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西堀 英樹 院長の独自取材記事

きたみ胃・大腸クリニック

(世田谷区/喜多見駅)

最終更新日:2021/10/12

西堀英樹院長 きたみ胃・大腸クリニック main

日本人の死亡原因の一位を占めるがん。中でも胃がんや大腸がんは早期発見ができれば完治が望めるにも関わらず、いまだに日本人の死亡原因の上位にある。「きたみ胃・大腸クリニック」は、がんで命を落とす患者を一人でも減らしたいという思いで、2007年に喜多見駅前に開院。院長を務めるのは、慶應大学病院消化器外科にて内視鏡のスペシャリストとして消化器がん治療の一役を担ってきた西堀英樹先生。同院では、患者さんにとってつらくない内視鏡検査を行うことを心がけており、リピーターや遠方から来院される方も多いそうだ。「胃がんや大腸がんで亡くならないためには早期発見がカギです」と話す西堀院長に、近年の内視鏡検査の状況や同院での診療理念などさまざまな話を聞いた。

(取材日2017年5月22日)

がんの早期発見が使命

先生がドクターを志したきっかけを聞かせてください。

西堀英樹院長 きたみ胃・大腸クリニック1

子どもの時に祖父が大腸がんを患ったことに強い影響を受けました。手術により祖父の大腸がんは治ったのですが、その後も定期的に内視鏡検査を受け、大腸ポリープを切除していました。内視鏡でのポリープ切除は、40年前の当時は先進の医療でしたし、何しろ開腹せずに大腸の中のポリープが切除できるというのが衝撃的でした。そして、医師になるなら不治の病と言われるがんを治せる医師になりたいと思ったのです。がんの中でも日本人の死亡原因の上位を占める大腸がんや胃がんを治したいという考えから、まずは消化器外科に進みました。

どのような思いで開業されたのでしょうか。

勤務していた大学病院には、早期発見で完治する患者さんもいれば、進行して再発を来す患者さんもいます。再発された多くの場合は、治療の限りを尽くしても、がんを完治できず、命を落とされる方を目の当たりにするのがとても悔しくつらかったんです。少しでも余命を延ばすために、わらをも掴む思いでつらい抗がん剤治療に励む患者さんの姿を見ていると、もっと早い段階でがんを見つけさえしていればという思いが強くなり、内視鏡によるがんの早期発見に主軸を置いたクリニックを開業することを決意しました。

開院から10年目ということですが、開院当初から変化した部分はありますか。

西堀英樹院長 きたみ胃・大腸クリニック2

開院当初は高血圧やメタボリックシンドロームなどの一般的な内科疾患を含む近隣からの患者さんが中心でしたが、近年は当院で検査を受けられた患者さんのクチコミやご紹介によって受診されたり、インターネットで情報収集して遠方から来院される方も増え、当院が消化器系に特化したクリニックだと認知していただけるようになりました。それにより「がん検診で異常が発見された」「自覚症状がある」などの理由で、最初から内視鏡検査を希望して来院される方も増えています。

高い技術で負担が少なく精密な内視鏡検査に努める

つらさを感じさせない内視鏡検査にこだわっている理由を聞かせてください。

西堀英樹院長 きたみ胃・大腸クリニック3

早期発見のためには定期的な検査が重要です。これだったら次回も受けようと思っていただけるようなつらさのない検査をめざしています。その実現のためには、まず患者さんの心配を取り除くことが必要。当院では事前にじっくり説明し、納得いただいてから検査をしています。胃内視鏡検査に関しては経鼻と経口があり、それぞれのメリット・デメリットを考え、患者さんに応じて選択しています。経口胃内視鏡と大腸内視鏡は鎮静麻酔を併用しますが、それに加えて、できるだけ苦痛を与えないような丁寧な内視鏡操作もポイントです。これは長年の経験から得られたテクニックともいえますね。もちろん、患者さんの負担を軽くするため、速やかにかつ見逃しのないよう丁寧な観察を心がけています。多くの方に満足して帰っていただいていますし、毎年来てくださる方もいらっしゃいます。患者さんに「苦しくなかったです」と言ってもらえるのは本当にうれしいですね。

先進の設備や技術導入にも力を入れているそうですね。

近年、内視鏡の設備を総入れ替えしました。内視鏡検査も日々進化していますから、検査のクオリティを上げるためにも必要な投資だと思っています。さらにここ数年は、狭帯域光観察拡大内視鏡を導入することでより精密な診断ができるようになりました。狭帯域光観察拡大内視鏡とは、組織を採取することなくがんのみならず前がん病変を診断できる機器です。これにより数ミリの小さな病変も発見出来るようになりました。

なかでも大腸内視鏡検査と日帰り手術を多く行っているそうですね。

西堀英樹院長 きたみ胃・大腸クリニック4

もともと大腸外科の医師であったこともあって、大腸内視鏡には特に力を入れています。これまで大腸内視鏡がつらかったり、困難であった患者さんがクチコミなどでいらっしゃることも多いです。大腸ポリープを発見した場合は、まずは狭帯域光観察拡大内視鏡を用いることによってがんや前がん病変を診断し、必要があれば積極的にその場で切除しています。前がん病変や早期のがんであれば、当院で日帰り手術が可能です。いわば、検査と同時に治療まで行うことによって、患者さんの負担も軽くできます。当院で切除困難なポリープや腫瘍を発見した場合には、病状や術式ごとに適した医療機関や信頼できるスペシャリストの先生を厳選して紹介しています。

患者一人ひとりに寄り添う、「オーダーメイド診療」

先生の診療に対する理念を聞かせてください。

西堀英樹院長 きたみ胃・大腸クリニック5

開院当初から、私の診療理念は一貫して変わりません。自分の目の行き届く範囲で、患者さん一人ひとりを診療したいと思っています。とくに内視鏡検査はすべて自分自身で丁寧に行っています。そして現状に飽き足らずに医療情報を収集し、先進の診療技術を積極的に取り入れて患者さんにフィードバックしたいと思っています。

先生がこだわっている「オーダーメイド診療」について教えてください。

内視鏡による検査が中心といっても、それはあくまでも患者さんの診断のために必要な手段にすぎません。一人ひとりの病状やリスクをきちんと把握した上で、それを丁寧にわかりやすく説明し、患者さんに十分に理解していただくことが重要です。その上で、先進の疾患ガイドラインに準じながらも患者さんごとに適した治療を行っています。また、がんに限らず多くの病気は定期的なフォローアップや検査が大切ですが、患者さんごとに最適なフォローアップ間隔を設定するよう心がけています。不必要な検査はしないに越したことはないですからね。そうすることで患者さんの時間や経済的負担を軽減することができますので、それも長年にわたりフォローアップを継続していただくコツだと思っています。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

西堀英樹院長 きたみ胃・大腸クリニック6

同じ先進国のアメリカでは大腸がんによる死亡率が減少しているといわれていますが、日本では大腸がんによる死亡率は改善されていません。とくに大腸がんは女性の死亡率第1位を維持しています。胃がんや大腸がんは早期発見さえできれば完治が望めます。早期発見を実現して一人でも多くの患者さんを助けるためには、まずご自身の症状や生活習慣などに潜む危険因子を知っていただきたいと思います。そして検診、特に胃がんの原因となるピロリ菌の検診と大腸がんの便潜血検診は機会があれば面倒がらずに受けて、ひっかかったときは必ず内視鏡による精密検査を受けてください。長く健康を維持するためにも、ピロリ菌検査はできるだけ早く、大腸内視鏡検査は40歳を過ぎたら受ける機会をつくってください。

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