高橋 章浩 院長の独自取材記事
稲浜歯科
(千葉市美浜区/京成稲毛駅)
最終更新日:2026/05/07
京成千葉線京成稲毛駅から徒歩10分「稲浜歯科」は、1984年に院長・高橋章浩先生が開業。以来40年以上にわたり、稲毛の人々の健康を歯科の側面から支えてきた。特に入れ歯治療に力を入れ、「もし自分に合った入れ歯を入れて患者さんがニコニコ顔になってくださったら、すごくうれしいです」と話す高橋先生のもとには、他の歯科医院から紹介されてやってくる患者も多い。高橋先生はまた、約40年にわたって市内の学校医を務め、子どもたちの虫歯予防にも尽力。自作の紙芝居や位相差顕微鏡を使った指導で、若い世代の将来の健康を支え続けてきた。そんな高橋先生に、やりがいや診療にあたって大切にしていること、現在力を入れていることなどを聞いた。
(取材日2026年3月23日)
治療を進めるのは、患者が一番気にしているところから
こちらはどんなクリニックですか?

稲毛海岸で開業して40年以上になる歴史のあるクリニックです。昔から通ってくれている方や、患者さんからの紹介で来られる方が多いです。また、近隣に新しいマンションが建ってきているので、若い方もいらっしゃいます。年齢層としては幅広いですね。症状としては虫歯の治療や歯周病の治療、また入れ歯の治療や口腔内のクリーニングなどで来られる方が多くいらっしゃいます。入れ歯に関しては、他の歯科医院からの紹介で来られる方もおられます。健診も受けつけていますので、口腔内で気になる点がございましたら、いつでも気軽に頼っていただきたいと思います。
診療にあたり常に心がけていることなどはありますか?
「患者さんは何を治療したくて来られたのか?」を、必ず最初に聞くようにしています。例えば、お口の中全体が歯周病で治療が必要でも、その方が一番気にしているところが歯の痛みなら、その気にしているところから治療を始めていきます。まずそこに満足してもらってからでないと先に進めないと思っているので、治療は患者さんの希望第一で行っていきます。その上で、エックス線写真などを見せながら現状説明して、歯周病の治療や予防のためにこういうこともやったほうがいいですとお話しさせていただいています。
どんなところにやりがいを感じますか?

やっぱり、患者さんが喜んでくれるところですね。例えば入れ歯の場合、顎関節などを診ながらその人の噛み合わせが良くなることをめざして高さを調整するのですが、特に総入れ歯治療の場合、入れ歯を入れる前と後では患者さんの表情や姿勢が全然違います。奥歯でしっかり噛めると、表情が明るくなることにつながり、首がグッと起きて姿勢もまっすぐになることが期待できます。その結果、肩凝りや腰痛の改善につながったりもするんですよ。そういう全身的なつながりはおもしろいと思いますし、私が大学で補綴科を選んだ理由の一つでもあります。
口の健康を守ることで全身の健康を守る
歯周病や虫歯の治療・予防に取り組んでおられます。

歯周病予防の大切さは常にお話ししています。患者さんの中に歯周病が進行した状態である歯槽膿漏で、たった1年で歯が全部抜けて、総入れ歯になった方がいらっしゃいました。重度の歯周病になると、まず臭いが大変ですし、歯茎から出る膿を毎日飲んでいるわけですから健康にも良くありません。脳梗塞や心筋梗塞のリスクが歯周病ではない人の3~4倍に上昇するといわれていることに加え、歯を失い総入れ歯になっても、顎の骨が溶けているためなかなか安定しないなど、さまざまな問題が発生します。虫歯の菌と歯周病の菌はけんかするので、重度の歯周病だけれど虫歯はないということもあり得ます。身近な人に口臭を指摘されて来院したら歯槽膿漏だった、という例も珍しくないので、注意が必要ですね。歯周病の原因となる歯垢や歯石のつき方は、唾液の性質や食習慣によっても変わるので、検診も兼ねて、一度歯科医院で診てもらうのがお勧めです。
特に入れ歯治療にも力を入れて来られたと聞きました。
歯を失った際の治療には、入れ歯、ブリッジ、インプラント治療がありますが、当院では主に入れ歯治療に力を入れてきました。インプラント治療も良いとは思うのですが、開業当時のインプラントは今のように日本人に合ったものではなく成功例が少なかったこと、そして病気などで手入れが難しくなると骨に影響が出がちで、撤去して入れ歯へ移行する治療が非常に大変だったのを体験したことなどから、当院では扱っていません。加齢や病気によって自分でクリーニングができなくなる可能性や金銭面の負担なども考慮して、入れ歯治療に力を入れています。入れ歯というと保険診療のイメージがありますが、自由診療で、留め金の見えない、残った歯に負担をかけないためにばねで固定しないタイプなど、さまざまな種類があります。総入れ歯のご相談は多いですが、自由診療でも保険診療でも、しっかり食べられることと外れないようにすることをめざしています。
院内の設備にもこだわりがあると聞きました。

