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坂口 豊 院長の独自取材記事

坂口歯科医院

(千葉市中央区/西千葉駅)

最終更新日:2021/10/12

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JR総武線の西千葉駅南口から徒歩2分、地元に40年の歴史を刻む「坂口歯科医院」。院内は温かみがあり、気軽に入れそうな親しみやすさにあふれている。先代からかかりつけ医としている患者もおり、地域からの信頼も厚い。坂口豊院長は、大学病院の口腔外科での長いキャリアを経て、多摩地域の大きな医院に勤務。インプラントを専門として活躍していたが、父が創業した同院を継ぐ決心をし、故郷に戻ってきた。その1年後、友人の勧めで始めた訪問診療に「人生観が変わった」というほどやりがいを感じ、今ではライフワークと語る。取材では、歯科医師としてのスキルのみならず、人間のすべてをぶつけて患者の人生に踏み込む訪問診療についてたっぷりと語ってもらった。

(取材日2015年6月1日)

訪問診療と出会い、人生観が変化

福岡歯科大学に通われたんですね。

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父は九州の出身で、この地に当院を構えたのがおよそ40年前です。私は4人兄弟の長男なのですが、気がついたときには自分は歯科医師になるものだと思っていました。特にこれというきっかけがあったり、将来のことを迷ったりした記憶はないんです。父の出身地で親戚も多いため、福岡歯科大学に進みました。学生時代は楽しかったですが、大変でしたね。当時は設備や技術も今とは違いますし、一度始めた解剖や実験は、すべて終えるまで帰れないんです。お昼ごろから始めて、夜中まで帰れないなんてことが普通でしたよ。さらに、私は空手部に入っていたんですが、母校の空手部は強く、練習はめちゃくちゃきつかったです。そのぶん、試合に勝ったときはうれしかったんですが。そのときのおかげで、かなりの忍耐力はついたと思います(笑)。

その後、医院を継がれるまでの経緯を教えてください。

福岡歯科大学を卒業後、東京で日大の口腔外科に9年勤めました。海外の学会に4年続けて参加できたのはとても良い経験になりましたね。その後、多摩地域にある大きな医院に勤務医として勤めました。ここでは3年間勤めたのですが、そのまま勤務医を続けるか、独立開業するか、当院を継ぐかの3つでとても迷いました。親を助けなければという気持ちに加えて、最終的な決め手となったのは自分の子どもや家族のことです。妻も地方出身ですし、自分たち家族が都内のタワーマンションに住むイメージができなかったんです。子どももおじいちゃんもいる故郷でのんびり暮らしながら、地域医療に貢献している姿の方がしっくりきたんです。

訪問診療に力を入れていらっしゃいますね。

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広島で開業医をしている学生時代の親友が訪問診療を始めていて、かなり力を入れていたんです。その親友に勧められて始めました。それまで私のキャリアは口腔外科が長く、専門はインプラントでした。自分の専門とは違ったのですが、実際に訪問に行って、すっかり人生観が変わってしまいました。訪問診療ではほとんどの患者さんがご高齢の方です。中には、老人性うつや痴呆症を患っておられる方もいます。ですので、外来診療とはまったく違うやり方が必要となってきます。お口の中を見せてもらう段階まで行き着くのに、たいへんな努力を要します。治療にしても、例えば入れ歯を入れたくないという人に対して、入れ歯がないならどうやってものを食べてもらうかという発想が求められます。患者さんがものを食べられるように、お口のケアをしていくことが大切だと私は考えています。今は当院の診療内容は外来が5割、訪問診療が5割という割合です。

今後の社会構造に不可欠な訪問診療

外来についてはいかがですか?

