吉嵜 太朗 院長の独自取材記事
吉崎歯科医院
(三郷市/三郷駅)
最終更新日:2026/05/29
三郷駅南口を出て江戸川沿いを歩くこと約5分。東京医科歯科大学(現・東京科学大学)大学院で補綴分野と高齢者歯科を学んだ吉嵜太朗先生は、父の代から続くクリニックを2018年に継承するかたちで「吉崎歯科医院」を開業。その時に掲げた「小さな大学病院」というコンセプトを実現すべく、同大学で歯周病・根管治療・矯正学・口腔外科など各領域を専門的に学んだ歯科医師を集結させ、難症例にも対応。また、高齢者歯科を学んできた吉嵜院長自身の専門性を生かして訪問診療にも力を入れている。そんな吉嵜院長にクリニックの特徴や診療ポリシーなどについて聞いた。
(取材日2025年11月28日)
地域の中の「小さな大学病院」をめざして開業
患者さんはどのような人が多いのでしょうか?

当院の専門的な治療を受けたいと、口の中に大きな問題を抱えている方が多くいらっしゃいます。他院で治療を受けたけれど納得できなかったり、インプラント治療をしたけれどうまくいかなかったりといった方もいます。どういう疾患が多いのかというよりは、すべての疾患において難症例の方が多いですね。大学病院の予約がなかなか取れず、東京医科歯科大学(現・東京科学大学)の先生がいるから来ましたというケースも。三郷の方がメインですが、周辺の松戸や、少し離れて川崎、大宮からいらっしゃる方もいます。年齢層としては50代60代の方が中心ですが、最近は30代40代の方も増えてきていて、そのお子さんも診てほしいと話す方もおられます。
もともと、こちらは40年前くらいに開業されたと聞きました。
開業者である父が亡くなってしまったので詳しい経緯は聞けずじまいなのですが、1980年頃にこの地に開業しました。私が継承したのが2018年6月です。父からは、今までの「町の歯医者さん」では今後やっていけないからやめたほうが良いと言われていました。しかし私には専門的な治療を提供していきたいという思いがありましたので、すでに末期だった父には「考えていることがあるから大丈夫だよ」と伝えて、当院を引き継ぎました。その後、事業計画書を作る時に「小さな大学病院」というコンセプトを思いついたんです。大学病院で新患当番などをしていると、町の歯科医院に不信感を持っている方によく出会いました。「きちんと説明してくれない」「地元の歯科医院は信用できない」という声を聞いたのです。そこで、信頼していただける町のクリニックとして診療を提供したいと、このコンセプトを掲げました。
とても印象的なコンセプトですね。

3つのコンセプトのうちの1つです。治療の面でも大学病院のような専門的な内容を提供したいという思いも込めています。大学病院には専門の科があって、例えば補綴治療の時に歯周病治療が必要になったら、専門の歯周病科に案内するというような流れがあります。大学病院のそういった多分野の歯科医師が集まって治療を行うスタイルが好きなこともあって、自分のクリニックに取り入れようと思ったんです。残るコンセプトは「歯科医師・歯科衛生士がかかりたいクリニック」「患者さんもスタッフも関わる人が皆幸せになるクリニック」。同業者の目はやはり厳しいですから、その方たちに認められれば一般の方も安心だと思います。これらのコンセプトを柱に、診療に取り組んでいきたいです。
根管治療や歯周病治療など難症例にも対応
専門分野を担う先生たちについて教えてください。

