木村 智憲 院長の独自取材記事
木村歯科医院
(さいたま市南区/南浦和駅)
最終更新日:2024/12/05

南浦和駅から徒歩約3分の場所にある「木村歯科医院」。大きな窓から自然光が差し込む明るい院内では、スタッフたちがきびきびと動き、木村智憲院長が豊富な診療経験をベースに、精度にこだわった治療を提供している。虫歯や歯周病の治療、インプラント治療、親知らずの抜歯、矯正など幅広い相談ができる診療体制も特徴だ。「口の中全体を考えた治療で、一生噛める歯をめざすことが私たちの仕事です」と語る木村智憲院長に、同院のこれまでの歴史や特色などについてじっくり話を聞いた。
(取材日2024年9月11日)
「歯の悩みなら木村歯科医院へ」という存在をめざして
こちらは地域でも長い歴史を持つ歯科医院だそうですね。

祖父の代の1959年から診療しています。ずっと継続して通ってくださる患者さんも多く、60~70代、それ以上の方もいらっしゃいますね。加えて最近は、比較的若い世代も増えています。ご相談内容は虫歯や歯周病、入れ歯、親知らずの抜歯と幅広く、「木村歯科医院に行けばなんでも診てもらえる」と思っていただけていたらうれしいです。近隣だけでなく、他県から来られる患者さんもいます。当院はインプラント治療を強みの一つとしているのですが、近年は他院で入れたインプラントの不調を訴えて受診される方が増えています。メンテナンス不良やお口の中のトラブルなど原因はさまざまですが、そういったご相談も大歓迎です。
院内の体制について教えてください。
当院には現在、私のほかに非常勤の歯科医師が5人在籍しています。当院に入職後、しばらくは私や先輩歯科医師の治療を見学して知見を深めてもらいます。そうして知識を蓄えた上で実践してもらうと、その後の技術の伸びが格段に早いんです。スタッフたちもとても頼もしい存在です。私の妻が手術室担当の看護師でしたので器具などの衛生管理に長けていますし、手術に必要な機器類の管理もしてくれています。おかげで私は手術だけに集中でき、治療精度や安全性を高く保つためにとても助かっています。特にインプラント手術では複雑な処置を適切に行うため、最低でも6人のスタッフが関わりますが、スムーズに連携できています。スタッフたちは人材教育の面でも重要な役割を担ってくれていますね。
診療において意識されていることはありますか?

患者さんが幸せな人生を過ごすための手助けをしたいと思っていますが、その大前提として私たち自身が幸せであるべきだと考えます。心がすさんでいる状態では、患者さんに良い対応などできるはずもありません。安心して働けて、自分たちが幸せだからこそ、患者さんの幸せを心から考え、良質な歯科医療をお届けできると思っています。そのために感染症対策などの職場環境、終業時間などの労働環境も整えています。スタッフたちは本当に仲が良く、優しい患者さんたちに恵まれて親しくさせていただいています。患者さんにも当院は雰囲気が良いとお褒めいただくことがしばしばあり、ありがたい限りです。
専門性の高さを強みにインプラント治療の難症例に対応
インプラント治療にも力を入れておられるそうですね。

ええ、インプラントの治療経験は20年以上に及びます。前院長である父がインプラント黎明期からインプラント治療に携わっていたこともあり、力を注いでいます。インプラント治療にはいくつもの方法があり、患者さんごとに適した方法も異なり、骨を増やす必要があるケースも多くあります。当院では豊富な知見をもとにそれらの治療にも対応できますので、さまざまな要因で諦めている方はぜひご相談ください。機器の面でも、先進のナビゲーションシステム導入により、従来のコンピュータ支援型のガイデッドサージェリー手術よりもさらに誤差が出にくく、患者さんの侵襲軽減、手術時間短縮も見込めるようになりました。私自身、今もブラッシュアップのため継続的に海外で学び、講義や実習の指導、骨造成に関する講演などを行って後進の育成にも励んでいます。今後も常にアンテナを張って学びを深め、治療の安全性や精密性を高めていきたいです。
インプラント治療の良さはどこにあるのでしょうか?
私はインプラント治療が万能だとは思っていません。あくまでも失った歯を補うための治療方法の一つです。ですが、その他の選択肢である入れ歯やブリッジに比べ、天然歯のような噛み心地や噛む力を期待できる点が大きな特徴でありメリットです。食べ物を噛むという機能は、人間にとって非常に重要なもの。栄養摂取においてよく噛むことは胃の負担を減らしますし、噛む刺激が脳に伝わることで認知症予防にも有用だといわれています。何より食事がおいしいということは、人生を豊かにすることにつながります。歯がそろっていると見た目も良いですし、おしゃべりもしやすいでしょう。そういった良好な機能を補完・維持するために、インプラント治療はとても有用な手段だと考えます。
インプラント治療における強みをお聞かせください。

