大関 豊岳 院長の独自取材記事
大関歯科医院
(さいたま市浦和区/浦和駅)
最終更新日:2022/09/14

JR京浜東北線浦和駅から徒歩約12分、閑静な住宅街にある「大関歯科医院」。院長の大関豊岳(おおぜき・とよたか)先生は、大学病院やリハビリテーション病院などで有病者の歯科治療に携わった後、2015年に父である先代の院長から同院を引き継いだ。歯科麻酔の経験もあるため、服用している薬と治療の関係などにも明るい。祖父の代からこの場所で歯科医院を続けてきた長い歴史を持つ同院。先代の院長の時から通っている患者や遠方から通う患者も多いという。診察室の大きな窓からは広々とした空を見ることができ、気持ちの良い環境の中で治療を受けることができる。「患者さんが安心して来られるような環境をつくるようにしています」と話す大関院長に、歯科麻酔のことや診療方針のことなど幅広く聞いた。
(取材日2022年8月18日)
しっかりとした治療を心がけ、信頼関係を築く
2015年に院長に就任されました。

当院はもともと祖父が開院して父がその後を継ぎ、2015年に私が継ぎました。今でも父がたまに診療を手伝ってくれています。私は2007年からここで働き始めたのですが、内装などは歯科用CTを導入した際にエックス線撮影室の改修工事をしたくらいで、ほとんど変えずに大切に使っています。当院の窓から見える調神社の緑がとても気持ち良く、患者さんも居心地良く過ごしていただいていると思っています。風景写真もたくさん飾っているのですが、実はすべて山登りの際に父が撮影したものなんですよ。
小さい頃から歯科医師をめざしていたのでしょうか。
家族から勧められることはありませんでしたが、祖父も父も歯科医師でしたので、意識はしていました。また、物を作ることが比較的好きなほうだったので、歯学部に進むことを決めました。大学卒業後に大きな病院で働いたこともあり、そのまま勤めることを考えたこともあります。でも大きな病院だと、例えば治療に必要な道具をそろえるための手続きが大変な場合もあります。ここであればすべて自分の責任になりますが、自分のやりたい治療ができます。だから、こちらのほうが合っているかなと思い、後を継ぎました。
患者さんはどのような方が多いですか。

父が院長をしていた頃から通っている患者さんもいらっしゃいます。また、もともとこちらに住んでいた方で、茨城に引っ越して、その後も通っていただくなど、遠方から来られる方も多いです。その方の紹介で同じように茨城から通っていただいている方もいらっしゃいます。しっかりとした治療の提供を心がけることで、信頼関係を築くことができているのかなと思っています。若い方も増えてきてはいますが、やはり70代や80代くらいの方が多いです。皆さん口腔ケアの意識が高く、定期的に通われています。
治療をした状態を維持し管理することが役目
こちらに来られるまでの経歴をお聞かせください。

いろいろな病院で勤務をしてきました。大学病院での経験もありますし、高齢者の方を多く受け入れている病院での勤務経験もあります。他にも脳梗塞や脳卒中の後のリハビリをするリハビリテーション病院で勤務もしました。その間は働きながら週に1日くらい、歯学部の麻酔科にも経験を積みに行っていました。なかなかこのような経歴の歯科医師は少ないのではないかと思います。
歯科麻酔に興味を持たれたきっかけを教えていただけますか。
有病者の歯科治療に携わることが多かったのが理由です。病気などで手術をする際は麻酔が必要になりますので、興味を持つようになりました。麻酔には全身麻酔だけでなく、静脈内鎮静法といって半分寝たような状態で治療をする方法があります。これであれば、体への負担もストレスも少ない状態で、手術に臨めます。大学病院の歯科口腔外科でも勤務をしていたのですが、歯科口腔外科も麻酔科も大きな病院で学ぶことが重要と考えています。だから、そこでいろいろなことを学んで吸収しようと思っていました。
そういった経験がこちらで生かされているのでしょうね。
そうですね。例えば麻酔科医というと、手術の際に全身麻酔をかけるためにいると思われがちですが、手術の安全管理をする役目も持っています。血圧が高い方であれば血圧をチェックしたりと、オペ室の管理人のようなイメージです。そういった意味では当院も高齢者の方が多いので、安全管理をしながら治療をしなければいけません。血圧のお薬を飲んでいらっしゃる方であれば、その成分などを考慮し治療をする必要があります。高齢になればどうしても疾患が増えてくることも多いですよね。抵抗力が弱って歯周病や虫歯などになりやすくなることもありますし、若い方とは違う問題が出てきます。若い方と同じように治療をしても同じ結果にはならないことが多いので、その方に合った治療をすることが大切です。
他にも、今までの経験と関係していると思うことはありますか。

