、万が一、異常が見つかった時にはきちんと治療するべきですし、その時の精神的な支えにもなりたいです。患者さんと歩調を合わせ、それぞれの方に合った医療を続けていきたいと思っています。どんな小さなことでも構いませんのでぜひご相談ください。

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