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鈴木 亮 院長の独自取材記事

鈴木デンタルオフィス

(船橋市/船橋法典駅)

最終更新日:2019/08/28

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「鈴木デンタルオフィス」は船橋法典で長い間地元の人に親しまれてきた歯科医院。地域医療のトップランナーとして先代院長が数々の功績を打ち出して、地域の信頼関係を築いてきた。今では当たり前のように実施されている歯ブラシ指導も同院では早くから始めていたと言われている。そんな先代院長の後を継ぐのは息子である鈴木亮院長。「どんな技術を持っているかよりも患者との信頼関係が第一」と地域医療ならではの志を掲げるのは先代院長と同じ。しかし、それだけではなく、新たな患者のニーズに応える施策を講じていた。鈴木院長に今までの同院の歴史やこれからについて詳しく話を伺った。
(取材日2015年9月1日)

地域医療のトップランナーだった父から歯科医院を継いで

歯科医院の歴史を教えてください。

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この歯科医院は父が開院したもので、僕は2代目の院長にあたります。開院してから今年で47年目。地域医療を通じて日本全国に発信をしてきた歯科医院です。父が力を入れたのは歯周病治療で、ここに研究施設も作りました。当院はその知見を他の歯科医師に広める役割もあったのです。やがて、その利益を患者さんにも還元したい、ということになり、近所の小さいお子さんを持つお母さんたちを招いて歯ブラシ講習会も行っていました。今でこそ当たり前になりましたが、当時は画期的な取り組みでした。そうした地域への貢献が認められ、父は歯科学会の会長賞を受賞しました。その後、この地域だけでなく、国に対しても歯科医療をもっと充実させるための訴えかけを行い、文部科学大臣賞も受賞しました。患者さんに最善を尽くすために何をしたらいいかを考え、社会に広く発信するということは父から引き継いだ当院の方針です。

文部科学大臣賞はどんな点が評価されたのですか?

千葉県への貢献度が高かったのだと思います。父は、先ほどの話にあった歯ブラシ教室を、歯科医師会を通じて船橋市、千葉市へと広めていったのです。また、粉ミルクの人気が高かった時代には医師と国を相手取って戦いました。粉ミルクは栄養価が高く、医師も使用を勧めていました。しかし、当時の粉ミルクは砂糖が大量に入っていて、それを使って育てられたお子さんの多くが虫歯になってしまいました。そこで、父はその状況を訴え、船橋に粉ミルクを入れさせないようにしたのです。一開業医でありながら、少しずつステップアップし、国にも意見できる態勢を作りました。僕もこの地域で生まれ育った身。「この地域ではどうして高齢になっても歯が残っている人が多いのか」と不思議がられる場所にしたいです。そして、もっと言えば日本全体をそうしていきたいです。

先生がお父様の代からさらに発展させたことはありますか?

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世代が変われば時代も変わります。ですから、時代に合わせたニーズに応えることが大事だと思います。当院は父の代以来、遠方からの患者さんがとても多いんです。そうした方は、館山や箱根、小田原などから片道2〜3時間かけてやって来てくださいます。そこで、何度も通院しないで済むように、その日に結果が出せる「ワンデイ治療」を心がけています。その日のうちに歯を入れられる、コンピュータ制御によって歯の修復物を設計・製作するCAD/CAMシステムも導入しました。このシステムで歯を作るのに要する時間は1時間ぐらい。患者さんのスケジュールが詰まっている歯科医院では、システムがあってもその日のうちに歯を入れないところが多いんです。しかし、当院では抜髄後など時間を置いたほうがいい場合をのぞき、ワンデイ治療を実施しています。

長い信頼関係の中でだけ見えてくるものとは

先生のポリシーを教えてください。

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まずは信頼関係を作ること。そして、できるだけ歯を残すことです。患者さんとの信頼関係はとても大切なことだと考えています。昔から来院している方との信頼関係も、ちょっとしたきっかけで関係が変わってしまうことがあります。ですから、初診の方に対してだけでなく、30年のお付き合いのある方でも信頼関係を常に大切にし、慢心しないようにしています。重要なのは、こちらが勝手に「こうしましょう」と上から目線で治療方針を立てないこと。「あなたの歯を治すんだから、あなたも頑張って」という対等の姿勢です。患者さんに自分の歯の大切さを考えてほしいのです。「安易に歯を抜くとか、神経を取るとか言わないでくださいよ」と僕は患者さんによくそう言います。患者さんと僕とが協力し合って治療することでお互いの関係がさらに深まり、患者さんの生活の質をも上げることになります。