母校である東京医科歯科大学(現・東京科学大学)の先生を中心に、根管治療・歯周病・虫歯・高齢者歯科・摂食嚥下・インプラント治療・矯正歯科・口腔外科など、各分野を専門とする歯科医師が来てくれています。各分野の専門の歯科医師が集うことによって治療の選択肢が広がることが大きな利点です。例えば、噛み合わせを治療する際に抜いてかぶせるかどうかなど治療計画を悩んだとき、矯正歯科の先生と連携できると選択肢が広がり、抜かなければならない歯を減らせることもあるのです。また、東京科学大学の学生や歯科衛生士の学校に通う学生たちが、専門の先生方の治療を学びながら勤務もしています。そういった勉強したいスタッフが集まるクリニックという点でも「小さな大学病院」をめざしています。
中でも専門的な治療として、どんな治療が挙げられますか?
例えば口腔外科では、自家歯牙移植や難しい親知らずの抜歯なども大学病院に行かずに当院で対応できます。口腔がんや粘膜疾患の診査診断なども可能です。また、根管治療については難易度が高い症例の治療を行っています。神経を残すための歯髄保存療法や精密根管治療、通常の根管治療では難しい症例に対しては外科的歯内療法も行っています。歯周病治療では歯周組織再生療法や、歯周病によって歯茎が下がり歯根が露出した場合に歯茎を再建するための歯周形成外科手術なども行っています。このように可能な限り難症例にも院内で完結できる体制を整えています。もし、近隣のクリニックで根管治療や歯周病など治療が難しい場合など、大学病院に行く前に地域の中のワンクッションとしてご相談いただければと思います。
先生の専門分野について教えてください。

補綴と高齢者歯科が専門です。東京医科歯科大学(現・東京科学大学)を卒業後、同大学病院で臨床を学び、同大学院の義歯学・高齢者歯科学分野に入局して経験を積みました。現在は、高齢の方の訪問診療で摂食嚥下の治療やリハビリテーションを行い、専門に学んだ入れ歯の治療もしています。大学では補綴をメインに学んでいましたが、それだけでは歯科医師として説得力がないと考え、歯内療法を得意とする歯科医院で、マイクロスコープを使った治療についても経験を積ませていただきました。
訪問歯科診療についてもっと多くの人に知ってほしい
診療の際、大切にしていることはありますか?

治療方法を提案する際は「なぜその治療が必要か」、また「その治療によってできること・できないこと」などを丁寧にお話ししています。その上で患者さんの希望に沿った治療方法を選択するようにしています。めざす完成形があって、それが保険内でできないのであれば自由診療で行って理想どおりをめざせるのがもちろん良いですが、実際は費用が患者さんの障壁になります。ですので、自由診療で治療する場合、保険治療の場合の違いを説明して患者さんと相談しながら決めています。まずゴールを決めて、その過程で越えなければならない外科処置・期間・費用についてしっかり話し合い、設計図を作成。そのため、初診は基本1時間かかります。急患の患者さんは別ですが、検査をして治療プランの立案に1時間使い、治療は次の診療からになります。難しい症状については立案にさらに時間をかけることもあります。
在宅歯科医療にも力を入れていると聞きました。
障害のある方や、高齢で病気などをお持ちで通院が難しい方のお宅や介護施設へ、患者さんの口腔内の状況に合わせて、週1回~3ヵ月に1回のペースで訪問しています。訪問先には、クリニックと同様の治療が行えるよう、各種治療機器がそろっているポータブルユニットに加えてポータブルエックス線撮影装置など検査機器を持参します。診療で多いのは、誤嚥性肺炎を予防するための口腔ケア。ご自分やご家族で口腔を清潔に保つのは難しいこともありますので、いかに誤嚥を防ぐかが重要で、嚥下内視鏡を使ったり、食物が飲み込めているかチェックしたりします。介護施設では誤嚥を防ぐため、リハビリテーションの支援などもしています。また、専門性を生かして入れ歯のメンテナンスにも対応しています。その方にしっかり合った入れ歯かどうかを確認し、必要に応じて新しく入れ歯を作製することもあります。
最後に今後の展望、地域の方へのメッセージをお聞かせください。

現在、難しい症状を抱える患者さんにも頼りにしていただけていると感じます。これからも、お口や歯のことで困っている方や、口腔内のトラブルを本質的な原因から治したいと考えている方のお力になりたいと思います。長く通院していてもなかなか治療が終わらない、抜歯するしかないなどと言われた場合、当院ならば何らかの手立てが考えられるかもしれませんのでぜひ相談に来てください。また、メンテナンスなどをしっかり行い、地域の患者さんの健康観を上げて維持していけるようにも努めていきます。口の中から健康を支え、生活も含めて幅広くサポートしていきたいです。また、訪問歯科診療についてご存じない方がまだまだ多いですので、医科・介護の専門職と連携して啓発に努めていこうと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/44万円~、矯正/71万5000円~、自家歯牙移植/10万円程度
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

