鴨田 博司 院長、鴨田 勇司 先生の独自取材記事
かもだ歯科クリニック
(さいたま市中央区/与野駅)
最終更新日:2024/10/04
与野駅から歩くこと約6分の住宅街の中にある「かもだ歯科クリニック」は2024年5月に新築リニューアルを行ったばかりだが、クリニック自体の歴史は古く、開業は1935年で来年には90周年を迎える。鴨田博司院長と鴨田勇司先生の親子で診療にあたり、地元歯科医師会の活動も熱心に行う勇司先生は、主に訪問歯科診療を担当している。シンプルですっきりとした清潔感あふれる院内は、車いすでも通えるよう全面バリアフリーでゆとりある造りになっている。地域の人々のより良い人生のために健康寿命を延ばすべく日々の診療はもちろん、歯科医師会などの活動も通じてさまざまな方面から活動を続ける博司院長と勇司先生に話を聞いた。
(取材日2024年8月22日)
口腔の健康を守って健康寿命をより長く
親子3代にわたり、長年この地域で診療なさっておられます。
【博司院長】今年新築リニューアルしたばかりの当院ですが、私の父が開業してからもうすぐ90周年を迎えます。私が2代目で、息子の勇司先生が3代目。患者さんも何世代にもわたって来てくださっている方もおられます。院内での診療のほかに、患者さんのご自宅や施設での訪問診療も行っています。訪問診療は、高齢者歯科医療を専門的に学んできた勇司先生が主に担当。クリニック全体としては一般的な歯科治療に加え、口腔ケアの指導や摂食嚥下障害の診察にも取り組んでいます。いずれにせよ、常に念頭に置いているのは患者さんの満足。治療が歯科医師の自己満足に終わってしまっては意味がありません。患者さんと目線を合わせ、治療やケアについてしっかりご理解いただく。その上で専門家として一生懸命治療をさせていただき、患者さんに満足いただける診療を提供することが重要だと考えています。
予防歯科にも取り組まれていますね。
【博司院長】外来患者さんはご高齢の方が多く、今後はオーラルフレイルの対策が重要だと思っています。医科で提唱されているフレイルは、介護が必要なほどではないけれど、さまざまな機能が衰えてきている状態のこと。この段階でリハビリテーションなどを行えば衰えつつある機能を取り戻すことができる段階です。一方オーラルフレイルは、そのフレイルのうちの口の機能の衰えを意味します。体のフレイルの前にオーラルフレイルが来るので、この段階でお口の機能の維持を図れば、全身の状態を良い状態で維持することにもつながるのです。逆にオーラルフレイルの状態を見逃してしまうと徐々に体全体の機能が衰え、長じて寝たきりになることも。当院では飲み込みや発音の様子などから機能の衰えを数値的に評価して、お口の機能のトレーニングやリハビリテーションも行っています。
お口は健康の入り口なのですね?
【博司院長】お口の健康は、栄養をきちんと取るという機能維持だけでなく、呼吸やコミュニケーションのツールとしても非常に大切な役割を担っています。ご高齢になればなるほど、おしゃべりやお食事は生活の楽しみの大きな部分を占めます。かつては80歳で20本の自分の歯を残そうという8020運動がありましたが、今は半数以上の方が達成する時代。次はきちんと機能の評価をしてトレーニングやリハビリテーションで機能維持する時代です。当院だけでなく、与野歯科医師会とともに、全体を見据えた活動に取り組んで、歯科診療を通して広く地域全域に還元できればと思っています。
地域ぐるみの連携で質の高い医療を追求
勇司先生がご担当の訪問診療の際に気をつけておられることはありますか?