先生が公開している症例は経過観察している期間が長いですね。

おっしゃる通りです。僕が学会に提出する症例は最低でも10年経過観察しています。最近は5年しか経過観察していない症例を持ってくる方もいらっしゃいっます。それで一区切り、という考え方も確かにあると思いますが、僕は3年や5年で治療の結果は見えてこないと思うのです。治療後の10年間、患者さんがどんなふうに歯科治療と向き合って来たか。その10年間を含めて頑張らなければ、真に治療したとは言えないと思います。当院は父も含めると47年分の患者さんの症例があることになります。通常、歯科医師として診察が可能なのは約50年。そうすると、これだけの年数の症例を持っている歯科医師は多分そんなにいないと思うんです。長く自分の仕事に責任を持ちながら経過を診られることも、父から受け継いだひとつの財産です。

治療後の10年間はどんな点に気をつけているのでしょうか?

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基本的に歯を抜かなくてよくなるような治療をしています。僕は患者さんに、口の中を治療することは全身を管理する枠組みの1つだと捉えてほしいんです。歯科医院というと、普通は痛みを取るというイメージがあると思います。しかし、患者さんに自覚症状がない歯槽膿漏のような病気もあるわけです。僕はお口の中の健康を通じて生活を向上できるようトータルコーディネートしたいんです。「80歳になるまで20本の歯を残そう」という意味の8020運動。当院の患者さんのデータでは、80歳で20本以上の歯を残されている方が平均以上います。「抜こうと思っていた歯が30年ずっと残りましたね」と患者さんから言っていただけたとき、仕事のやりがいを感じます。

サプリメントを飲むのと同じぐらい歯科治療を大切に

先生はここで働く前、どんな経験をしたのですか?

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様々な場所に行っているんですよ。大学時代には、若いうちに経験を積んでらっしゃいということで離島診療に何度も行っていました。僕が担当したのは、東京都の神津島。卒業して2年ぐらいですが、送られると即院長です。自分ではできるだろうと思って行くわけですが、患者さんを目の前にするとできないことが多かったですね。医局に何度も電話して相談しながらの診療でした。それが終わってから今度は北海道の歯舞村でも診療しました。高崎、八王子、高尾などさまざまな診療室に行きましたよ。いろんな場所でいろんな患者さんに触れて、経験したことが今の僕の考え方のベースになっているかもしれません。普段であれば知り合えない人とふれあう機会を与えてもらいました。中には気性の荒い人もいました。でも、そうした人とも仲良くなる努力をしないと相手も壁を作ってしまい、そこから一歩も進めなくなってしまいます。

今後の展望を聞かせてください。

父と同じように船橋から発信したいという思いがあります。 船橋歯科医師会と日本臨床歯周病学会を通じて活動内容を全国に伝えられるように。そして、最終的には国民の皆さんにその考え方が伝わるように。僕は大学院修了してから二十年弱、大学の兼任講師として毎週木曜日に実習の授業を受け持っています。学生さんはまず勉強すべきことがありますからそれを教えていますが、大学にいる若い歯科医師にはよく話をすることがあります。若い歯科医師はとかく新しい技術や素材を使いたがります。それを使いたくなる気持ちはよくわかりますが、その前にもっとやるべき大事なことがあるんじゃないかと思うんです。その治療は本当に患者さんのQOL(生活の質)を上げることに役立っているのでしょうか。一歩引いて考えたほうがいいよ、ということは伝えています。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

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テレビや本のおかげで「お口の中は全身の一部」だということがやっと認知されるようになってきました。しかし、口の中が悪いと全身疾患を引き起こすという認識はまだまだ薄いように思います。「所詮は口の中のことでしょ。 身体に影響ないんじゃない?」そう思う人が多いのではないでしょうか。人間、50代ともなるとサプリメントなどを飲んで健康に気を使い始めます。それと同じように口の中も本当はお手入れをしなければいけないのです。特にご年配の方。健康でありたいと願うのであればこそ、口の中をしっかり健康な状態に保ってください。サプリメントだったら、30代でも飲んでいる方は多いでしょう。その習慣と比べると、歯科治療はまだまだ下に見られていることが多いなと感じます。もっと歯科のプライオリティを上げたいですね。

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