一番のこだわりは院内で使用している殺菌した水です。30年ほど前から、うがい水や治療用水、器具の消毒などはすべてこれを使っています。また、歯を削った時に飛び散る水による汚染を防ぐためにパワフルな空気清浄機を導入。空気中に次亜塩素酸水を噴霧する機器も入れて、万が一にも空気感染がないよう対策し、安心して利用してもらえるようにしています。
患者を笑顔にできたら何よりうれしい
約40年にわたって学校医を務め、千葉市から表彰を受けたそうですね。

2025年に70歳になるまで千葉市の学校医を担当し、年に6~8回ほど小学生の学級指導をしていました。自作の紙芝居やスライドを使って、適当に歯磨きしていると口の中に虫歯菌が増えていくということを説明したり、子どもや保護者から希望者を募って、顕微鏡で細菌を見てもらったり。教員にも歯磨きを指導し、給食後に歯磨きタイムを設けてもらって、教員から子どもたちに指導してもらったり。こうした活動に親御さんの意識の変化も加わり、昔に比べたら子どもの虫歯はうんと少なくなりました。口の健康を保つには、歯ブラシの習慣をつけること、口の中にずっと甘い物を留めておかないことがとても大切です。
大学時代には、歯学部のアメフト部を立ち上げられたと聞きました。
仲のいい同級生が、立教大学の系列の高校出身でした。立教大学は日本で初めてアメリカンフットボール部をつくった学校で、その仲のいい同級生の友達がみんなアメフトをやっていたことから、「うちもクラブを立ち上げよう」とメンバーを集めて、日本大学歯学部のアメフト部を立ち上げました。アメフトは大学に入るまでやったことがなく、何もノウハウがなかったので、立教大学のアメフト部メンバーに来てもらったり、立教大学や上智大学に見学に行ってポジションごとの練習方法を学んだりして。その甲斐あって、私がキャプテンの時代には初めて歯科大学リーグで3位になり、その後も歯科医師リーグでブロック優勝を経験できました。この間、アメフト部の創部50周年のイベントがあったんですが、この時の仲間とは今もそうした形でつながっています。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

開院当初に当院に訪れた子どもたちはもうみんな一人前になってしまったので、今後はできれば、いい入れ歯をたくさん作りたいですね。入れ歯が合わなくて困っている方に喜んでもらえるような総入れ歯や部分入れ歯を作っていきたいと思っています。歯があるのとないのとでは、顔の長さや顔つきが全然違います。合う入れ歯がなく、老けた印象になってしまっていても、総入れ歯を入れることで若々しさや美しい姿勢を手に入れることが期待できます。もし笑顔も取り戻していただけたら、歯科医師として、とてもうれしく感じると思います。噛むという行為は、脳に血流を送ることでボケ防止につながるといわれていますし、唾液が出ることで消化を助け、栄養の吸収が良くなることが見込めます。噛むこと自体が健康につながっているわけです。おいしい物を食べれば楽しくなると思いますから、食べることは長生きの素。楽しく食べて、長生きをめざしましょう。
自由診療費用の目安
自由診療とは留め金のない入れ歯/6万6000~19万8000円

