飯田 昌志 副院長の独自取材記事
大宮いいだデンタルクリニック
(さいたま市大宮区/大宮駅)
最終更新日:2024/10/01

40年以上の歴史があり、矯正を専門としていた「大宮いいだデンタルクリニック」。2023年6月に口腔外科を専門とする飯田昌志副院長が加わり、診療内容や設備でリニューアルを図った。院内は、大きなガラス窓から光が降り注いで清潔感にあふれ、患者が心地良く過ごせる空間。適切な診断のもと精密かつ安全に治療を行えるよう歯科用CTや心電図モニターなども備えている。昌志副院長が掲げるのは、「口腔内の悩みを全体的に診ていけるトータルアプローチの治療」。長年、大学病院で培ってきた経験をベースに、矯正を専門とする父・飯田忠夫院長と連携を取りながら、一般的な治療から、矯正、インプラント治療、親知らずの抜歯、口腔外科関連疾患の治療など、院内ですべてを完結できる治療をめざす。取材では、診療にかける思いなどを聞いた。
(取材日2023年9月26日/再取材日2024年4月15日)
一般歯科から矯正や口腔外科まで、トータルで診療
2023年6月にリニューアルされたそうですね。それまでの経緯を教えてください。

当院は、矯正歯科専門のクリニックとして地域に根づいてきました。40年以上前に、私の父である院長が大宮の地で開業しました。私は歯科口腔外科を専門に学び、それを生かしたクリニックにしたいという思いで、歯科、矯正歯科、歯科口腔外科、小児歯科を標榜しリニューアルいたしました。矯正で来てくださっている患者さんの中で虫歯や抜歯が必要な場合、私が加わることで院長と連携しながら、スムーズな治療が提供できるでしょう。一般歯科と矯正歯科に対応できれば、全顎的な治療が可能なのです。特に矯正歯科は特殊技能というか経験が大事なので、それ以外のところを私がカバーすることで、噛み合わせを含めて、すべて当院で完結できるようなクリニックがめざせます。そのため、「口腔内の悩みを全体的に診ていけるトータルアプローチの治療」が当院のコンセプトです。
リニューアルに際して、院内の雰囲気や設備などでこだわったところは?
当院はビルの2階にあり、院内は窓から多くの日差しが注がれ温かな雰囲気で、清潔感のあるクリニックだと自負しています。設備は、適切な診断と精密な治療を行えるように歯科用CTを導入するなど、先鋭の機器をそろえました。新型の診療ユニットも完備し、ユニットを仕切る目的と院内汚染空気の清浄化のためクリーンパーティションを取りつけ、オープンスペースながらプライバシーはしっかりと保たれています。さらに、2024年2月には診療ユニットを1台増設して、計3台となっています。私と院長がそれぞれ診療を行う横で、歯科衛生士が歯のクリーニングやメンテナンスを行えるようになったので、患者さんを待たせず効率化を図れるようになりました。診療ユニット2台には細いペン型の口腔内カメラが備わっているので、虫歯などをピンポイントに撮影して目の前のモニター画面に映し出し、お口の中の状態を丁寧にご説明することも可能です。
患者層にも変化があったと伺いました。

従来は矯正専門クリニックだったので高齢の方はあまりいらっしゃらなかったのですが、一般診療を始めたことをきっかけに、さまざまな症例の方にお越しいただける環境になりました。診療時間も延ばしたため、仕事終わりの方や近隣に住んでいらっしゃる年配の患者さんが増えましたね。老若男女問わず、口腔内のケアも含めて歯を大切にしてくださっている方々が多く来院されています。当院は土曜・日曜も診療していますから、お子さんや平日仕事で忙しい方にも通っていただけるでしょう。それが院長の方針でしたので、リニューアル後も週末の診療に変わりはありません。
口腔外科の専門性を生かし、安全性に配慮した治療
先生はこれまで、どのような経験を積まれてきたのでしょうか。

