田中 秀世 院長、田中 佳世 先生の独自取材記事
わかば歯科医院
(鶴ヶ島市/若葉駅)
最終更新日:2024/03/13

東武東上線「若葉」駅から徒歩10分の「わかば歯科医院」。1978年の開業以来、地域に根差した歯科医院として人々に愛されてきた。祖父母から孫まで家族3世代で通っている家庭も多く、虫歯や矯正などの治療から予防のためのメンテナンスまで、地域の人々の歯と口腔内の健康を保つために貢献している。院長の田中秀世先生は義歯や補綴治療を専門とし「義歯といえばわかば歯科医院」と言う人もいるという。秀世先生の娘で2003年より同院でともに働く田中佳世先生は、特に小児の矯正治療に力を入れている。「私たちの治療で患者さんが楽しく元気に生活できるようになることが幸せ」と語る両先生に、地域への想いや診療において大切にしていることなどを聞いた。
(取材日2023年11月8日)
長く元気でいるために歯と口の健康を守る
どのような患者さんが来院されていますか? 開業当初から変化したことはありますか?

【秀世先生】受診する患者さんは、幼児から小・中学生までのお子さんと高齢の方が多いですね。この地域で長く診療しているので、昔、お子さんの時に来られていた方が親になってお子さんを連れて来ることや、お孫さんから祖父母までご家族皆さんで通っていただいているご家庭もあります。開業当初は虫歯の患者さんが多かったですが、歯科検診の普及と親御さんの意識のおかげか、最近は虫歯の治療は少なく、予防やメンテナンスが主体となっています。お子さんでは幼稚園や学校の検診でチェックされたり、歯並びを気にされたりして受診する方が多いですね。高齢の方も今は皆さんとても元気で、歯が多く残っている方が多い印象です。
診療方針と、先生が大事にしているお考えをお教えください。
【秀世先生】まずは、虫歯や歯周病の予防を心がけ、今ある歯を残すことを大事に考えています。私は地域でさまざまなボランティア活動を行っていますが、そういう場でもいつも口腔ケアの大切さを訴えています。歯が健康なら不自由なく食事ができると思いますし、好きなものをおいしく食べられることは、高齢になってもずっと元気で楽しく生活できる源だと思うのです。最近では高齢でも元気でご自分の歯が多く残っている方が多いですが、そういう方は予防に対する意識も高いと感じます。今ある歯をずっと残したいと定期的に受診しようと考えられる方も多いですね。
佳世先生が診療において大事にしていることは何ですか?

【佳世先生】常に「もし自分がこの患者さんだったら」と自分に置き換えて考え、治療法を提案しています。もちろん、人によって価値観は異なるので、私が理想とする治療がすべての患者さんに合うとは限りません。しかし、治療にはさまざまな選択肢があるので、それを知っていただくためにも、まずは「自分だったら、こうしてもらえたらうれしいな」と思える治療法を提案することを最初の一歩としています。女性なら何歳になってもきれいでいたいと思う人も多いと思いますし、例えば、美容院に行って「もう70歳なんだから白髪でも良いじゃない」と言われるより「あと5cmぐらい切ったら、とても若々しく見えますよ」と提案されたほうがうれしいのではないかなと思うのです。同じように歯科医院でも、ずっとその人が元気で、きれいでいられるような治療の方法を提案できれば良いなと思っています。
治療によりみんなの笑顔が増えたら幸せ
お子さんの矯正治療にも力を入れているとお聞きしました。