【勇司先生】ご高齢の患者さんが多いので、治療の際はなるべくお体への負担を少なくできるよう配慮しています。また何かしらの持病をお持ちのことが多いので、医科のかかりつけの先生方とも連携を取って情報共有するようにしています。何らかの処置が必要な場合はその都度、「こういう処置を計画していてこういう点に気をつけるが、ほかに注意するべき点がありますか?」と確認しています。検査のデータなどをお持ちであれば事前に見せていただいて検討してから診察に入ります。お体の病気に対する知識も必要になりますし、その点は総合病院での勤務経験が生きていますね。患者さんのご自宅での診察になりますから、診察環境が院内と同様とはいきません。失礼のないように、配慮や工夫をしています。
地元歯科医師会の活動にも積極的に取り組まれているとか。
【勇司先生】私は地域保健部の担当で、医師会や訪問看護師さんなど地域のさまざまな医療機関との横のつながりや、高齢者施設で歯科医師間の事業で行う健診、市民向けの講習会などを行っています。医科の先生方や訪問看護師さんは、歯科のことまで手が回りませんし、お口のことを相談する際に歯科医師なら誰でも頼めるかというとそうではありませんので、そのような時にお役に立つのは重要な役目だと思っています。また、時には病院から歯科医師会に依頼が来て、お体の疾患のある患者さんを診に行くこともあります。基本的に歯科医師会の先生方で順番に行くのですが、総合病院での経験が長い分、少々難しい症例は私に直接依頼が来ることが多いですね。こうした地域ぐるみの連携を深めていくことが地域、ひいては国民全体に対する医療の質を上げていくことにつながると思っています。
院長と勇司先生、お互いの尊敬するところは?
【博司院長】勇司先生は本当に勉強家。きちんと理論に沿って治療をします。患者さんへの接し方もとても丁寧です。それはすごく大切なことで、患者さんとの信頼関係にも通じると思うんです。信頼関係がないと、どんなに技術があっても、患者さんが治療に納得できずうまくいかない部分があると思うんです。特に高齢の患者さんとのコミュニケーションは難しい部分もあると思いますが、同じ目線で丁寧に対応するので素晴らしいですね。
【勇司先生】経験ではまったく追いつけませんし、かないません。院長はその経験のなせる業なのか、その存在だけで患者さんを納得させることができているように感じます。実際にすごい先生ですが、圧倒的な存在感があります。またスタッフたちは、患者さんとのコミュニケーションの取り方がうまく、よく患者さんの状況を把握していますし、患者さんへの説明もわかりやすく丁寧です。当院に欠かせない存在ですね。
地域のためにもっと役立つ存在に
お二人のご趣味は何ですか?
【博司院長】音楽を聴くことや旅行、そして体を動かすことが好きですね。学生時代からずっと少林寺拳法をやっていて、現在も大学で部の総監督をしています。
【勇司先生】子どもの頃から飛行機を見るのが好きで、今は航空自衛隊のブルーインパルスを見に行くのが好きです。全国各地で行われる航空祭を見に行くこともあります。聖隷三方原病院に勤務していた時、浜松市が発祥の地であるブルーインパルスを浜松の自衛隊基地での航空祭で見たのがきっかけで、今では全国を回るようになりました。
今後の展望についてお聞かせください。
【博司院長】今後も高齢者は増えていきますから、私たちも時代の変化に対応していかなければならないと思っています。患者さん個人だけではなくご家族の要望に配慮し、歯科医師として何ができるかを考え、生涯にわたってサポートしていきたいと考えています。
【勇司先生】訪問診療では病院に勤務していた時の経験を生かし、幅広く対応していきたいです。近隣の病院には歯科がなく、お口のトラブルに対応してもらえないケースもあるかもしれませんが、そういった場合には当院がお役に立てると思います。地域の病院との連携を深め、地域医療にもっともっと貢献していきたいですね。
読者へのメッセージをお願いいたします。
【博司院長】お口を健康に保つことは健康寿命のためにとても大切なことです。お口を清潔にし、病気を呼び込むことのないよう一緒に取り組んでいきましょう。また、歯やお口に関するお悩みがあればいつでもご連絡ください。どんな方にも誠意を持って診療にあたります。
【勇司先生】訪問診療で通院が困難な方にも対応しております。患者さんはお一人お一人病状も状況も違いますので、それぞれに応じたケアの仕方があります。適切なケアメニューをつくり対応させていただきます。またご病気があり、服薬していることで歯科医院から治療を断られてしまったという方の話を聞くことがあります。病院勤務の経験を生かしてできる限り対応させていただきたいと思いますので、ぜひ諦めずご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは小児矯正/20万円~、成人矯正/50万円~