私は日本歯科大学生命歯学部を卒業後、同大学附属病院の口腔外科にて10年ほど勤務してまいりました。大学病院在籍時は、外来手術から中央手術室での多くの手術に対応したほか、病棟での全身管理、救命救急・麻酔科の診療や処置を学んできました。現在も新鋭の知識や技術を日々学び、特にインプラント治療では毎月1回程度の勉強会に参加して、新しい情報を取り入れて診療に生かすよう努力しています。そのようにして得た新しい知識と技術力に、これまで院長が手がけてきた治療を融合できれば、という構想を持っています。
歯科口腔外科を選択し、長年研鑽されてきた理由をお聞かせください。
例えば、父の専門である矯正では抜歯が必要になる場合があります。また、親知らずで悩んでいる方も少なくありません。このような外科処置は歯科治療の中でも不可欠なので、口腔外科を誠実に学びたいと思い選択しました。大学病院に入ってからは、口腔外科への興味がさらに深まり、口腔がんや顎変形症という大きな手術も経験することで領域を極めてきました。そんな大学病院での経験が、地域のかかりつけ歯科医として昇華できればと思っています。超高齢社会の今、全身疾患があって薬を飲んでいる方や病院に通っている方が増えています。そういった方々にも不安なく治療を受けていただくために、医科の知識や全身管理の知識を持つ口腔外科専門の歯科医師は非常に大事なポジションにあると感じています。
全身疾患を抱えている方などが安心できるように、どのような配慮をされていますか?

当院では、心電図モニターを常備しています。高血圧や不整脈のある高齢者、持病のある方などを対象に使用するほか、抜歯や、骨造成といった難しい口腔外科手術のときなども対象です。麻酔専門の医師に立ち会ってもらいながら、静脈内鎮静法もしくは静脈麻酔で全身管理をして手術をするときに、心電図モニターで全身を管理します。私は大学病院で気管挿管から救命措置まで経験し、全身管理や救急医療を学んできたので、心電図を読み取ることには慣れています。不整脈、頻脈、徐脈、高血圧など問題が発生すれば素早く判断して治療を中断し、薬の投与、AEDの活用など適切な処置ができるでしょう。心電図モニターでは血圧、脈拍、酸素飽和度などが数値化されるので、不安のある患者さんには治療中に自身で確認してもらい、「この数値なら大丈夫ですよ」とお伝えします。
高次医療機関と連携しながら橋渡しをする役割も
スタッフさんとの連携はいかがでしょうか?

矯正歯科専門クリニックから総合歯科クリニックへのバージョンアップに伴い、現在は既存のスタッフに加え、歯科衛生士が2人加わり、診療をサポートしてくれています。患者さんに優しく、明るいスタッフばかりで助かっていますね。スタッフ同士の連携を密にして、情報の共有も大切にしています。当院のモットーは、患者さんと真摯に向き合い、丁寧な説明をすることです。理解して納得いただいて治療を受けてもらうことや、治療法の選択肢を与えることも心がけています。スタッフ全員で「対話」を大切にしながら、患者さんのお口のサポートだけでなく、豊かな生活を支えていきたいと考えています。
地域のかかりつけ歯科医として、大切にされていることは何ですか?
患者さんとのコミュニケーションや関係性が重要だと思っています。駅前という土地柄、忙しい方が多いでしょうから、安心して相談できて治療に取り組める場所をつくれたらいいですね。また、私一人では治療できないようなケースに対しては、高次医療機関の大学病院や市中病院など、つながりのある医療機関をご紹介する体制を整えています。当院で全部診られるのが理想ですが、対応可能な範囲を超える症例もありますから、その場合は適材適所で患者さんに合った医療機関を紹介する、「医療の窓口」としての役割も担っていければと考えています。
最後に、今後の展望や読者へのメッセージをお願いいたします。

これからも長く診療を続けて地域医療に貢献し、現在、通ってくださる患者さんのお子さんやお孫さんなど、3世代、4世代にわたって来てくださるクリニックをめざしています。短期的には、新鋭の機器や技術を積極的に導入して、町のかかりつけ歯科医というスタンスは守りつつも、先端の治療も気軽に受けられるような専門性の高いクリニックをつくっていきたいと思います。「歯科口腔外科はハードルが高い……」と思われがちですが、当院では難治性のケースにも対応しているので、口腔内で気になることがあればお気軽にご相談ください。皆さんとお会いできることを楽しみに、心よりお待ちしています。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正(成人)/66万円~、インプラント治療/39万8000円~、骨造成/5万円~