歯科治療はロングスパンで治療計画を立てることが必要な分野だと思っています。歯は、長い人生でずっと使うものですし、全身の健康にも関わっています。お口の中の状態が悪くても寿命そのものに影響するわけではありませんが、健康寿命に関しては影響があるといわれているんです。また、生涯の医療費にも影響しているそうです。ですから、定期的にケアをすることが大切です。虫歯や歯周病などの治療後の状態を維持し管理する。そういったところも今までの経験とつながっているかもしれませんね。定期検診は床屋さんに行く感覚で、気軽に来ていただきたいですね。
希望に合った治療方法で、寄り添いながら診療を続ける
インプラント治療の経験が豊富だと伺いました。

患者さんからの要望は多いですね。80歳くらいの方でもご希望される方もいらっしゃいます。それくらいの年齢になると服用されているお薬も多いので、インプラント治療ができるかできないかという判断が必要です。私は歯科麻酔を学んでいましたので、そういった判断も比較的しやすいほうだと思います。他にも入院する必要が出てくる場合もありますので、当院でできる範囲で対応をし、難しい場合は大きな病院を紹介するようにしています。
親知らずの抜歯も得意とお聞きしました。
そうですね。抜歯後腫れてしまう方が多いと思うのですが、なるべく腫れないように、痛みも少ないように治療するよう気をつけています。私自身、痛いのが嫌いなので痛みやストレスの少ない治療を心がけています。
診療の際に心がけていらっしゃることはありますか。
患者さんとコミュニケーションを取ることを大切にしています。症状を説明する時など、なるべく専門用語を使わずにお話をしています。治療内容の選択が数パターンある場合は、1つ目はこんな感じ、2つ目はこんな感じと、極力短くキャッチコピーのようにしてわかりやすく説明をします。あとはその場で決断してもらわず、一旦考えていただく時間を設けるようにしています。例えば入れ歯も以前は金属を使うものくらいしか選べなかったのが、今は金属を使わない入れ歯やインプラント治療など治療方法は複数あります。ただどれも一長一短です。自分の人生の中で何を重要視しているのかによって選択は変わってきます。価値観は人それぞれなので、どの治療方法が一番いいのかを決められるのは、患者さんご自身だと思っています。だから急いで治療をする必要がない場合は、考えていただく時間をとってから治療に入ります。
他に大切にされていることがあれば教えてください。

相談に来やすい環境をつくるようにしています。怖い先生だと話しづらいと思うので、やわらかい雰囲気を出せるように気をつけていますね。他には患者さんの生活スタイルや特徴に合わせた治療方針を立てるようにしています。患者さんによっては遠方だから頻繁に通院するのが難しいという方もいらっしゃいますし、保険適用内で治療をしたい方、できるだけ先進的な治療をしたい方、ものすごく痛がりの方などさまざまです。これしかやらないというのではなく、可能な範囲で患者さんの希望に合った方法で治療をしたいと思っています。患者さんのお話を聞いて、寄り添う診療をこれからも続けていきたいと思います。また今後は3Dプリンターなどの新しい機器も取り入れていこうと思っています。大学時代は自作でコンピューターを組み立てたりしていて、パソコンやソフトを使用することへの抵抗は少ないので、少しずつ勉強をして治療の幅を広げていきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(1本)/27万5000~38万5000円、金属を使わない入れ歯/11万~33万円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。