【佳世先生】父が義歯や補綴を専門としていたので、もともとは私も一緒に診療するならその領域を勉強しようと考えていました。ところが実際に歯科医院で診療するようになったら、父が義歯や補綴の治療をするので、お子さんの矯正治療は私が受け持つようになりました。そこから矯正治療を勉強し、今は、抜歯をせずに取り外し可能な装置を使用した床矯正の治療に力を入れています。実は、小学校低学年ぐらいまでの時期は矯正治療を始めるのに適したタイミング。部活がある中学生や高校生と違い、小学生の頃は比較的時間に余裕がありますし、親御さんが治療を管理することができます。成長期ゆえ、骨の自然な成長を利用し歯列を整えていくことをめざす方法を提案できると考えています。小児期に、ある程度矯正しておけば大人になった時には微調整を図るだけで済むこともありますし、ゼロから成人の矯正治療をするより時間的、経済的な負担が少なくて済みます。
佳世先生が歯科医師の道を選んだのはなぜですか?
【佳世先生】父も母も歯科医師なので、子どもの頃からこの職業を身近に感じていて、自然にこの道を歩いてきたという感じです。もし父が仕事に行くときに、つらそうにしていたらそう思わなかったでしょうが、子どもから見てもすごく楽しそうに働いているのを感じて、良い職業なのだなと思っていました。実際、歯科医師になったらとても楽しくて、こんなにも良い仕事はないと思っています。
歯科医師という仕事の魅力は何ですか?

【秀世先生】やはり、治療をして患者さんに喜んでいただけたならうれしいですね。楽な仕事ではないですが、この仕事が好きなのです。歯科医師の仲間とも「好きじゃないとできない仕事だよね」とよく話します。患者さんと信頼関係ができていないと治療はうまくいかないと思うので、コミュニケーションは大事だと思いますし、治療しながら患者さんといろいろ話している時間が一番楽しいですね。
【佳世先生】例えば、子どもの時に矯正治療をした方が大人になって受診した時に、歯や歯並びがきれいだととてもうれしいです。自分たちが治療した成果がわかるので。治療をして良くなられたなら、食事もおいしく食べられるようになるし、おしゃれもできるし、笑顔も増えて患者さんがハッピーになれますよね。治療は私たちだけでなく患者さんにとっても大変ですが、その後には幸せが待っている。そう思うと楽しい仕事だなと感じます。
歯科医院のみんなで患者を大事にしていきたい
ともに働く歯科医師として、お互いのことをどのように思っていますか?

【秀世先生】歯科医師としての技術は娘のほうが私よりずっと高いと思いますよ。歯科医院のことも完全に任せられますし、スタッフや患者さん、地域の方からの信頼も厚いと感じているので、わが娘ながら誇らしく思っています。
【佳世先生】父は「こうでなければ」と決めつけたり「こうしなさい」と押しつけたりすることが一切なく、そういうやわらかい考え方をするところがとても好きです。スタッフや患者さん、地域の人など、誰に対しても分け隔てなく優しいですし、自治会の草むしりをしたり、地域のお祭りで焼きそばを焼いたりしていると、もう地域に溶け込みすぎて、歯科医院の院長には見えません(笑)。もともと地域活動やボランティアなど、コミュニティーに参加するのが好きで上手なんでしょうね。
スタッフとのコミュニケーションで心がけていることはありますか?
【佳世先生】現在は、歯科衛生士が5人、助手が5人、歯科技工士が1人、大学生のアルバイトが1人、土曜日に来てくれる先生が1人、合計13人のスタッフがいます。当院には虫歯や歯周病予防のため、定期的に検診に来られる方も多く、そういう方には歯科衛生士が家庭でのケアの仕方を細かく丁寧に指導してくれています。前に述べた「もし患者さんが自分だったら」という発想でケアできたら良いな、ということはスタッフにも伝えています。月に1回、定例のミーティングはありますが、女性が多いこともあり、もともと仕事のことからプライベートなことまで日常的によく話すので、特に意識しなくてもコミュニケーションは取れているかなと思っています。
今後の展望をお聞かせください。

【秀世先生】診療については、娘の描く理想に向かってやっていってもらえたら十分。私はその隣で、これからも地域の方々が健康でいられるように、できることをできる範囲でしていけたらと考えています。
【佳世先生】「歯科の仕事って楽しい」という思いや、父が築いたこの歯科医院の良いところは受け継ぎつつ、時代に沿った診療を続けていければと考えています。歯科医師は患者さんの人生に関われる仕事だと思うので、少しでも患者さんの人生をプラスにする手伝いができる歯科医院を、みんなで作っていきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正治療/17万6000円〜、床矯正/18万7000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。