顎の骨の厚みや幅が不足している方、ご高齢の方や全身疾患のある方など、インプラント治療の中でも難症例とされるケースに可能な限り対応している点です。低侵襲の治療が望ましい場合や、上顎洞や神経へのリスクを軽減したいときには、ショートインプラントを用いたり、インプラント体を斜めに挿入したりすることもあります。骨や歯茎は抜歯後に時間がたつほど痩せるため、全顎的な抜歯即時埋入の実施や、インプラント体の埋入後すぐに仮歯を装着する即時荷重治療にも対応していますよ。また多くの歯を失っている方の場合は、骨移植・抜歯即時にインプラント埋入・即仮歯装着を組み合わせた高度な治療法もご紹介しています。他院でインプラント治療を受けた後、不具合を感じて困っておられる方などもぜひ気軽にお問い合わせください。
ソフト・ハード面を増強し、親知らず抜歯にも対応
親知らずの抜歯も数多く行っておられるそうですね。

ええ。私は歯科口腔外科出身で、大学病院で多数の難症例を経験したことを生かし、幅広い症例に対応しています。特に抜歯の素早さには自信を持っています。抜歯時の痛みの軽減にもつながりますし、患者さんのストレスも減らせると思っています。また、年に5~10回ほど親知らず治療に関する講演を行い論文も発表しています。親知らずの抜歯が怖いという方は多いと思いますが、きちんと診査・診断した上で今後トラブルになる可能性が高ければ、早めの抜歯をお勧めします。抜歯時には、必要性やご希望に応じて麻酔専門の先生に来ていただき、静脈内鎮静法による麻酔も行っています。うとうと寝ている間に終わっていることが望めますので、抜歯に恐怖心のある方はご相談ください。
医科と歯科との連携についてはどのようにお考えですか?
地域での医科歯科連携はとても大切です。特に高齢の方は何らかの持病のある方が多く、治療中に何かあってはいけませんから、医科との連携は欠かせません。当院では患者さんの血圧を測定しますが、高い場合には治療に対する緊張によるものか、常に高い状態なのかを見極めるため、医科の先生に紹介状をお出ししています。金属アレルギーが疑われる場合や、インプラント治療前の血液検査で糖尿病が疑われる場合も、医科の先生にご紹介するようにしています。もしかしたら地域の医科の先生方の間で「木村歯科医院からの紹介状が多いね」と評判になっているかもしれません。一方で、皮膚科や内科、耳鼻咽喉科などからご紹介を受けることもあります。睡眠時無呼吸症候群の軽症の場合、治療用のマウスピース型器具を作製しますし、スポーツ用マウスガードのご相談もお受けしています。
今後の展望をお聞かせください。

当院は1回あたりの診療時間を約1時間と長めに設けています。例えば少し処置して「また来週」というように、毎週のように来ていただくことが患者さんのためになるだろうかという考えから、長めの診療時間を確保して一度にある程度まで治療を進める方針です。また、インプラント治療に関しては噛み合わせや清掃性なども考えて必ず仮歯で様子を見ます。そのほうが治療後の快適性や持ちの良さなどにもつながるためです。しかし、そうするとどうしてもトータルの通院期間は長めになってしまう。そこで少しでも患者さんの利便性を高めるべく、ソフト・ハードの両面で増強に努めています。2024年10月には院内リフォームでユニットを一台増設し、半個室のような形になるよう改良しました。また、根管治療に大きな利点を発揮する歯科用マイクロスコープも導入して、治療環境もより整えています。今後もぜひ、ご期待ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/埋入施術および上部構造物1本48万4000円~、自家骨移植/22万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/5万5000円~77万円、スポーツ用マウスガード/5万5000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。