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外来は、73歳になる父と一緒に行っています。父の代から通っている患者さんが多いので、そのままの雰囲気を変わらず残すようにしています。父の患者さんを私が診る場合にも、変わらぬ安心感を持っていただければと思いますね。心がけているのは、恐怖心や警戒心を与えないことです。具体的には、視線を下から合わせることで、患者さんに威圧感を与えないよう気をつけています。これは訪問診療の経験から学んだことです。外来でも椅子に座らず片膝をついてお話しすることもありますよ。

お父さまも現役なのですね。

父には老人ホームへの訪問診療に同行してもらうこともあるのですが、かつては「戻ってくるな、継がなくていい」と言っていた父も、老人ホームに行くようになって、積極的に私の診療を手伝ってくれるようになりました。それほど、訪問診療をしていると、自分や自分の家族の将来の姿について考えるようになるんですよね。高齢化社会にあって、みんなが自分のこととして考えるべきだと思います。訪問診療は非常にニーズがありますし、もっと増えてくると思います。他院と協力して訪問診療を行ったとしても、すべての患者さんを診療しきれないというのが現状です。訪問を始めた時にも、私のような地域の開業医でもお手伝いできることがあるかもしれないと考えていました。

専門であるインプラントの技術が訪問診療に生きることはありますか?

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インプラントは比較的新しい技術ですから、術後のフォローが心配です。これからはインプラントを受けた方が高齢となり、老人ホームに入ったり、老人性うつや認知症になったりすることも増えてくるでしょう。インプラントは治療後、定期的なメンテナンスが必要不可欠になります。ですが、インプラントに関しては、歯科医院に通える方ならまだしも、通えない方へのフォロー体制については、現在整っていません。ただ、私は当院に来る前はインプラントが専門でしたので、今後は、私の持つインプラントの知識や技術が、訪問診療で役立つケースが増えてくると思います。私の歯科医師としての役割はそこにあるのかも知れませんね。

患者の生活を知っている歯科医師をめざして

スタッフの皆さんを紹介してください。

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当院はスタッフが自慢です。衛生士は全員女性なのですが、20代から50代まで幅広い世代がいます。常勤の助手2名は父の代からのベテランで、彼女たちが受付の仕事も行ってくれています。訪問診療のスタッフは30代から50代まで、みんな子育ての経験者です。それぞれ得意分野があり、チームワーク抜群です。孫を持つ50代の3名は、当院のキャンディーズと呼んでいるんですよ(笑)。それから歯科医師については、父と私のほかに、矯正歯科医師として大学病院に在籍する弟にも来てもらっています。当院はホワイトニングも行っていますし、口腔がんなどの診察も可能です。父が開業して40年、地域に根差した開業医として、特別に何かの技術を特徴とするよりも、幅広い疾患やニーズの窓口という役割を担えていると思います。

終業後や休診日はどのように過ごされますか?

木曜と日曜が休診日なのですが、どちらも介護関係やインプラント関係の勉強をしています。いろいろな資格も取得したいので、時間があると本を開いて勉強にあてているんです。3人の子どもを連れて遊びに行くこともありますが、子どもを遊ばせておいて私は勉強していることが多いですね。と言っても、普段から終業後はあまり仕事のことは考えないようにしていて、地元の仲間と行きつけのお店に飲みに行くのが日々の楽しみです。お酒が好きで、実は体型が気になってきてしまい、ジムにも通っているんです。ジムは結構効果が実感できるのがうれしく、楽しんで通っています。

最後に改めて、歯科医師としてのやりがいや目標を語ってください。

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訪問診療は、患者さんの生活に踏み込む仕事です。感謝していただく回数は多い立場だと思います。お口をきれいにしたことで、患者さんが元気になったときはやはりやりがいを感じます。訪問診療で通っていた、ご高齢の患者さんが亡くなられることもあります。人生の最期までお役に立てる立場であり、ご家族からの感謝のお言葉をいただけることは、重要な責任を感じるとともに、やりがいや喜びも大きいですね。しかし、訪問診療にあたって、歯科医師のできることは限られているかもしれません。ですが、お口のケアができるのは、歯科医師だけなんです。私は、そこに誇りと責任感を持っています。ケアマネジャーさん、看護師さん、内科の先生たちと一緒に、介護チームの一員として「生活を知っている歯医者」になりたいですね。訪問診療は熱意がなければできないといわれますが、私は熱意なら負けません。訪問診療は私のライフワークだと思っています。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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